ほしめと番外編 if(1)
体が揺れて目が覚める。体が痛い。変な体勢で寝た時のあの痛み。嫌いな痛み。
「やぁ、ようこそほしのこめとろへ。僕は車掌のホタル。よろしくね」
「ん?えっと……ほしのこめとろ?よくわかんないけど……私は斑。斑ルミネだよ。よろしくね」
「うん、よろしく。早速案内するからついてきて……あっ、切符はちゃんと持ってね。」
ホタルと名乗ったその男の子について隣の車両に移ると、カウンター……バーカウンターみたいなところがあった。実物を見るのは初めてだったが、中々雰囲気が良くて好きだ。
さらに隣の車両に移ると両脇に部屋が沢山ある通路に出た。よく見るとそれぞれの部屋の前には表札?が貼ってある。かわいい熊のついた表札や音符が沢山付いている表札、遠目に見える列車っぽい表札は多分隣の男の子……ホタルくんの部屋かな?
「ついたよ。部屋はここ。必要なものとかは中に揃ってるはずだよ」
「あー、部屋に案内してくれてたんだ。ありがと」
「どういたしまして。この場所の説明は後からするから、まぁ適当にくつろいでてね」
ホタルはそう行って隣……バーカウンターのある車両に戻って行った。私の部屋は……表札は電子掲示板みたいな感じかな?水色で淡く光ってる。遠くからでも分かりやすそうだな。
中に入るとベッドとパソコンとインターネットの本や歌の本などがあった。とても整理されてて、なんだか知らない人の部屋に勝手に入った様な気分になる。
クローゼットにはパジャマっぽい水色の服と……アイドルの衣装?なんかコスプレっぽいな。誰の服なんだろ?って言うかそもそもこの部屋にある家具とかって誰のものなんだろ?
適当にあった本を開いてベッドに寝転んで読み始める。考えたって分からないし、言われた通りにくつろいで待とうかな。