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【2025年再投稿版】蒼炎のカチュア  作者: 黒桐涼風
第一章 蒼髪の少女
9/60

1-5 記憶。そして、眠い。もう少し寝かして

【記憶】


「私は……ここまでのようだね……」

「そんな! 嫌よ! あなたまで、いなくなるなんて! 嫌よ!」

「これが、この力を使った者の代償だいしょうよ。薄々うすうすかんじていたんだ。私は人として死ぬ。しかし、あなたを魔の手から救えれば、私はそれでよかった。悔いはない。後は、私が私でなくなる前に、自害じがいすれば……」

「嫌よ! そんなの! 何で、あなたがこんなことに!? 生きようとしようよ!」

「人なんて、いづれ死ぬんだ。大事なのは、その生涯でどんなことをするかだよ。人でなくなる私は、やりげられることはした。だから、もう……」

「……諦めないで! 一つだけ、一つだけ、あなたを救う方法があるわ」

「方法? ……まさか! あれを使うの!? やめて! あれは、未完成の術だ! それに、あれは自分にしか使えない! できたとしても、対象と接触しないと!」

「それなら、わたしも、一緒に眠るわ! だから! いつか、きっと、あなたが呪縛じゅばくから解放したら。その時は、また一緒に……」

「やめて! 危険な賭けをしてでも私を助ける必要はない! だから! だから……! 私をことはいいから、あなただけでも、あなただけでも生きて……!」




【謎の場所】


 薄らだけど、段々、目が開いていく。


 どうやら、私は夢を見ていたみいだ。そっか、私は寝ていたのか。それにしても、あれが夢だとしては穏やかな夢ではなかった気がする。


 声だけの夢だけど、声からして二人の少女のやり取りみたいだ。一人は、優し気のある女性。もう一人は、病気はわずかったように苦しんでいる印象を感じた。


 この二人に何が起きたのか。


 それそれとして、起きたばかりだけど、まだ眠い……。私の目が全開ぜんかいしていても、まだ視界がぼやけ見えている。


……まあ、いいや。これは「まだ寝ていろ」という暗示あんじってことにして、もう一度、寝てよう。そうしよう。


 再び、目を閉じて、眠る私。


 すると。


『だいじょぶですか〜? 起きてくださ〜い。……う〜ん、どーしよかな〜? 起きないわね~』


 声が聞こえる。声からして、多分、女性の声かな? それにしても、結構のんびりした喋り方ね。次の台詞が出てくるまで、かなり時間が掛かっている。


 私を起こしてきていると思うんだけど、のんびりした口調で起こしに行っているから逆に眠くなっていく。


 うん。じゃあ、寝よう。そうしよう。


『ねぇ~~。起きて~。ねぇ~~』


 この人、私が起きるまで声を掛ける、つもりなのかな?


 まだ、眠いんだが、仕方がないな。私は、しぶしぶと目を開けて、体を起き上がらせた。


「……あんたは?」

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