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捕まったアリシア

ついに一人目が現れました。

アリシアはどうするのでしょうか。

 村を出てから数時間、一度も休みを取らずに歩いてきている。

 なぜこんなに歩けるのかというと、自分の体に体力の減らない魔法と、歩く速度が速くなる魔法をかけているからである。これも回復魔法の特徴だ。


 暫くすると、道の先に誰かが倒れている。近付いていき顔を見ると、俺より

1,2歳ほど年上と思われる青年だった。それもただの青年ではなく、超美形ですごく顔が整っている。真紅の髪に、真紅の目。

  「きれいだな~」

 思わずつぶやいてしまった。すると、手のひらに温かい液体のようなものの感触があった。見てみると、それは血だった。

 「うわっ!」

 つい男だったころのような低い声を出してしまった。

 そんなことはさておき、早くこの美青年の傷を手当てするために回復魔法を使った。思ったより傷はすぐ治った。


 「さすが俺、あっ私」これからは話すときは私にしよう。


 青年はまだ気絶しているが、俺が回復魔法を使えると知ったら、襲ってくるかもしれないから早く立ち去ろう。そう思って足早にその場を去った。


 その時、俺はまだ知らなかった。

 その青年に姿を見られてしまっていたことを。


 それからまたしばらく歩き、やっと王都にたどり着いた。王都の中は、にぎわっていて、立ち並ぶ店には目を見張るものがたくさんあった。


 どれくらい時間がたっただろうか、気づけば日が暮れ始めている。俺は、早急に宿をみつけて、長い一日は終わった。


 次の日、町を見に行こうと宿から出たとき、昨日より騒がしいような気がした。その騒がしさは、にぎわっているとは全く別のものだった。


 何があったのかと、近くの野菜売り場のおばさんに聞いてみると、

 

 「昨日この国の王が視察に出られたとき盗賊に襲われたそうなんだよ。でもね、ほかの護衛たちはみんなやられて王様も切られたはずなのに、なぜか無傷で帰ってきたんだよ。不思議だね~」

 

 おばさんはのんきにその話をしてくれた。でも、


 「話はそれだけじゃないんだよ。その王様がね、俺の傷を治したやつを、妻に迎えるって言ってんだよ。」


  あれ?昨日の出来事に少し似ているような気がする。とりあえず、その王様の特徴を聞いてみよう。

 「つかぬ事をお聞きしますが、王様はどういった見た目なのですか?」


 「あんた知らないのかい!赤い髪と赤い目をしている、17歳の美青年さ。今王様は自分を助けた女を血眼になって探しているよ。その子の特徴は、真っ白の髪だってさ。そういえばあんたの髪も白いね。もしかして...」


 「あああああ~」そう言って俺はおばさんの言葉を遮った。その行動を見ておばさんは、

 「あんたも大変ね~」と笑いながら言った。なんて気楽なおばさんなんだ。人が困っているというのに笑うなんて。

 そう思っていると、おばさんは自分の帽子をとって俺にかぶせてくれた。


 「頑張りなよ!」

 さっきのと言葉は取り消そう。おばさんはとってもいい人だ。

 「ありがとうございます」

 そういってその場を立ち去ろうとしたとき誰かにぶつかった。国の衛兵である。


 「すみません」

 そういってその衛兵の顔を見ると、その人は、俺の顔ではなく、頭の方を見ていた。ぶつかった反動で帽子が脱げてしまったのである。


 俺は急いで帽子をかぶろうとしたが、時すでに遅し、その衛兵は、

 「やっと見つけたぞ」と微笑み俺の手をつかんだ。


 魔法を使おうと思っても両手がふさがれている。しかも、ほかの衛兵もあつまってきた。

 「王宮へ来てもらうぞ。陛下が待っている。」

 人違いだと言おうとしたが、白髪は珍しく、行っても通用しないだろう。俺はおとなしく衛兵に連れていかれた。


 王宮に連れていかれ、客間でしばらく待っていると、待女が現れて、

 「陛下がお待ちです。王室へ案内します。」

 俺は、待女におとなしくついていき、王室に入った。中では、俺が助けた美青年が玉座に腰かけていた。


 「待っていたぞ。俺はこのティグテスカ王国の国王アルファスだ。単刀直入に言う。俺の妻になれ。」


 「はい。嫌です。」


 「今のは聞き間違いだろう。もう一度聞く。俺の妻になれ。」


 「はい。嫌です。」


 「お前、今自分の言っていることが分かっているのか」


 「はい分かっています。ちなみに私の名前はお前ではなく、アリシアです」


 「俺の意見を曲げることは絶対に許さん。お前には俺の妻になってもらう。だがお前はこの俺のどこが不服なのだ。」


 「まずその態度。なってくださいなら分かりますが、なってもらうなんていいかた聞いたことがありません。あと、その自己中心的な考えもやめておいたほうがいいですよ。では、しつれいします。」


 「お前は俺とは結婚できないというんだな。なら仕方がない。」


 そういうと、俺を囲むようにして、王の護衛たちが、立ちはだかった。

 「俺の妻になるというまで牢に閉じ込めておく」

 その瞬間、衛兵たちが俺にとびかかってきた。何人かは眠らせたが、数が多すぎてついに捕まってしまった。


 そして俺は、牢に連れていかれることになる、でもそこは牢ではなくとてもきれいな部屋だった。中にはキングサイズのベッドがありほかの家具の充実していた。


 ひとまず俺は落ち着き、逃げる作戦を考えるためにその日は眠った。



































 











































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