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巣穴と攻略準備

『ああ、そうそうマスター』


「なあに、あんさらー?」


『アルケミィーソーンとも、亜空間共有しておいてください』


『私』は、ガーデンスライム達を待っている時に、マスターにそう提案した。


「うん、わかった。アルケミィーソーン、タッチ」


マスターはアルケミィーソーンに向けて手を出した。


ピタ


アルケミィーソーンは、茨の先っぽでマスターの小さな手に触れた。


「《あくうかんきょうゆう》」


マスターがそう宣言すると、能力が発動して二人の亜空間が一つになった。


これでマスターが収穫した果実がそのままアルケミィーソーンの能力に反映されます。


共有化で一律強化出来ると楽ですね。


『私』は、共有化の成功を確認してそう思った。


さて、後かたずける問題は、あの針葉樹型モンスターのことだけですかね?


エトガルが早く回復して事情を説明出来ればいいんですが、先程の感じだと、早々回復して目覚めるのは難しそうなんですよねぇ。


まあ、そのへんのことはただ待てば解決するでしょう。


とりあえずは、エトガルが目覚めるまでの間、このフロアの攻略でもマスターに薦めておきましょう。


『マスター』


「なあに?」


『ガーデンスライム達が帰って来たら、このフロアの攻略試練を受けに行きましょう』


「うん、わかった。けど、あんさらー。こんかいって、たたかうの?」


『そうですねぇ?アルケミィーソーンの一撃で終わりそうですしねぇ?』


実際のところ、インテラント達ならまだしも、進化前の蟻型モンスターなんて、アルケミィーソーンに一撃喰らわせてもらえば終わりますし、無力化するのも花粉でもばらまいてもらえば、ものの数分でしょうからね。


『ここは戦闘クリアでいきましょうマスター。アルケミィーソーンに花粉で無力化してもらえばすぐに終わることですし』


「そんなのでいいの?」


『かまいませんよ。エトガルの試練の攻略方法として、特に問題はありませんから』


「それなら、いいのかな?」


マスターは、納得がいくようないかないような微妙な感じらしい。


もっとも、これはドレインソーンでマスターが頑張った結果なので、マスターが気にする必要はまったくないんですけどね。


もともと試練の敵モンスターは、マスターの開始時点の強さよりも少し上程度。ドレインソーンや紐型・鳥型なんてイレギュラーが出現しまくっている現状の方が明らかにおかしいんですから。


