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感染者の沈黙  作者: 原案・文章:岡田健八郎 キャラクターアイディア:岡田健八郎の兄 
番外編:その他の人物の運命
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猫野良太

 良太、須田、ジュイの3人は、廊下の奥から無数の奇声を聞きとった。これはまずい、非常によろしくない。なぜかというと。

 無数の感染者が、廊下から現れた。どれも血まみれで、狂気に満ちた赤い目つきをしている。一見すれば恐ろしいが、3人はすでに慣れていた。

「まったく、こりない連中だね!」

 須田は弓で矢を3本同時に放った。矢はまっすぐ、3人の感染者の額、首、胸の真ん中に命中し、3人は倒れこんだ。

 だが、3人の死体を乗り越えて、数十人の感染者が狭い廊下を押しあうように進行してきた。

「おい、若いの!連中にかまってないで、逃げるぞ!」

 ジュイは斧を構えながら、前に進み、良太と須田もついて行った。観戦者たちはフォームのない下品な格好で走って来た。

 くそ、連中が歩くゾンビだったら、殲滅は簡単なのに!くそ、くそ、くそ!

 良太は悪態付きながら、拳銃を撃つでも撃てるように、握る。連中は正常な思考を持たない、生きる屍だ!躊躇はするな!

 良太は振り返り、3発撃った。拳銃は火を噴き、見えない速度で銃弾を放った。銃弾は3人の感染者の額に命中したが、数はまったく減っていない。

「このマンションにはいったい何人住民が居るんだ!?」

「知らん!わしは知らん!」

 すると、ジュイがある部屋に指をさす。

「あれだ!あれが薬をため込んでいる老人の部屋だ!ドアが開いてる!入れ!入れ!入れぇ!」

 3人は部屋に入り、ドアを閉め、鍵を掛け、チェーンを掛けた。

 感染者たちがドアを叩くが、ドアはびくともしない。これで安心だ。

 しかし、そうではなかった。

 部屋の奥の居間から、何かグロテスクな音がした。

「俺が見てくる」

 そう言って、良太は拳銃を構えながら、ゆっくり進んだ。

 信じられない……日本でゾンビだなんて、せめてアメリカ化フランスにしろ。あるいはイギリスか。

 良太は、ゆっくりと居間に入る。

 大丈夫だ、俺は無敵のガンマンだ。大丈夫。

 すると、部屋の中央で老婆が倒れていて、それを抱え込んでいる老人の背中が見えた。老人は、気配に気づいたのか、頭を上げた。そして、ゆっくりと振り向く。

 その両目は、殺意に満ちた赤だ。

「まじか」

 老人は見た目に似合わない奇声を発して、襲ってきた。

 良太は拳銃を構えたが、その前に老人が掴みかかった。怪力で引き倒された良太は、拳銃を手放して床に倒れる。良太は必死に感染者を両手で突っ張り、感染者は良太の喉笛を食いちぎろうと力を入れる。

 だが、何かが砕ける音がするとともに、老人は倒れた。

 ジュイは、老人の死体をどけ、須田は良太に手を貸し、立たせる。

「何が〝まかせろ〟よ、頼りないじゃない」

「うるさい、老人に優しくするのが紳士だろ?」 

 その時、ジュイはタンスから、何かの箱を出した。

「これだ!この箱に大量の薬がある!」

「よし、戻るぞ」

 3人は、武器を構え、ドアを開けた。感染者の姿はなかった。

 帰りは行きよりスムーズだ。

 感染者と遭遇したのは3回程度で、どれも2、3人程度のグループだった。

 そして、皆が待機している部屋に戻り、熱を出す茜に適当な薬を飲ませ、寝かせた。

 これで第1の難問はクリアしたが、続いて第2の難問にあたった。

 なぞの怪物ブロブに襲われた真希の行方を捜索することだ。

 真希の捜索には、皆で議論する必要があった。

 良太は、体を休めながら、次の難問を実行するのを待った。

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