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能力と疑問

心結契約が無事成立した後、『私』は増えたであろうマスターの能力を確認しようとした。が、ちょうどその時、声が聞こえてきた。


《アスティア=ドライトとガーデンスライムの心結契約手続き完了を確認》


この声は、世界の声?


《告、アスティア=ドライトとガーデンスライムの能力共有化完了》


ああ、世界が契約に関することを告げようとしているのですか。


《アスティア=ドライトに、ガーデンスライムの以下の能力が共有されました》


属性

水・木・空



アビリティー

光合成・亜空間臓器・植物成長促進・核型・再生・状態異常耐性(保持果実効能限定)・効能再現(保持果実効能限定)


スキル

植物使役・水質操作・分裂・消化・亜空間共有


《以上です。・・・能力共有により、アスティア=ドライトの親種族からの未継承能力の解放条件の満了を確認。未継承能力の継承を開始。・・・以下の能力が解放されました》



親種族・バジリスク


解放された能力

アビリティー

毒耐性


スキル

毒生成


《以上の能力が解放されました。・・・アスティア=ドライトの所持アビリティーに、魔眼・回復を確認。共有・解放されたアビリティーとスキルにより、派生能力の条件が満たされました。以下の能力を得ました》



アビリティー


スキル

毒生成+魔眼

=毒の視線


植物使役+魔眼

=使役の視線(植物限定)


効能再現+魔眼

=効能の視線(保持果実効能限定)


分裂+核型+再生+回復

=分体


光合成+回復

=森林浴


《以上です》



『何と言うか、すごいことになりましたねぇ』


『私』は、世界が告げてきた内容に心底驚いた。


何に驚いたかというと、ガーデンスライムが持っていたアビリティーとスキルの多さに加え、マスターが未継承能力を得たことの二つにです。

これは、心結契約を奨めた『私』にとっても完全に予想外でした。


まず第一に、ガーデンスライムの所持している能力の数がおかしい。


普通は、種族ごとの能力がせいぜい三つ、四つのはず。なのに、ガーデンスライムの能力の数はその倍以上はあります。


能力を見ると、前に見た情報の内容とは一致はしています。


ただ、これがスライムの能力のレパートリーかと言われると疑問です。


マスターでも、魔眼と回復の二つのアビリティーしてか持っていなかったのに。


それを思うと、マスターがスライムより弱いという言われているようで、何だか微妙に気まずかった。


とまあ、ここまでがガーデンスライムの能力に対しての驚き。


それよりもさらに驚いたのが、マスターが未継承能力を得たことです。


普通、継承能力は生まれた時に親から引き継がれるもの。それが、ある程度成長してから得られるなんてこと、『私』の知る限りでは今までありませんでした。これはいったい何が原因なんでしょうか?やはり、心結契約の線が濃厚ですか?けれど、今まで心結契約を行った結果、未継承能力が得られたんてことはありませんでした。それとも、これが最初の一回目の事例なんでしょうか?・・・わかりませんね。


『私』は、しばらく考えてみたが、結論がでなかったので、一度考えるのをやめた。


そして、気を取り直してマスターの新しく得た能力について調べることにした。


ええと、まずマスターが得たアビリティーは、光合成・亜空間臓器・植物成長促進・核型・再生・状態異常耐性(保持果実効能限定)・効能再現(保持果実効能限定)の七個でしたね。


『私』は、その七個のアビリティーについての情報を検索した。


  ・光合成

共生している植物に光を与えることにより、酸素とエネルギーを生み出す。


 ・亜空間臓器

自身の体内に亜空間を形成する。亜空間内の広さは、アビリティー所持者の魔力に依存。


 ・植物成長促進

自身が触れたことのある植物の成長を促進させる。成長率は、アビリティー発動時に使用した魔力量に依存。


  ・核型

自身の体内に核を形成する。核が無事な限り、死なない。ただし、核が全て破壊された場合死亡する。


  ・再生

自身の欠損部位を復元する。


 ・状態異常耐性(保持果実効能限定)

状態異常に対して耐性を持つ。ただし、体内の亜空間臓器内にある植物の果実の効能と同じものに限る。


 ・効能再現(保持果実効能限定)

自身の体内にある植物の果実の効能を再現できる。果実の実物が無くても、亜空間臓器内に取り込んだことがありさえすれば再現は可能。


アビリティーの内容は、簡単なところでこんなところですか。次は、スキルも調べてみましょう。


スキルは、植物使役・水質操作・分裂・消化・亜空間共有の五つでしたね。


 ・植物使役

自身の魔力が触れた植物を使役することが可能。


 ・水質操作

水の水質を操作可能。


  ・分裂

自身の細胞を分裂させて、新しい身体を生み出すことが可能。


  ・消化

自身が触れているものを分解・吸収することが可能。吸収率は、相手との相性によって変化する。


 ・亜空間共有

アビリティー、亜空間臓器を持つ者同士の亜空間を繋ぎ、共有することが可能。ただし、繋ぐ時・解除する時には両者の合意が必要。


『私』は、五つのスキル内容を確認した。


『なかなかの内容ですね。そういえば、派生能力も幾つか出ていましたね』


『私』は、ガーデンスライムの能力が増えた結果マスターが得た派生能力についても検索をかけた。


派生能力の名前は、毒の視線・使役の視線(植物限定)・効能の視線(保持果実効能限定)・分体・森林浴の五つですね。


 毒生成+魔眼

=毒の視線

魔眼にて視覚領域内の対象の魔力を毒に変換する能力。



 植物使役+魔眼

=使役の視線(植物限定)

魔眼にて、視覚領域内にいる植物を使役することが可能。


 効能再現+魔眼

=効能の視線(保持果実効能限定)

魔眼にて、視覚領域内の対象の魔力を、効能再現により再現した果実の効能内容に変換することが可能。


分裂+核型+再生+回復

=分体

自身の細胞を分裂させて、新しい自分を生み出すことが可能。


光合成+回復

=森林浴

森の中にいる限り、体力・魔力が自動回復する。


ふむ。こうして効果を調べてみると、どれもなかなかに使えそうですねぇ。ただ、能力の種類に少し違和感がありますね。


消化や分裂等については、スライムの種族能力。植物使役や光合成等が変異した結果得た能力。けれど、亜空間臓器や亜空間共有という能力は、何処から出て来たのでしょう?ガーデンスライムがどういった存在か調べた時に、でてきた内容ではあってもおかしくない気もしましたが、セーンムルウの樹の果実を吸収しただけで、こんなアビリティーやスキルが得られるとは、とても思えないのですが?それとも、そんなことが可能になる変わった果実を吸収した個体ということでしょうか?


『私』は、ガーデンスライムに視線を向けながら、そう疑問に思った。


一応、その答えについて検索をかけてみましょう。


・・・該当無し。検索には引っ掛かりませんでしたか。けれど、更新が遅れている可能性もありますし、また後で検索をかけてみましょうか。


あるいは、検索のキーワードが足りないか間違っているかもしれないですね。


はあっ。内包する情報が多いと、検索するのにも限度があります。それに、『私』はアンサラー(応答するもの)。本来は、マスターの意思に応答して情報を提供することが『私』の役目。そのせいか、マスターの意思が介在していない検索だと、『私』が引き出せる情報も完全というわけではないのですよねぇ。というよりも、そんな本の方が主のようなのは、『私』アンサラーではなく、『あいつ』の方ですしね。


『私』は、同胞であるとある本について思いはせた。


その過程で、他の同胞についても思い出したが、長くなりそうなのでとりあえず思考をいったん最初に戻した。


今からマスターに、共有された能力について説明しませんと。



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