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元伝説の聖女のたった1年の学生生活  作者: びわ
1章−静かな学期−
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(13)魔力暴走-救出-

 ゴーレムの動きが速くなったものの空振りばかりでどうにか逃げられた。フロガがしっかりとした指示を出していないのも更にゴーレムを暴走させる。せめて意識だけでも取り戻しせたらいいのに…

 フロガを助けたい。正直言って良い印象は全くもってないけれど、魔力暴走が起きた人を放ってはおけない。魔力暴走は、魔力回路に傷ができ、魔力が漏れ出している状態になる。普通は魔力を扱えていない子供が起こすものだ。魔法が使える人なら本来起きることがないはずだが、起きてしまったのならしょうがない。大魔法を使ったりしたら精神的に魔力を支えることができずに起きることはある。

 それ始まったのが魔法展開前か後かは分からないが、少なくとも漏れ出た魔力が魔法と合わさり、マナが彼と彼が出したゴーレムをおかしくさせている。

 魔法で生み出されたものは大体マナを吸収し続けるのが普通だ。これは発表前の私の論文に書かれているので皆知らないだろうけれど、この事実がフロガの魔力暴走を悪化さしている。

 (さっさとゴーレム倒さないと死なずとも魔法が使えなくなっちゃう!!)

 ゴーレムくらいすぐ倒せる。力でごり押すか(ゴーレムクリス)を壊すだけだから。

 ゴーレムは、弱点としてどこかしらに石がある。それが胸か、額か、瞳の中、場所は色々だけれど浮き出して見えるのは確か。魔力暴走を直す為に体力だけは削りたくない。早く見つけなくちゃ……と焦っていく。

「……はぁマティ・エニヒシ」

 時間がないので短縮詠唱で魔法を展開する。

 この魔法はちょっと魔力消費が多いけど、ちょっとした弱点が見える。弱点が少ない一方で、絶対的な部分があるゴーレムにはもってこいである。

「……ん?」

 私が魔法展開した途端、へスライド先生が反応した。まだ詠唱の途中、何の魔法かなんて分からないものなのに、何やら目を見開いていた。

「?どうしました?先生。」

 インフォ嬢はへスライド先生の反応にいち早く反応した。それに対してキャロリゼータは先生のことなんて全く見ずに、ゴーレムに目を向けていた。

「……ん?いや、なんでもない。」

 そう素っ気なくインフォ嬢に返すとサンティをじっと見つめた。

「……なんの魔法だ?よく聞こえなかったぞ?まあ大したことないだろうがな!」

 魔力暴走で意識ごとおかしくなっているのはわかっている。ギリギリ意識が戻って元の性格と戦闘狂のような魔力暴走特有性格、2つが相まってひどく、分かっていてもムカつくほど性格がゆがんでいる。歯を噛み締めながら、ちょっとフロガを魔法展開のまま見てみると、右胸が光る。

 魔力で言う『心臓』は右にある。左胸には生物学的心臓が、右胸には魔力を循環さすための『心臓』がついているのが普通だ。

 通常人だと左胸の方が映るものなのだけど……

(いま攻められて一番ダメージが入る方ってことかな?)

 適当な解釈をしつつさっさとゴーレムに目を向ける。何処かに宝石のような石が付いているはずだ。そこから魔力も吸っているのだからとりあえず倒せば一旦どうにかなるはずだ。

 (ゴーレムの弱点は……右目)

 右目の中がパッと光った。魔法を解除しゴーレムの右目を見ると確かに緑の宝石のような物が見えた。間違いない。

 (でもどうしよう…攻撃魔法なんて魔法書を読んだくらいしか知らないわ)

 前世は聖女だったし、魔法書は読み漁っていたが、使う機会なんてほとんどなかった。

 普通は力でごり押すのが普通だ。しかし今は体力を削りたくない。だからゴーレムクリスを壊すしかないのが…なんせ硬いもので私がこれを壊せる魔法なんて

 (……あった!)

 前世は全くもって使っていなかった水魔法に使えそうな魔法があったことを思い出す。前世は魔法属性が風が強かったから使わなかった水魔法。

 知り合いがよく使っていて、教えてもらったのもの、使ってこなかった魔法。短縮詠唱まではできないものに、今使うのならベストだ。

「水の精霊よ、我に力を分けたまえ」

「我を守りたまえ」

 私はさっとゴーレムを右目(ゴーレムクリス)に右手人差し指を指す。

「ヴリマ−ネロ−」

 その瞬間、水魔法が右目(ゴーレムクリス)を突き刺した。

 ガシャン

 ゴーレムを散り散りになって消え去った。そうすると、フロガは「ぎゃッダっつ」を喚きながら倒れ込む。

「だっ大丈夫ですか?」

 フロガのもとに駆け込むとフロガは目が大きく開いてハアハアハアとしていて返事がない。

「え?サンティ、フロガ様どうなってるの?」

 キャロリゼータと先生とインフォ嬢が駆け寄ってきてサンティに問いかける。何が起きているか理解できず混乱しているのだろう。

「……ごめん、静かにして。」

 ビクッとしていたが3人を収め、フロガの治療を始める。

 魔力暴走は魔力が魔力回路から抜け出している状態。魔力回路さえ整えれば治療は可能。

 魔力はそれほど使わないけれど体力がごそっと抜かれるから前世はよく倒れてしまった。

「……生物の精霊よ、我に力を分けたまえ」

 できるだけ小さな声で詠唱を始める。先生たちがいる今、短縮詠唱をしたら色々おかしい事になる。詠唱しっかりしなくてはならない。

「我を守りたまえマティ・エニヒシ」

 魔力回路の傷を見つけてそこを修復しないといけない。今、魔力をかなり使ったのでこれ以上魔法を使う魔力量がおかしくなって目立ちすぎてしまう。

 (さっき見た時は右胸だったから……ここだ!)

 右胸と右腕の間が激しく魔力が溢れ出ている。傷は5mmくらいの大きさで、結構大きい。

「フロガ様!後少しの辛抱ですから!!」

「……!」

 励ましの言葉をかけるとぐっと傷のある所に手を当てる魔法によってどうにか見えている傷が、私のマナで縫われていった。

2025/12/31に短編と2025/1/1に長編を投稿します。それぞれ23:45と00:00に投稿します。

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