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感染者の沈黙  作者: 原案・文章:岡田健八郎 キャラクターアイディア:岡田健八郎の兄 
感染
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原点復帰

どうも作者です。

サブタイトルの原点復帰は、最近マンネリ気味で余計な設定を足してしまいました。

故に気持ちを感染者の牙に戻します。

そう言う意味です。

だからここからは本気でいきます!

「……っ!…真人!」

夢を見ていた。

真人は、生まれる前の胎内にいる赤ん坊のように暖かい何かに抱かれている気分だ。

安らかな気持ち。何かが真人を抱いているのを感じた。

ああ、いい気分だった。きっとマリア様が抱いているんだ。

だが、痛みを感じてきた。誰かに起こされてるんだ。

やめてくれ!起こさないでくれ!

意識がはっきりする。

途端に呼び声が聞こえてきた。

「真人!死んでないだろ?!起きろ」

聞き覚えのある女ながら逞しさを感じる口調。

ゆっくりと目を開く。

「なあ…ここは地獄か?」

女性の姿が見えた。

腰まであるポニーテールに纏めた髪、鋭くも、慈悲深い眼差しを持つ美女。

「良かった…生きてたか…本当に良かった」

奈々子だったのか。

目が赤い。

最初は感染者かと思った。

だが違った。

泣いた後だ。

自分のために泣いたと思うと、いい友人を持ったことに喜びを感じた。

「なあ、一つ聞いていいか?」

「何…何が聞きたい?」

「浅田真央がまた負けたのか?」

奈々子が泣くのは決まって浅田選手が負けた時だ。

奈々子は少しむっとした。

「なっ泣いてないぞ!」

「可愛らしいな」

「馬鹿にするな…」

「俺の左腕はどうなってる?か、感覚がないんだ」

奈々子は左腕を見た。

そしてぎょっとした。

「ひ、左腕をどうした!」

「無いのか?」

奈々子は頷き、吐き気に襲われた。

「そうか、無いか……将来駐車場で障害者用のスペースが使えるな」

「冗談いってる場合か、左腕が無いんだぞ」

「死ぬよりましだ」

真人は立ち上がる。

奈々子が肩を貸した。

「さっ寒いな」

「出血で体温が下がったんだ」

奈々子は自分のポールシャツを脱がせ、真人の身体にかけた。

下は部活動の為の黒いTシャツを着ていた。

「こりゃ…どうも」

「歩けるか?」

「千葉県まで走れるさ」

真人は鉈を拾った。 奇声が聞こえた。

「奴らだ」

奈々子は木刀を構える。

「ここは私が食い止める」

「バカ言うな、木刀じゃ食い止めるきれない」

「だが、弱ってるお前じゃ逃げ切れない」

言っている間にも、感染者の1人が突進してきた。

奈々子は木刀で感染者の頭を叩き割った。

第二、第三の感染者がやって来る。

奈々子は苦戦しつつも確実に殺す「佐々木!逃げるぞ」

真人の掛け声と同時に奈々子は走り出す。真人も走る。

左腕がないせいか、上手く走れない。

後ろを振り向けば大勢の感染者がいた。

奈々子が振り返り、木刀で戦う。

だが、多勢に無勢、たった1人では苦戦を強いられる。

1人殺ったと思うと、また1人襲いかかる。

真人は何か扉がないか探した。

壁側にあった。

扉を開ける。

そこは老化したバスルームのようだ。

「佐々木!こっちだ」

奈々子はバスルームに駆け込んだ。

真人は扉を閉める。 感染者が扉を叩く。

「しばらくは安全だ」

奈々子は一息つく。

「さて、佐々木。なぜ別の道にいたお前が俺を見つけた?」

奈々子は真人を見つめた。

「…話そう」



暗黒とも言える下水道を奈々子たちは走り続けた。

途中で壁に入り口があったことを奈々子が気づくが、他の仲間は気付かずに走る。

奈々子は入り口に入る。

中には、梯子があった。

奈々子は梯子を登った。

上にはマンホールがあった。

奈々子はマンホールを押してみる。

びくともしない。するはずがない。マンホールは溶接されていた。

「駄目か」

奈々子は梯子から降りる。

入り口を見た。

何かが通りすぎた。

奈々子は木刀を構えてゆっくりと入り口に近寄る。

何がが入り口に現れた。

反応する間もなく、そいつに麻酔を打たれた。

気づけば、真人が隣に倒れていた。



真人は納得した。

「なあ、何で感染があっという間に東京に広まったと思う?」真人は聞いた。

奈々子は首を傾げる。

「何でだ?」

「日本人は武器を持たないし、俺達と違って相手が狂っていても、殺人に躊躇いを感じる」

奈々子は頷く。

「だから戦わない連中が感染して、あっという間に広まった」

奈々子は納得した。

真人は天井を見る。「聖夜達は無事かな?」

「無事だろう。自衛隊と元自衛隊が居るんだ」

真人は納得した。納得したかった。

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