『マスター、今回は影とかの出現で難易度がおかしいだけですから、もう気にしないでください』


「う、うん。わかったよ、あんさらー」


「ピィ」


「「「ギィ」」」


それからしばらくして、ガーデンスライムとインテラント達が帰って来た。


「おかえり」


『お帰りなさい』


「ピィ!」


「「「ギィ!」」」


『氷像の確保と仲間の避難は済みましたか?』


「ピィ」


「「「ギィ」」」


『私』の確認に、どちらも頷いた。


『それでしたらみなさん、これからの予定を説明しますね』


「ピィ!」


「「「ギィ!」」」


『私』は、先程マスターにした話をそのまま両者にした。


『・・・というわけですのでインテラント、あなた達の巣まで道案内をお願いします』


「「「ギィ!」」」


インテラント達は、こころよく了承してくれた。


『アルケミィーソーン、インテラント達の指示に従って移動してください』


コク


「「「ギィ」」」


インテラント達は、マスターがまだ踏み込んでいない方向を揃って指し示した。


アルケミィーソーンは、インテラント達が示した方向に移動を開始した。


アルケミィーソーンは、インテラント達に指示されながらゆっくりと歩いて行き、20分程度で目的地の傍にたどり着いた。


図体が大きいのに、なかなかの移動速度でしたね。


『それでインテラント、あれが入口ですか?』


『私』は、アルケミィーソーンの足元に空いている穴を見ながらインテラント達に問い掛けた。


「「「ギィ」」」


インテラント達は、揃って頷いた。


『そうですか。どうしましょうか?』


『私』は、その巣穴を見てどうしようか悩んだ。


なぜなら、その巣穴の入口の大きさは、小柄なマスターでも入れないサイズだったのだ。


巣穴を掘った蟻型モンスター達のサイズを考えれば普通なんですが、試練を受けるマスターのサイズを考慮にいれずに掘ったことがありありとわかりました。


『インテラント』


「「「ギィ?」」」


『マスターが入れるように、巣穴から女王蟻のいる場所までを拡張してください』


「「「ギィ!」」」


『私』が頼むと、インテラント達は巣穴に向かってアルケミィーソーンを降りて行った。


『さてマスター』


「なに、あんさらー?」


『今のうちに戦闘準備をしてしまいましょう』


「じゅんび?なにをすればいいの?」


『簡単です。アルケミィーソーンを、マスターの亜空間臓器内に収めてください』


「え!・・・むりじゃないかなぁ?」


マスターは、自分の立っているアルケミィーソーンの姿を見ながらそうもらした。


まあ、マスターの口には入りませんよねぇ。というか、今回はガーデンスライムに頼むのも無理でしょうしね。けれど、アルケミィーソーンを亜空間臓器内に取り込まないと、狭い巣穴の中までは一緒に連れて行けないんですから、しかたないでしょう。それに、ここから出た後もそれなら一緒にいられますしね。


それに、なにも不可能なことをマスターに頼んだわけではないですし。


空属性魔法の小型化か圧縮を使えば大丈夫なはず。いえ、さすがにモンスターを食べるのはNGですか?・・・亜空間臓器に届く前に、マスターの喉にひっかかったりしそうですね。


『私』は、マスターの喉にアルケミィーソーンの枝や茨が刺さる光景が想像できてしまった。


となると、もう空間転送の魔法とかでアルケミィーソーンを直接マスターの亜空間臓器内に送り込んだ方が問題は少ない無いですか?


『私』は、アルケミィーソーン全体に意識を向けた。


五十メートル以上のアルケミィーソーンを見て、無理そうな気がした。


空間転送は、対象の大きさと距離に比例して魔力消費が上がる魔法。距離はともかく、大きさの方で魔力消費がかなり多くなりそうです。いくらマスターの魔力量が多くてもさすがに無理でしょうね。


そうなると、後はどんな方法がありますかね?


『私』は、現在マスターに使用可能な空属性魔法の検索を開始した。


すると、良さそうなのが見つかった。空間連結という魔法ですか。詳しい内容も検索してみましょう。


空間連結

任意の空間と空間を連結させる魔法。空間座標をいじって空間を繋げる魔法の為、魔力消費が少なくて済む。ただし、空間連結の為、両方の空間に同サイズの接続面が入るだけのスペースが必要。


ふむ。この魔法でいいですかね。ええと接続面の最低高さが五十メートルとして、横幅もそれから算出。マスターの亜空間臓器のサイズを確認。・・・問題無いですね。かなり大きいですが、マスターの亜空間なら充分な余裕があります。


この魔法で決定でいいでしょう。後は、マスターがこの魔法をどれくらいで使えるようになるかが問題ですか?いえ、空属性の適性はガーデンスライムとの契約で共有化されていますし、マスターは時・刻属性も持っていますから大丈夫ですね。


だって、マスターは思考加速を現在も使用中なんですから、空属性との相性も上がっています。


魔法には親和性が存在するものがあります。この場合は、時・刻属性と空属性との間に親和性があります。親和性があると、片方を使い続けると、もう片方の属性の魔力もよく馴染むようになります。


まだ三日とはいえ、マスターは思考加速を常時発動させています。魔力の馴染み具合はかなりのものです。


これなら、マスターは空間連結をすぐに使えるようになるでしょう。


『マスター』


「なあに、あんさらー?」


『アルケミィーソーンは食べずに、魔法で移動させましょう』


「え?・・・よかったあ~。ぼく、どうしようかって、あせっちゃったよ」


『すみませんマスター。私ももっと考えてから提案するべきでした』


「ううん、きにしないでよあんさらー。それで、どんなまほうをつかえばいいの?」


『こんな魔法です』


『私』は、空間連結に関するページをマスターに見せた。


「これをすればいいの?」


『ええ、そうです。出来そうですか、マスター?』


「う~ん、れんしゅうすればたぶんだいじょうぶだとおもう」


『じゃあ、練習しましょうマスター』


「うん!」


それから『私』達は、空間連結の魔法の練習を始めた。

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