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解答と昼寝

『私』は、アルケミィーソーンやインテラント達をエトガルの外に出せないかエトガルに聞いた。


『聞き忘れというのは、そのようなことについてか』


『ええ。それで、そこのところはどうなっていますか、エトガル』


『通常だと無理だな』


『そうですか。・・・うん?通常なら?それは、例外があるということですか?』


『私』は、エトガルの言葉に引っ掛かりを覚え、エトガルに問い掛けた。


『ああ。当然例外はある。今回の場合だと、アルケミィーソーンがこれに当たるな』


『アルケミィーソーンはですか。それでは、インテラント達の方は外に出るのは無理ですか?』


『私』は、エトガルが言わなかったもう一方について、一応確認した。


『ああ。インテラント達の方は、現在の状態では外に出せないな』


『そうですか・・・』


『私』は、エトガルからの返答を聞いて、マスターが残念がるだろうなと思った。


『だが諦めるのはまだ早いぞ、アンサラー』


『どういうことです、エトガル?』


『私』は、次にエトガルが言った言葉をいぶかしんだ。


『言ったとおりの意味だアンサラー。まだ諦めるには早い。先程聞いた主の話が本当ならば、打開策はある』


『先程話したマスターのことの中に、打開策に通じるような内容がありましたか?』


『私』は、エトガルの言葉から、先程話した内容を思い返した。しかし、とくに打開策に繋がるようなことはなかったように思った。


『ああ。主の空属性の適性の高さと、教師となるスィームルグの助力があれば、おそらくは高確率でいけるはずだ』


『空属性とスィームルグ?その二つが、インテラント達を外に出すことにどう繋がるのです?』


『まあ、外に出すというのは正しい言い方ではないな。この場合は、我の外でもある程度の活動を可能にするといったところか?』


『どういうことですか、エトガル?』


『そもそもインテラント達が外に出られない理由は、奴らが我の中にある情報にすぎないからだ。ならば、我の外でも情報が形を持てれば良いのだ』


『外で形を持てれば良い?・・・マスターの空属性適性、スィームルグ。・・・まさか!そういうことですか、エトガル?』


『私』は、エトガルの話から、エトガルが言いたいことに察しがついた。


『ほうっ。どうやら我の考えがわかったようだな、アンサラー』


『おそらくですけどね。空属性による結界。それが答えで合っていますか、エトガル?』


『正解だ、アンサラー。奴らが外に出られないのは、奴らがただの情報にすぎないから。しかし、もっとも大きな理由は、我の中と外では適応される理が違うからだ。ならば、我の外で適応される理を、我の中の理と同じにすれば良い』


『まあ、極論だとそうなりますね。普通はそんな風に考える人はいないでしょうけど』


『そうでもないと思うぞ、アンサラー』


『そうでしょうか?』


『そうだとも。理はともかく、環境を自分の都合の良い様に変えることは、人間達がよくやることだろう?山を開き、川をせき止め、大地を耕し、町を築く。それが人間の在り方だ。さらに極端になると、無人の惑星をテラフォーミング(地球化)したりもするのだからな』


『たしかに、そう言われるとそうですね』


『私』は、エトガルの言葉に納得した。


『そうだろう。ならば、結界を張って一部の空間の理を、一次的に上書きする案は、そう突飛ではなかろう?』


空属性の結界内の理は、術者の力量に応じて設定が可能。ちなみに、マジックアイテムなどの結界では、汎用性が重視される為、自由度が低く、使用者が理を設定するなどは、ほとんど無理である。■


『微妙に違う気もしますが、本質は同じですし、ここはそうですねと言っておきます』


『そうしろ。この手の話は、妥協が大事だ』


『まあ、そうですね。ではインテラント達については、結界で対応が可能ということで良いのですね、エトガル?』


『ああ、それで問題は無いはずだ』


『わかりました。これでマスターに喜んでもらえます』


『私』は、そのことがとても嬉しかった。そして、そちらが片付くと、もう一つの方が気になりだした。


『そういえばエトガル』


『なんだ、アンサラー?』


『何故アルケミィーソーンは、例外なのですか?』


『ああ、そのことか。我がそう言った理由は、アルケミィーソーンがすでに我の制御下にないからだ』


『エトガルの制御下にいない?』


『ああ。先程のアンサラーの話からすると、主の力で進化した時点で、アルケミィーソーンは主の制御下に入っているか、完全に独立した存在になったようだ』


『へぇー、そうなんですか。まあ、どちらのパターンでも、マスターに実害さえなければ、問題はありません』


『そうだな。あえて懸念を上げるとすれば、アルケミィーソーンの維持コストぐらいか?』


『アルケミィーソーンの維持コスト?それはどういう意味ですか、エトガル?』


『そのままの意味だが?我の制御下。言い換えれば、我の中の情報であった時は、維持コストなど発生していない。しかし、我の情報ではなくなった時点で、普通の存在(生物)のように、存在(生きる)する為の維持コスト(生体活動を行う為のエネルギー)が発生しているはずだ』


『ああ!たしかにそうですよね』


それはそうですよね。情報を維持する為にコストはかかりませんが、その情報が生物化しているのなら、食事が必要になります。あれ?けれど、アルケミィーソーンは植物ですから、食事はとくに必要無いでしょうか?いえ、ドレインソーンの時のように、周囲からねこそぎ栄養を搾り取る可能性は捨てきれませんね。この辺は、マスターに仲介してもらって、後日確認いたしましょう。


『維持コストについては、後日にしましょう』


『そうだな。アンサラーの検索で食性などがわかっても、最終的な話は、主や本人としなければならないからな』


『では、話はここまでにしましょう』


『わかった』


『私』達は、話が終わった後はマスターが目覚めるまでの間、ゆっくりすることにした。


『終わりましたか?』


『私』が休もうとしていたら、いつの間にか傍に出現していたスィームルグから、そう聞かれた。


『あれ、スィームルグ。今まで何処にいたのですか?』


『亜空間に逃げ込んでいました』


スィームルグがそう言ってきたので、最初は何故亜空間に逃げ込んだのか?と思いましたが、すぐに先程のことを思い出し、その理由に思い到った。


『ああ、それはすみませんでした。けれど、あの魔法は対象指定型なので、あなたにも、無論マスターにも実害はありませんでしたよ』


『そうなのですか?アンサラーの様子を見た限り、周囲を巻き込みそうでしたけど?』


『たしかに、私の感情があの魔法に影響を与えますが、余波なんて発生しませんよ』


『そうですか。それで、もう怒りは治まりましたか?』


『ええ。エトガルとは、話がつきましたから』


『そうですか。それでは、アスティア君をこちらに戻しても大丈夫ですね?』


『ええ。大丈夫です』


『わかりました』


スィームルグがそう言うと、寝ているマスターと、ガーデンスライムがいきなり『私』の足元に出現した。そして、スィームルグはガーデンスライムの中に再び潜り込んでいった。


何故わざわざガーデンスライムの中に?とは思ったが、そこはスルーして、『私』も寝ているマスターの腕の中に潜り込んだ。そして、『私』もマスターと一緒に眠りについた。

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