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元伝説の聖女のたった1年の学生生活  作者: びわ
1章−静かな学期−
8/16

(7)休日

キャラがブレブレです。ご注意ください

「……」

 なんの変哲もないいただの家。私は全く思っていなかった光景に唖然とした。

 (あそこは取り壊されて、ここに新たに家が建ったのかしら?)

 ただ真上にあるわけにはなかったようだ。

 私は当時の教会の中に飛ぶようにしたから、外に出ている以上、真上にできた事はないだろう。

 (しかしこんな場所がどうして森に?)

 前世は各自に森じゃなかった。たしかに元々教会は町外れだったが、もちろんこんな森じゃなかった。そもそも王都一の教会だったに、の忘れ去られるなんてことは本来あり得ない事だった。

「う〜ん……まあいいわ、何処にあるのか見つけただけで御の字よね。」

 めんどくさくなり適当なところで思考を終らせその場から離れていった。


「……?今誰かいたかな?」

 そこに住んでいた人が誰だったか、いや、そこに誰がいたかも、その時は全く気づかなかった。



 森から外に出ると本当にここがあの教会があった所だとやっと実感した。

 私が次に向かったのは前世の教会(秘密基地)だ。改めて来たかったのだ。

「スーッハー」

 森の中は空気が澄んでいて、深呼吸をする。不気味に思えるその空間は、生まれ変わっても、ずっと欲していたものだった。

 そうして教会の中に入って行く。400年間誰も来なかったであろう此処が何故此処まで綺麗なのだろうか?保護魔法もかかっていないのはすでに確認済みだ。でも、今はどうでもいい。そこを調べる為に来たわけじゃない。

 この教会には女神像のすぐ後ろ、誰にも知られていないであろう地下がある。私はそこをの研究室として、使っていた。

 ギィー

 床についている扉をゆっくりと開く。そうして地下へ、降りてゆく。

「ここは全く変わってないな〜」

 公開前の魔法、あちこちで見つけた代古の魔導書、そして聖女の力を最大まで活かし作った()()……

 全てが全て、完璧ではないけれど、今これらを世に出せば確実に国宝級だろう。だからここは誰にも見せられないだろう。

「……今じゃないかな。」

 ここに今居続けるのはやはり違う。ずっとここに居たいけど、ずっとここに居る事は出来ないのだ。保護魔法をたったとかけて研究室に背を向ける。

 ゆっくり上に行けばステンドガラスからの光が目に入り、眩しく目を閉じる。

「……そうだ鏡、取りに来たんだった。」

 昨日ここに来て置いていった鏡を見つめる。ヒビができているが、魔道具としての力は消えてなかった。()()()()

 自分の心が映る、真実の鏡。使い道のないけれど、最初に作った魔道具だった。

 (使える日が来るなんて、ずっと思っていなかった。)

 そっとカバンに鏡を入れる。

 鏡は何処かにうつすつもりはなかった。でも今ここに置いてゆくつもりはない。

「女神様。私は間違っていませんよね。」

 懺悔するように、女神像手を合わした。女神像からの返事は当たり前ながらない。

  しかし、女神様に止められてもとくに何も変わらないが……

「……」

 足が一瞬止まってしまう。でもそこから離れて行くと、ほっとしてしまった。


 最後に向かったのは、王宮の裏にある塔。前世、私が隠蔽魔法をかけたからきっと誰も知らないだろう。昨日まで私すら分からなかったのだから。

 (あっでも、王族は知っているかも知れない)

 元々ここは王族の歴史書限定の図書室だったのだから。

「……ディアニゴ」

 そうすると重たい扉がギィーと音を上げて開く。そうして階段を上がっていった。

 コツコツ

 こちらはだいぶ埃をかぶっており口元を押さえた。ちょくちょく歴史書の部屋があったが見向きをせずに着々と最上階まで上がってゆく。

 (てゆうかここ全部400年前の歴史書だし……)

 窓がない塔にはほとんど明かりがない。まだ昼なのに暗くて少々怖い。


 最上階には小さな祠が置いてある。私が設置した。そこにそっと真実の鏡を置く。

「……っは、一つ目は正解、正しき理を進む者に一つの光を灯したまへ」

 そう唱えると祠がゆっくり閉じた。帰りは行きと違って仄かに明るく感じたのはきっと錯覚だろう。



「サンティ、何処行ってたの?」

 帰って来るとキャロリゼータが首をかしげながら聞いてきた。今日はほとんどの人が学園を回ったり他の人と交流する日なので不思議でたまらないようだった。

「ん〜?ちょっと森の方までね。」

「え?」

 キャロリゼータにはちょっと引かれてしまった。悲しい……

「そういえば今日は満月ね。1週間も時期がずれるなんて不思議で仕方ないわ。」

「……そうね。なんでしょうね。」

 その時は少々曇っていて見えなかったが、0時頃は、晴れていて良く見えていた。


「サンティ、もう寝るわね。灯りを消していいかしら?」

「ええ、いいわよ。」

 そう言うと明かりは消え、部屋は暗くなる。私は窓を開け、ベランダに出る。皆もう寝静まっているこの時間。どこも灯りがついていないけれど、満月の月が、あたりを照らしていた。

「……綺麗。でも知らなかったこれを知る人なんていないだろう。

「楽しく笑う人々は影での泣き顔気づかない。心優しき者たちは、嘘に隠され消えてゆく。すべて――を見据える星々よ、正しいものに光あれ。」

 私の一番好きな歌、子供の時に聴いた子守唄を口にすると月がより一層輝いた気がした。

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