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第141頁 そんな見た目で男かよ



「そんな格好して男~!?」


 私は思わず叫んだ。さっきの話が無かったら正直言って可愛い容姿の目の前の…彼?が男だったなんて。確かにそう言われれば、焦ったときや素が出るときは少年っぽい声出してたけど…。


「そうなんですよ静紅さん。この方、声も高くて姿も可愛いのに男ですよ男!」


「ま、まぁ向こうには男の娘ってジャンルがあったんだ。俺はこんな子が出て来ても違和感がないが…マジもんの男の娘だ…初めて見るぜ」


 六花に続いて蜜柑も慌てたように声を荒げて私にルリという人物が男だということを説明した。

 六花がこんなに興奮するの珍しいな。あ、フレデリカみたいな興奮じゃなくて、気持ちが高鳴る方の興奮ね。


「そうそう、その顔なのだ。その驚いて慌てふためく姿が大好物なのだー!わーはっはっは!」


「こいつ性格悪い…!!」


 とことん煽って、それから驚いた顔を楽しみにしてるって性格悪いなんて物じゃないよ!この子…いや、この人とは仲良くできる自信がない。さっさと帰ってもらおう。うん、今すぐにでもそうしよう。


「はーいルリくーん、そろそろおうちに帰る時間ですよ~」


「え?今日からここが我の住処なのだ」


 ルリは当たり前のようにそういって、クッションにダイブした。実家のような安心感を醸し出すルリに対して私は彼の服を引っ張る。


「は?」


「ここが我の住処なのだ」


「何言ってるんだよ!ほーら、早く家に帰れー!」


「嫌です」


 なんだこいつ。急に真顔で敬語使ってきた。

 クッションに接着剤で引っ付かれたかのようにルリはその場から動かず、その場に変な空気が流れる。


「お師匠様、どうやらこの人本当に住んでる家がないみたいです。ただ…」


「ただ?」


「普通の思考回路ではないというか、変な思考回路なんです。何者なんですか?彼は」


 彼を家に泊めるのを賛成派のフレデリカが私の肩を叩いて耳元で囁いた。

 普通の思考回路じゃないのはどうでもいいが、本当に帰る場所がないのだとすれば…。


「我は帰るところがないのだ…。だから、この家に泊めてほしいのだ。もっと欲を言えば、居候させてほしいです。ほんと、お願いします」


 急に土下座をしたルリは家に居候させてほしいとか言い出した。てか、さっきの「~なのだ!」ってテンションは何処へ!それなりの礼儀は学んでる…のか?

 うーーん、どうしたものか。


「ちょっと考えさせてね」


 そういって、彼と距離をあけた所に家族を集合させる。



 静紅「どう思う?彼をこの家に泊めるか否か」


 六花「困ってる人がいるのなら、ボクは手を差し伸べたいです」


 蜜柑「でもよ、ああ見えてアイツは男だ。俺らがいくら可愛く無いっても、男は男。それなりの覚悟と緊張は必要だぜ」


 結芽子「そうやなぁ、でも泊まるところもない貧乏な子なんやろ?」


 フレデリカ「蜜柑さん!それなりの覚悟というところ詳しく!」


 静紅「あなたは黙ってて!」


 フレデリカ「ふがっ!?」


 六花「とにかく!この方をどうするかですよ!」


 結芽子「私は賛成やな」


 蜜柑「俺は反対」


 フレデリカ「あ、私は…私は、むぐっ」


 静紅「あなたの考えは不純なんだよ!ちょうど偶数になるし、あなたは引き続き無言でお願いね!」


 六花「ボクは賛成です」


 静紅「私は…どっちでもいいかな。

 こんな時間に一人で歩かせるのはまずいでしょ。たとえ男の子だとしても、筋力とかは私たちと同じぐらいだと思うし、まぁ…お金がないなら助けてあげよ?蜜柑もそれで大丈夫?」


