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第162頁 歪みきった性癖を君に

久しぶりにあとがき書いたので、最後まで読んでくださると嬉しいです笑


「はぁ…結局争いへと向かっちゃうんだ」


 春の陽気に花が咲き誇る花園で、ため息を付きながら紅茶をすする少女の姿。

 ここは世界のどこかにある花園。成れの果て達が生活し、世界の調整を行う場所だ。


 うさぎフードをぴょこんと立てながら水晶を覗き込む彼女の名前は[キュリオス]。好奇心の成れの果てである。


「仕方ないじゃない。そもそも、人類の歴史というのは[戦争]よ。太古から、人というのは争いあって発展してきたのだから」


 キュリオスの言葉に呆れたように返した桃髪の女性の名前は[ペルソナリテ]。傲慢の成れの果てである。


「うふふ、その観点から見れば、今回のイベントも人類史の一頁でしかない…そういうことですね!」


 微笑みながら両手で頬杖をつく両瞳別色の少女の名前は[ルースリィス]。自らを無慈悲の成れの果てと名乗っている。


「全く…今回のイベントを作るのにどれだけの動力を使ったと思っているんですか。少しは私の功績を称えて──」


 机の上に置いた両腕に顔を埋めてもごもごと話す地味な女性の名は[インソムニア]。不眠症の成れの果てだ。


「あぁ、はいはい。ありがとうありがとう。ま、あなたにしては上出来じゃない?シナリオも割と好みよ」


「そうだよぉ〜ニアちゃん!ありがとね!…っと、それにしてもさ…」


 彼女ら曰く、今回のイベントは上出来であると言う。

 鎖国政策をとった王国[アーベント・デンメルング]内で巻き起こる、革命運動。それに巻き込まれる試験体はどういった行動を取るのか…という研究のためにイベントらしい。


「ふふ、ジャンヌ・ダルクですね。あの方は少し特殊な雰囲気を漂わせています。プログラムのバグ…と結論づけるのが妥当でしょうね」


「でもさでもさ!ジャンヌちゃんって多重人格だよね?なんで1人に2つのデータをあげちゃった訳?」


 キュリオスが口を開き、そのあとにインソムニアは鼻を鳴らす。


「たまには良いかなと思いまして…、特に大きな影響は無いはずでしょう?ほら[作者の小さな遊び心]とよく言うじゃないですか。それですよ」


「あはは!ニアちゃんらしいね!でもさ…」


 キュリオスは1度顔を下げてもう一度上げた。


『くっそくだらない。何も面白くないし、もし計画に狂いが出たらあなたの責任だからね』


「っ……、すみません」


「分かったらいいんだよニアちゃん!」


 彼女の腕の長さには合わないほど長い長袖の裾を口に当てて、えへへっと笑うキュリオス。


 辛辣な意見をぶつけられたインソムニアはそのまま不機嫌そうに紅茶をすすり、腕を組んだ。


 これにて本日の茶会は終了である。


「気になるね!この先何が起こるのか…。シズクちゃん…君は私の手のひらの上で遊ばれているということも気付かずに必死に足掻くんだもんねェ…可哀想に。でも──」


『──そういう女の子、キュリちゃんだーーーーーーいすきだよ!!アハハハハッ!!』


 水晶の中でルナを抱くシズクに、キュリオスは歪み切った性癖をぶつけて興奮しているのだった。



 ・・・・・



「2日後、この教会にいる反乱軍メンバーで中央図書館を襲撃する」


 正式に私達がジャンヌに協力することが決定した次の日、とうとう本格的な作戦が始まろうといていた。

 ジャンヌ・ダルク曰く、中央図書館には隠し通路への入口があり、それを占拠すれば昼夜関係なく街の中を移動出来るらしい。

 反乱軍がクリュエル達に見つかると、真っ先に処刑されてしまうので、王政には絶対バレない道の確保が優先された。


「皆も知っている通り、あの中央図書館の地下には【地下水通路】が張り巡らされている。図書館さえ占拠し、更にその事が王に見つかることが無ければ一気に優勢に立てるはずだ」


 この街の地図であろう羊皮紙をテーブルの上に広げて、駒を動かすジャンヌを中心に、2日後に決行される作戦の会議が進められる。


「一ついいかい?」


 私には完璧に思えたジャンヌの作戦に、紗友里は手を挙げて質問を投げかけた。


「あぁ、構わない」


「何故2日後なんだ?それに、中央図書館から通路が繋がっているのなら、その出口側から侵入すればいいじゃないか」


 さすが紗友里。軍師としての才能も長けている。

 要約すると、水路はトンネルのように出入口が存在して、わざわざ目立ちそうな入口を襲わなくたって出口から入れば良いじゃないか!とちう質問だ。

 それにジャンヌはこう答える。


「ダメだ。地下水路は出口からは入られない仕組みになっている…、出ることは出来るが、入ることは出来ない。なので、中央図書館を襲う」


 なるほど。つまり、あくまで出口は出口としての役割しか果たしていないと…。

 更にジャンヌは、落ち着いた口調で続ける。


「それに2日後、クリュエルは10日に1回開かれる地方探索に向かうはずだ。なんせクリュエルは権力としても絶大な力を持っているが、能力が厄介すぎる。出来るだけ完璧な奇襲をし、1日でも長く平和に過ごしたい」


「なるほど。これから戦うと言うのなら、クリュエルの能力等も知っておきたいな」


 頷く紗友里の言葉に、ジャンヌは快くオスカー・クリュエルの詳細を話し始めたのであった。


 クリュエルの能力は、[人身創造]。

 何らかの材料で彼女は『無意識な人形』を創り出す。ソレは、王である彼女に絶対服従を誓い、その身が朽ち果てるまで敵を襲う。

 ソレの名前は【人造人間ホムンクルス】と呼ばれた──


「ホムン…クルス」


「まーた物騒な名前だね、私にはトラウマレベルの嫌な名前だよ…」


 メモに筆を走らせていたルナが、思わずホムンクルスという名前を復唱した。

 私もまた、椅子の背もたれに体重を乗せて、昔読んだ漫画のことを思い出していた。


 私達はまだ知らない。

 微かに漂う不安の瘴気が、徐々に濃くなっていることを。

 私達はまだ知らない。

 成れの果てという存在が、私達を監視しているということを。


こんにちは!お久しぶりです!どうも、秋風です!


いやぁ、リアルの方で結構忙しくて、4日に1話の投稿になってました(笑)

Twitterの方では忙しいツイートしてたんですけど、知らない人は何も知らない状態で更新頻度落ちたのか…。報告入れておくべきでしたね。すみません!


さて、梅雨もそろそろ開ける頃ですが皆さん元気ですか?私はちょー元気です!!


突然ですが、冴えはず第10章、第2部の名前が決まりました!


第1部が、アーベント・デンメルングでしたよね。

そして第2部は……


第2部 中央図書館兼地下水占拠作戦


です!漢字が多い!

今回の後半の方で出てきた[中央図書館]。そこは、この国において重要な役割を担っています。

そして地下水路の安全確保さえ出来れば、地上に上がることなく街中を移動できるので、クリュエルに見つかることなく安心して移動出来ます!


とまぁ、これぐらいかな!

それでは皆さん!次回も時間があるようでしたらまた会いましょう!


By、紅葉

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