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不可避なLIMIT  作者:
第二章 「SEEK」
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第20話

 放課後、僕と涼葉、航輝、天音さんの四人は購買に飲み物を買いに来ていた。この四人で行動することが定着してしまっている。他は皆個々で行動しているところを見ると、協調性に欠けた人間でありそうなことが窺える。


 レジの前には優雅に小説を読む小鳥先生。その先、最奥のドリンクコーナーには――、


「宮本さん?」


 僕に声をかけられて、宮本さんは驚いてそれぞれ両手に持っていたペットボトルを後ろに隠した。


「な、何だよ!?」


 声かけてみただけですけど。宮本さんは明らかに動揺している。一体隠したペットボトルに何があるというのか。


「あ、そのお茶、可愛いヒヨコのストラップ付いてるんだよね! 表情も十種類あるから全部集めたくなっちゃうよね!」


 僕の後ろにいた涼葉が横から顔を出す。きっと宮本さんが隠す前に飲み物を見ていたのだろう。涼葉は次に、思い出したように両手を合わせた。


「あ、だから宮本さん最近ずっとそのお茶飲んでたんだ! 中に入ってるのがどの表情か判らないから、沢山飲むしかないもんね。わたしも集めよっかなー?」

「べ、別にそんなんじゃないよ!」


 宮本さんは恥ずかしそうに顔を赤らめ、背後に隠していたペットボトル二本を元の位置に戻して去ってしまった。


 僕は何もなかったことに、ホッと胸を撫で下ろす。


 それにしても、涼葉はよく見ているなと思う。誰がどんな飲み物飲んでいるかなんて把握していなかった。している必要があるのかは疑問だけど。涼葉は人間観察が趣味なのかもしれない。


 そして興味深いのは宮本さん。あんな態度を取っている割に可愛いもの好きとは。人は見た目に依らないとはこのことだ。


 僕たちは飲み物を持ってレジへ向かう。四本の飲み物がレジ台に置かれ、本を読んでいた小鳥先生はそれを閉じて立ち上がった。彼女は一つずつバーコードを読み取らせていく。


「小鳥先生、そういえばこの目安箱って投書したらどれくらいで物が入荷するんですか?」


 僕はレジ横に設置された目安箱に目を向ける。


「そうですね……、本部で手続きとかもあるでしょうし……、大体一週間というところかしら」


 一週間!?


 僕は提示された日数に目を剥く。だって、交通網の発達した現代で、郵便物なんて大抵一日二日で到着するのに、ここに来るまでに一週間かかるって、僕たちがいるこの場所は一体どこなんだ、と思わずにはいられない。


「ええと、じゃあ購買に定期的に品物が入っていると思うんですけど、それはどれくらいの頻度で入荷してるんですか?」


 小鳥先生に質問しながら、差し出されたレシートに自分の名前を書いて戻す。


「それは月に一回というところかしら。あ、一つ言い忘れていましたけれど、目安箱に欲しいものを書いて提出すれば何でも届くわけではありませんのよ? 不必要なものは却下されますわ。特に却下されたことの伝達もありませんから、入荷しなければ却下されたのだと思うことですわね」

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