 蜜柑「まぁ、多数決なら仕方ないな…」


 フレデリカ「ひゃっほーいルリさんバンザーーイ!!」


 静紅「あなたは今日私の隣で寝なさい。ちゃんとロープで縛って動けなくしてあげるから」


 フレデリカ「それはそれでご褒美に…。やめておきます」


 静紅「そうしときな。健全って大切だからね」



 途中トラブルも起きたがスムーズに話し合いは進み、ルリが今夜我が家に泊まることになりました。


「それじゃ、お邪魔してもいいんですか!?」


 目を輝かせてルリがそういうので、私は大きく息を吐きながらこくりと頷いた。

 素になると特徴的な語尾は消えるのか…覚えておこう。特に役に立たなそうだけど。


「うん、部屋は念のためにここを使って。一応男女の境は作りたいから」


 二階は元々寝室として使っていたので私たちはそこで寝て、ルリにはリビングで寝てもらおう。ここにやわらかい物でもひけば寝れるはずだ。


「さすがの我もそんなことをしないのだ…。でも雨風がしのげるだけでも神様に救われた気分!本当に感謝するのだ!」


「よかったよかった!私たちにはこれぐらいのことしかできへんけど困ったときはお互い様精神でがんばろなー」


「ユメはいいやつだな!我は気に入ったのだ!」


 そう言って両手を突き上げたルリは、その後三十分もしないうちに眠りについてしまったのでした。



 ・・・・・



「お、お師匠様ぁ、締め付けが…」


「おい変な声出すな。ただロープで縛ってるだけだろ」


 お風呂、夕食を済ませた私たちは寝る時間になったのでそれぞれの寝室へ移動した。

 六花と魔法人形(ドールにフレデリカを拘束してもらい、私がロープで縛っている感じだ。

 ルリがまだ未成年とは言え、こちらの未成年も容易に夜に開放することは危険すぎる。

 さらにフレデリカは変態である。男だけが襲うとは限らない。なので私の隣に縛られたフレデリカを寝かし、常に監視するという感じだ。


「フレデリカさん。誤っても、ルリさんに手は出さないでくださいね。あんな見た目でも男は男。ついてるもんはついてるんですから」


「はいはい。分かってますよぉ…。それに、夜に襲うのはお師匠様だけですから」


「よし、毎日縛るか」


 フレデリカに襲われるとか怖すぎるだろ。こいつの筋力はさすがの私でもどかせないし…。

 まぁ冗談だとは思うが、今日は絶対縛る。何が何でも縛ってやる。我が家の平和は私が守る!


「はいできた。そのまま横になって寝てね。トイレは…私を起こしてくれたら連れて行くから」


「分かりました…」


「それじゃ、おやすみー」


 六花とフレデリカにおやすみを伝え、その日は眠りについた。

 フレデリカという脅威が消えたためか、心なしか寝つきが早かった気がする。


「……なんだろう。この物扱いされている感じ」


 後から聞いた話だと、その夜フレデリカは自分が縛られている現実を受け止めてはドキドキしていたのだとか。

 変態かよ。あ、変態か。





【あとがき!】


 今回は大切な話があるので紅葉があとがき!をお送りいたします!


 他に話すこともないので、本題から入りますねー

 それはずばり…

【第五期大型修正期】の到来についてです!

 昨日の回を読んで下さった方ならご存じだと思いますが、そうです。ヤツが来ます。


 ですが、前回の修正期の失敗はもう起こしません!

 そう、この時のためにコツコツとストックを用意してきたんですよ!ふっふっふ…、私だってやるときはやるんですから!

 ってことでどーん!


 ・・・・・・


「修正内容」


 ・異世界人が名前を呼ぶときはカタカナに

    例「静紅さん、いらっしゃい!」→「シズクさん、いらっしゃい!」


 ・序盤などの4000文字を超える話をいくつかに分ける。

    例「第〇頁 6000文字」→「第〇-1頁 2000文字」、「第〇-2頁 2000頁」、「第〇-3頁 2000文字」


 ・あとがき!の一部修正


 ・その他もろもろ!



 ・・・・・・



 とまぁ、こんな感じです!

 まだまだ内容は増えていきそうですが、頑張ります!小さなことからコツコツと、これ大事ですしねー


【毎日投稿は継続する】ので、ご安心を!


 それでは皆さん、次回もお楽しみに!



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