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総集編 エーテル・カンタービレその6

誠にごめんなさい、リアルが非常に忙しいため、本日の総集編は文字数が少ないです! あと展開が遅い!

 苦楽を共に、そして敵と相対した時、背中を預けられるほどの実力か確かめるため、マル姉が開催する試験に、結芽子と蜜柑、そしてフレデリカとアルトリアと次々に合格していく中。


 静紅たちは七人なので、一人余るから三人の組を作ろうかとマル姉は言っていたが、ベルアは「一人で受ける」と聞かなかった。


 それはプライドが強いのか。

 

 はたまたただのバカなのか。

  

 またはそれだけ自分の力に自信があるのか。


「フェニ、リン。頼んだわよ」


『それじゃあ最後の試練! 一人だけど頑張ってね!!』


 マル姉の合図を聞いた途端、ベルアは不死鳥と輪廻竜の力を解放する。


「ふふん、喰らいなさい鉄クズっ! フェニックス・ブラスト!!」


『あ待っ─────!!!』


 意気込んでいたベルアはこれまでにないほどの火力と大量の炎を手の中から放出した。


「ふふーん、どんなもんよ……ってあれ? なんか変じゃない?」


『小娘……貴様……』


 怒りを抑えながらも、微妙に漏れている輪廻竜の言葉にベルアは若干の焦りを覚える。


「え、何よ! ねえリンったら! ねえ何!?」


 マル姉の慌てた声、そして輪廻竜の呆れたため息によって、ベルアは取り返しのつかないことをしてしまったと悟った。


 目の前の不死鳥の炎はそろそろ自然消滅してもおかしくないのに、何故か消えるどころか燃え広がっている。


「工場が燃えている……? あっ─────」


─────火器の扱いには十分注意してね!!


 ベルアは試験の直前、ここは油がよく使われていた工場で、まだそれが残っているかもしれないから気をつけてね、と忠告を受けていたことを思い出した。


「火器……ああもう私のバカ! 何やってんの……フェニ、リン! ここから逃げるわよ!」


 唯一まだ工場に残っているのはベルアと二匹だけだ。


 ベルアは踵を返して出口の方に走っていく。


『だからあれだけ言ったのに……ベルアは試練失格!!』


「分かってるわよ! 謝罪は後でするからあんたも逃げて!」


 ベルアが工場から脱出したその瞬間、発火場所である広場が大爆発と共に吹き飛んだ。


 おそらく工業用油に引火したのだろう。


 青ざめた表情でベルアは爆発によって起きた黒煙を眺めていた。


「おいおい大丈夫かよー。ガキの癖にとんでもないことすんなあ」


「怪我ない? 火傷とかあれば言ってな!?」


 比較的近くにいた蜜柑と結芽子は、息を切らして地面に座るベルアに話しかける。


「火傷は大丈夫……だけど……」


 ベルアは右脚に視線を落とす。


「逃げてる間、焦ってて怪我したわ。でもフェニに頼むから回復薬はとっておいて」


 不死鳥に治療してもらっている間、ベルアは座り直して大きなため息をついた。


「せっかく良いところ見せようと思ったのに……。これじゃ迷惑かけただけじゃない、私ってバカね……」


 目に涙を浮かべて言うベルア。


 普段強い口調で厳しいことを言っているベルアでも、人に迷惑をかけると流石に落ち込む。


「ベルアちゃんでもそんなこと思うんや」


「私でもってどういう事よ……でもまあ、そうね」


 我が強く、そして人の言うことを聞かないベルアのことを結芽子は少し苦手に思っていた。


 しかしこうして落ち込んでいるベルアを見ていると、性格以前に癖や衝動で口が悪くなってしまっているのかもしれないと思う。


 癖や衝動を性格と呼ぶかどうかは置いておいて。


「人に迷惑をかけたらダメって耳が腐るほど言われたから。それに、友達は大切にって……アイツに教わったから」


「友達─────」


「危ない結芽子!!」


 突然の蜜柑の声に、結芽子は慌ててひっくり返る。


 何が起きたのか分からないまま、結芽子とベルアは地面に伏せた。


 威嚇ではあるだろうが、結芽子とベルアの頭の上を、一発の銃弾が駆け抜けていく。


「貴様らッ! ここで何をしていた!」


 そこには双眼暗視ゴーグルが取り付けられた白のフルフェイスを被った兵隊が、ずらりと並んでいた。


 全員が白ヘルメットの中、先頭の一人だけ青色のヘルメットを着けている。


「お、おいやべえぞ……これあれだろ? いわゆる敵軍の兵隊だろ?」


「近くをパトロールしていたところ、ここを爆心地としてかなりの衝撃波と爆発音が響いていた! もう一度問う、ここで何をしていたッ!」


 青の兵隊を除いて、その全員がこちらに銃を向ける。


 剣ではなく、銃を向けられていることに文明の違いを感じながらもベルアは立ち上がって仁王立ちをした。


「ここで何をしていたかは言わない。けれど、爆発を起こしたのはこの私よ! だから何? あんた達に何のデメリットがあるのよ」


「公共の場での大爆破は周囲の人間に害を及ぼす! 本気でデメリットがどうだの言っているのなら、今度は死人が出かねん。貴様らを拘束し禁固刑とするッ!」


「あー、はいはい禁固刑ね禁固刑。でもいいのかしら? 私は古の王家の生き残りよ、あんたなんかが勝手に捕まえていい器じゃ─────」



・・・・・



「はあ!? ちょっ、出しなさいよこのバカ! 何だってのよ、私が何したっての! バーカ!」


 魔物でも壊せない檻を跨いで、数人の兵隊がベルアを睨む。ついでに同じ場所にいた蜜柑と結芽子も、ここに連れてこられた。


「兵隊を愚弄した罪、使われていないとはいえ、大切な財産である工場を爆破した罪! 他にもまだまだあるぞ、全て聞くか?」


「あ、いや……」


 ベルア、結芽子、蜜柑の三人は檻の中で鎖に繋がれたまま、苦笑いを隠すことが出来ないのであった。




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