猫野良太
猫野は須田とジュイとともに、1階へ降りていた。
「本当なのか、おっさん」と良太は聞く。
「ああ、間違いない!管理人の家族はみな第2次大戦の経験者だ。きっと古い武器なら管理人の部屋にいくつかあるはずだ」
「それを聞いて安心だ。拳銃に弓に斧じゃ感染者軍団と戦う時に不便だからね」
「感染者?」
「ゾンビどものことさ!」
「ああ、ゾンビどもか。そうか、最近の若いのはゾンビを感染者と呼ぶのか」
「?」
その時、1人の感染者が3人の向かって走ってきた。
すぐに須田が矢を感染者の右足に放ち、ジュイが斧で感染者の頭を割った。ざくっとスイカが割れる何十倍もいやな音が響く。
そして、3人は管理人室に辿りづく。
管理人の部屋は、マンションの入り口のすぐ横にあり、ドアにはかぎが掛かっていたが、猫野は拳銃で蝶番を破壊し、中へ突入した。
管理人室にはロッカーやデスクなどが並び、壁には大きな水着のお姉さんの写真があった。
猫野はすぐに、4つのロッカーのうち、一番左を開けた。
「ほぉ~、須田、いいのがあるぞ?」
須田はロッカーに近寄る。
そこには、クロスボウがあった。弦を引くには要領と力が必要だが、その威力は部活で使う弓よりもはるかに高い。須田はクロスボウをもらうことにした。
「今まで世話になったな」
優しげに自分の弓に話しかけ、そしてそっとロッカーに置いた。
猫野は2番目のロッカーを開けた。
「ほぉ~、猫野、これ見ろよ」と自分に言った。
そこには、2丁のシングルアクションアーミー(SAA)があった。猫野はSAAを腰に差し、できるだけの弾丸をポケットに突っこんだ。
3番目のロッカーを開けた。
「ほぉ~、全国の警察よ、見ろよ」
そこには、旧ソ連が開発したRPG-7があった。
RPGは軽くスルーし、4番目のロッカーを開けた。
「ほぉ~、ジェイソン大喜び」
そこには鉈があった。
猫野は鉈をベルトに差し、4番目のロッカーにあるもう1つの武器、イカサM37ライオット・ショットガンがあった。猫野はイカサをもらい、弾丸をできるだけ多くもった。
ジュイは、自分にあう武器を探していた。
その時、猫野はポスターに注目した。
「なぁに? ここでしごきたいの?」
「違うよ須田、まあ見てな」
そう言って、鉈でポスターを切った。
そこには壁がなく、機関銃AA52があった。
「おぉー! これぞわしの武器!」
そう言って、機関銃をとって、満面の笑顔を浮かべた。
「さあ、戦闘準備完了だ隊長」と猫野に言った。
「ちょっとまって」と須田は言って、デスクの上にあるMAT49短機関銃をとった。
「行こう」
そう言って3人は管理室から出た。
その瞬間、2つの影が見えた。
3人は銃を構える。
「待て、私たちは感染していない!」
そこにいたのは、佐々木奈々子と石川紀子だった。
「紀子は来る途中に拾った。それより、大勢の感染者がマンションに迫ってきているぞ」
「地下駐車場の車で脱出するまでだ」
「それより、いい方法がある」
「何?」
そう言って、奈々子は無線機を取り出し、自分の現在位置を伝えた。
「今から6分後に信用できる男がヘリでここへくる。すぐに屋上へ向かおう」
「待て、仲間が部屋で待っている」
「なら、なおさらだ」
ジュイは管理人室からもらった日本刀を奈々子に渡し、5人は仲間の待つ部屋に向かった。
4階まで上がった時、下の階から複数の感染者の奇声が響いた。
そして、大勢の感染者が階段を駆け上がってきた。
「くそ! 走れ!」と猫野は叫ぶが、すでに4人は走っていた。
猫野はイカサを構えながら、階段を駆け上がった。
5人は廊下に出ると、階段とをつなぐドアを閉め、近くのパイプ椅子でドアをふさいだ。ドアが叩かれ、そのたびに廊下に響いていた。
「いくぞ、早くしろ!」