戦争後
これから、1日最低1話は更新していこうと思います。
国の衛兵がほとんどやられて王様も今や戦える状況でないのを見て、俺は何ができるだろう。
「回復魔法だ」
そうつぶやいた瞬間倒れていたおばさんは少しびっくりしたように、俺を見上げていた。
俺は魔力はほぼ無限にあるが、魔力を使うに伴って、精神力、体力ともにすごい削られる。でも今はそんなことも考えている暇もなく、俺は今までに使ったことのないくらいの大がかりな回復魔法を使った。
この国の形は円のようになっていて、半径はおそらく2キロほどある。そんな王都を包み込むようにして、回復魔法が唱えられた。
すると、今まで倒れていた味方の衛兵たちが立ち上がりまた戦いを開始したのだった。数時間に及ぶ激戦の中ついに俺たちは勝利した。俺はというと、その間ずっと回復魔法を詠唱していた。
ときおり通りかかる人々が俺の姿を見て驚いていたが、状況を読んでくれたようで、何も言わずその場を立ち去ってくれた。
魔法の詠唱が終わり、この国が勝利し人々が歓喜の声を上げているうちに、俺はこの王都を出るつもりだったが、予想以上に体が疲れていたようで俺はそのまま意識を失った。
俺が目が覚めたころ周りはいつも見ていた景色だった。すると、ドアをノックし数人の待女が入ってきた。
「お嬢様、陛下がお待ちです。急いで着替えて王室に向かってください。」
言っていることが理解できない。なぜお嬢様なのか。
「その前に、聞きたいことがあります。」
「何でしょうか」
「この国の人たちはあの後どうなりましたか?
「ええ元気ですよ。 あ・な・たのおかげでね。今国中で建物の修復作業を行っています。 それにしてもびっくりしました。」
「なにがですか?」
「それもちろんあなたの回復魔法ですよ。あんなに大きな魔方陣は今まで見たことがありません。」
「そんなことないですよ。あの後私も気を失ってしまいましたから。
まだまだ修行が足りませんね」
「謙遜なさらないでください。あなたのちからは本物です。これでやっと、陛下があまたに目を付けた理由が分かりました。やはりあなたこそ陛下にふさわしいお方です」
その時、俺はまだその待女の言っていることが理解できていなかった。
俺はその場でぼーっとつっ立っていると、いつの間にか待女たちに着替えさせられていた。
俺の気でいるものはフリフリのついたドレスのようなもので、そんな俺の姿を見て待女たちが、くすくすと笑っていた。
「何ですかこれは!」
「見てわからないんですか?ドレスですよ。それにしてもお綺麗ですね」
「なぜこんなものを着ないといけないんですか。」
「後でわかりますよ。それより急ぎましょう。」
俺はそういった待女たちに無理やり王室に連れていかれることになった。