第8ー1頁 脱水症状はこちらでも
王に呼び出された私と六花。
およそ[400キロメートル]と言う超長距離を徒歩で歩くわけにもいかず、竜車に乗った少女に「配達した後に私達を王都に近い街まで乗せてもらう」と言う約束をして、私たちは再び歩き出した。
現在私たちは、王都へと続く国道を歩いている。
王都から南西に続くこの国道は、ひたすら草原に囲まれた道だ。
「うぅ〜、足が疲れました……」
「私だって疲れたよ。ちょっとそこの木陰で休もうか……」
さっき会った竜車の少女から別れて数分後、急に疲れが出てきた。
理由は簡単、日照りが強くなって直接体力が失われているのだ。
この近辺は温暖な気団に包まれているため気温が高く、更に今日は雲が少ないため日照りが強くなっている。
「六花、お茶どれぐらい残ってる?」
私がそう聞くと、六花はリュックに入っている水筒を縦に振った。が、あまりいい結果ではなかったようだ。
「えっと……すみません。先程の水分補給で全て飲んでしまいました」
「まじか! うう、実のところ私もなんだよね……」
水を汲みたいが周りに川は流れていない。
空を見上げても雨が降る様子はない。
正午に近づくにつれて日光が強くなって、とうとう蜃気楼まで見え始める。
「これはまじでやばいぞ……水分取らない、と……あ」
視界がぐらっと揺れて、地面に顔がぶつかった。
「静紅さん!? まずい、体内の水分量が急激に減っていってます! 熱中症にかかっています! やばいですよこれは……!」
そう言うと六花は、森を出る時にルイスに貰った[回復薬]をリュックから取りだし、口に含んだ。そのまま私の口を優しく開けて、口移しをする。
「ぷはぁっ! ……こ、これで目が覚めるはずですよね……。好きな人に口移しとかどんな羞恥プレイですか」
そのまま六花は容器に残った回復薬を全部飲んだ。
「意外と甘くて美味しいんですねこれ。薬というものですから、苦いものかと」
味はライムに焦がし蜂蜜を垂らしたような、さっぱりとしつつほんのり甘い不思議な味だ。
二人ともほとんど満身創痍の状態で、その場に寝転んでいると。
「お? こんな所にかわいいねーちゃん達がいるぜ?」
「そうでやんすね! アニキぃ!」
そう言いながら六花の顔を覗き込んだのは、スキンヘッドのいかにも野蛮そうな男だった。
耳には丸い骨イヤリング、顔には謎の刺青がされており、上半身裸状態だ。
六花は驚いて飛び起き、男達から距離をとる。
「だ、誰ですか! ボクたちに近寄らないでください!」
「おいおいそんなこと言うなよなあ、ちょーっと金目の物を置いて行ってくれりゃ、乱暴はしないぜぇ?」
この世界で初めての男性の声が聞こえてきた私は、驚いた様子で目を覚ました。
「うわあ、なになに!? 盗賊!?」
「静紅さん、逃げて! この人たち、ボクらの持ち物を狙ってます!」
そう言われた私は、自慢の瞬発力 (ただの逃げ足) で瞬時に六花の隣に移動する。
「はぁ……やれやれ。さっさとおいてくれたら乱暴はしないって言ったのによぉ」
「はっ、それはどうだか。どうせ身包み剥がした後は身体にひどいことをするんでしょう」
「よくお分かりで。それじゃぁ姉ちゃん……失礼するぜっ!」
そう言うと男は六花に向かって走り出す。
「そっちがその気ならやってやる! 武器を構えて、六花!」
私は持っていたナイフを握り、刃の先を男たちに向けた。
「ふん、女の使うナイフなんて怖くねえぜ!」
「でもよぉアニキ、騎士団の女に二刀流のナイフを持ったやつがいるじゃないすか。油断はできないっすよ」
「あーん? んなわけねえだろ、こんなヒョロガリの奴がよ!」
「むか……そんなに弱そうっていうならいいよ。私の能力、見せたげる!!」
私の右足は地面を強く踏み付けて、地中にある岩を能力の対象にして釣り上げる。
「「うわぁ……なんだこりゃァ!」」
地面が割れ、中から大きな岩が飛び出してきたので男たちは目を大きく見開いて驚いた。
能力の調子が悪いといったが、ここまで煽られると叩きのめすしかない。
私は片手を高く上げて大岩を上へ浮かせると、思い切り男たちに向かって叩き落とした!
うぃっすー!久しぶりのあとがき担当の月見里 蜜柑だ!今日は、出番がなくて暇だから俺がするぜ〜
前回から静紅と六花メインの話が始まったから俺と結芽子は暇なんだよ〜、次回のあとがきは結芽子が担当する約束だ!
静紅と六花は羨ましいよ。俺もされてぇなぁ、ナンパ。
え? あれは襲われてただけ…? なーんだ、でも静紅と六花は可愛いしなぁ、俺なんて女の子らしくないし、彼氏いない歴=年齢だしなぁ。
あ、それは静紅達もか。
まあ無事でよかったぜ!
それじゃ、締めるぞ!
次回もお楽しみに!




