俺は転移した
アリシアの魔法の力を付けるために奮闘する姿が見られます。
(そんなことしなくてもいいのに)
俺、夏目 孝弘は、17歳という若さで夜空の星になった。
しかし、俺は生きていた。何の因果か俺は異世界で子供の(生まれたて)姿となって蘇っていた。
あっ、その前になぜ俺が死んでしまったのか説明しよう。
俺は17歳つまり高校二年生として学生生活をエンジョイしていた。顔もそれほど悪くなく、イケメンと言ってしまうには言いすぎなごくごく一般的な顔をしていた。学校では普通に友達もいたし、常にみんなに笑顔を振りまいていたことから、いつの間にかクラスの人気者でもあった。
そんなある日、男としての好機に巡り合ったのだ。それは、クラスの女子に告白されたことである。
もちろんその告白にはOKを出した。あまりにうれしいことでその日は浮かれ気分で帰宅していた。
だがそこで事件は起こったのだ。いつもの帰り道信号の前で止まっていると。横にデブっ、ふくよかなおばさんが来たのだ。俺はその時そのおばさんから距離をとるべきだった。そのおばさんはハンカチを落としてしまい、しゃがみこんだ瞬間、俺にぶつかってきたのだった。俺はそのまま飛ばされ、運悪くトラックにぺしゃんこにされた。
「恨んでやる、デブ女。」そう口にしたのはトラックとぶつかる瞬間のほんのわずかに時間だった。
そんなわけで、俺は死んでしまった。そして異世界で子供の姿となって蘇った。
「アリシアが生まれたわ」俺が目の覚めたころには女が俺を抱えたままそんなことを言っていた。
俺はすぐさま自分の置かれている状況を理解した。
恐る恐る手を挙げてみると、その手は小さく、とても頭が重い気がした。
自分が理解したのはそこまでで、あることに俺は絶句した。足と足の間に目をやると、そこは男としてあるべきものがなくペタンとしていた。
俺は、こどもに生まれただけでなく、女になってしまったのである。しかし、その状況を理解するのに時間はかからなかった。
「ついに生まれたか!アンリ」 「ええ、生まれたはアレックス。マキシムもこっちに来て妹の顔をみてあげなさい」「うん!」
そう言って、俺を見下ろしているのは、俺の両親(美男美女)、そしてその遺伝子を受け継いだかのように幼いながら完璧な容姿の兄である。
俺は言葉を口に出そうとしたが、そんなこともできるはずがなく、ただじっとしていた。
俺がこの世界に転生してから、分かったことがいくつかある。
それは、
「この世界は今まで住んでいた地球とは別の場所」
「この世界の人々の一部の人間は魔法が使える」
「俺の家族はみんな魔法が使える」
ということだ。




