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第153頁 白の花園、黄昏の王国

四日ぶりの投稿じゃーーー!!


えっと、学校のテストがあったんです。べ、勉強しないと…ね?ってことで、テストも終わったことで二日に一話投稿再開ですよーー!



 お香の一件から早二週間ほど経つ。

 私達の『日常』は変化しておらず、家族の五分の一が日夜バイトに励んでいた。

 この家の収入は、私のバイト。六花の電磁砲練習兼魔物討伐の二つだ。

 フレデリカはともかく、蜜柑と結芽子は相変わらず自宅警備ニートをしている。彼女たち曰く「せっかく異世界に来たんだし、働かなくてもいいじゃないか」という意志を持っている。ひっぱたいたらちょっとは働いてくれるのだろうか。


 居候いそうろうしていたルリは今でも我が家で生活している。調子に乗って[瞬間魔分子破裂エレメンタル・リベンジ]を撃った時は驚いたけど、あれっきし活発に行動していないため蜜柑と似た評価を付けざるをえなくなった。


 今日も何一つ変わらない一日を終えようとしていた――のだが。


「えっと、急にどうしたの。あなたがこんな質素な場所に来るのも珍しいよね」


 良いシャンプーで整えられたまっすぐな緑髪に軍私服のような深緑の男装。スタイルもとてもよく、足を組んで紅茶をすする。

 彼女から帽子を受け取りハンガーにかけてから、私は向かい合うように席に着いた。

 とりあえずみんなを二階に追いやっているので一階にあるリビングは私と彼女しかいない。


 私の言葉に何かを感じたのか、ティーカップを置いて胸に手を当てて口を開く彼女。


「むっ、私を何と勘違いしている?フィクションのような政治をしない王では無い。一週間前にはクラ=スプリングスのスラム街にだって風通しをよくするための出張へ向かった所だよ。そんな街に比べればこの家は立派なものだ。食料があり、水道も通っている。寒くなれば暖もとれるからな」


「あはは、冗談だよ。あなたが頑張ってるのは姿を見るだけでわかるよ。紗友里?」


 この国【ヴァイシュガーデン】の唯一王の紗友里。彼女は国民からの支持率世界最高を誇り、貧富の差を無くすために全力を尽くす日本出身のJKである。


 私達よりも年下の頃に異世界に放り出され、必死に生きる術を学んできたのだろう。異世界生活八年目の現在でも彼女はとても元気で、国民の為なら努力を惜しまない人として完成しつくされた人物だ。


「うむ。…さて、今回邪魔させてもらった理由だが…」


「ん?できることなら何でもするけど」


 改まったように紗友里は息を吸って、言葉を発した。

 これが、これから私の身に起こる大きな出来事への片道切符であるとも知らずに、私はまじまじと彼女の目を見る。


「一緒にとある国に来てもらいたくてね」


「が、外国ぅ!?」



 ・・・・・



「っと、こんなもんかな」


 家族に外国に行くことを話してみると、意外とあっさりと許可を出してくれた。紗友里になんでもすると言った手前、断るとも遠慮するとも言えなかったので許してくれて助かったのは助かったのだが。

 六花とフレデリカは寂しそうにしていたが、「思い出話をしてあげる」と言ったら快く頷いてくれた。


 あれから三日後、王邸から旅船に乗って外国へ向かうと聞かされた私は準備を急いだ。なんせ、結芽子もフレデリカもいないので物は自分で運ばないといけないのだ。その点で言えばお互いに不利を補える能力の人と一緒に行動した方がよさそうだが。


 メンバーは紗友里、ルナ、そして私の三人である。


 目的は外国との関係を深めることなのだとか。

 何を隠そうこれから向かう外国は、他国からの一切の貿易を絶ち、正直何をしているのか不明の国。

 直接王様が訪問することで聞く耳くらいは持ってくれるのではないかという企みだ。


 石レンガが敷き詰められた大通りを北に進み、到着したのは大きな屋敷。ここが王邸。


「やぁ静紅。調子はどうだい?」


 王邸の庭で待っていた紗友里が私に向かって手を振った。その隣には荷物を持ったルナが居る。


「うん!元気だよ!」


「シズクさん、ルナはあなたと外交活動ができて嬉しい。わずか数日の間だが、お世話になる…」


 両手に鞄を持つルナが小さな声でそう言った。鈴の音のような声によって私はここ最近で一番の癒しを得る。もうこれだけで満足なのに、これをあと何日も…となると意識が持つとわからないな。気を付けなければ。


「私もルナと行動出来て嬉しいよ!これからよろしくね!」


 さて、今回向かう国の名前は【アーベント・デンメルング《黄昏の王国》】。

 多少の間は波に揺られることになるが、それぐらいは我慢するとするかぁ。




 この海の向こうに何が待ち受けているのか。その国では何が行われているのか。

 私はまだ知らなかった。アーベント・デンメルングを治める存在を。



 残忍姫[オスカー・クリュエル]という存在を。


皆さんこんにちは!秋風紅葉です!


はいー、四日ぶりぐらいじゃないですか?お久しぶりです!みんな元気にしてましたか?

今回の第153頁から新章『アングリフ・ボレロ』が始まります。

アングリフは、ドイツ語で「攻撃」という意味です!ボレロは音楽用語で、舞曲ですねー。


カルディナ・レクイエム。マーメイド・ラプソディーに続く、アングリフ・ボレオ。

鎮魂歌、狂詩曲からの舞曲!これからの展開が気になりますね!


なぜボレロにしたかというと、そもそもボレロとは三拍子に合わせて踊るときに流される17世紀ぐらいの曲です。とんとん拍子、三拍子で国民たちの計画が進んでほしいという願いを込めて名付けました!



それではみなさん、よろしければ高評価、悪ければ低評価お願いです!


さよなら!

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