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第134頁 それとこれとは別問題


 そう、人混みのなかから出てきたのは、キノコタン達の女王。私達とも前に暮らしていた[ルイス]だ。正式名称はとても長いが、私達は愛称としてルイスと呼んでいる。


 ひとまずこんな人がいるところじゃ話も出来ないし、ルイスを連れて村のレストランへ向かった。

 この村の特産品の魚介類は新鮮でとても美味しいと蜜柑のお墨付きだ。あいつのお墨は出来れば貰いたくないが、まぁ私も美味しいと感じた。

 ルイスは魚介を食べるのだろうか。キノコの魔物が魚を食べるシーンはなかなか想像したくないものだが。


「とりあえず、移動しよ」



 ・・・・・



 この村に初めて立ち寄った時と全く同じテーブルに腰を下ろし、冷たい水の入った木製のコップを両手で優しく包む。

 私の隣に六花、その反対にフレデリカ、その両端に蜜柑と結芽子。そして正面にルイスという配置で座り、昼ごはんがてらに海鮮丼を店の人に頼んだ。


「…さてっと。なんでこの村にいるかってことなんだけど」


「王様から、新しい貿易港を作りたいので下見に行ってきて。と言われたんです」


「あー、そういえばそんなことも言ってたような」


 確かこの国[ヴァイス・ガーデン]は隣国との親交を深めるために貿易やら現地交流やらで海外進出を始めたらしい。この国が島国かどうかは知らんけど。

 紗友里が王様に就いてから良くなって行く一方だとよく聞く。日本出身の高校生が一国の王になって政治をするなんて私も尊敬する。それもこれも彼女のセンスというか、才能なのだろう。


「紗友里様は偉い王様ですからね。これは私も胸を張れますよ!えっへん」


「あなたが胸を張ったらもっと大きく見えるのでやめてください」


「六花さんまで私にツッコミを!?受け入られ始めた証拠なのか、ただ嫌われているのか分かりませんが嬉しいです」


 頬に手をあて、もじもじするフレデリカ。それを睨む六花。この二人は仲がいいのか悪いのか本当に分からない。何がともあれ元気そうで何よりだが。

 とりあえず二人の中に割って入り、話を制止する。このまま放置しても面白いといえば面白いが、六花が「罵られて興奮する変態さんなんですか」と厳しめのお声を漏らす恐れがあるので止めないといけない。


「貿易港って言っても、そんな簡単に作れるもんじゃないだろ。しかも王都からこんなに離れた所じゃ、運ぶ足も労力も凄いことになりそうだぜ?」


「それについては問題無いですよ。建築は材料だけ運んで、ルカとルナさんに魔法で作ってもらいます。仕事が無くて困ってる竜車乗りがいるので、その方たちを高給料で雇って働いてもらいます」


「なるほどなぁ」


 確かに完璧な作戦だけど、そんな簡単に上手くいくのかな…。まぁルカとルナがいれば何でも出来そうな感じはするけど。

 蜜柑がルイスに計画についてなにやら言いたげな顔をしてる。これでも元社長、商売系のことなら私達の中で一番知識はあるはず。まぁそれが成功していたとは言えないが。


「凄いなぁ紗友里ちゃん。どんどんこの国発展させてるし、やっぱり天才肌ってやつなんやろか」


 そういいながら自分の肌を指さす結芽子。

 うん、肌は肌でもその肌じゃないよ。あくまで比喩的表現だからね。


「くすっ…、やっぱり皆さんは面白いですね!」


「あ、ありがとう?」


 口を手で押さえてくすくすと笑うルイスに謎の感謝を告げ、この話し合いの締めに入る。


「まとめると、あなたがここにいるのは貿易港を作るための下見ってことね」


「簡潔に言うとそういうことです」


「なるほど…」と溜め息をつきつつコップに入った水を飲み干した。


 結論!やっぱりこの店の海鮮丼は美味しい!!





【あとがき!】


 はいはい、今回のあとがき!は私、水鶏口 静紅が担当しまーす。


 実は、あと四話ほど先までストックがあるんですが、あと三話で第八章は終わります!

 計52話続いた第八章 マーメイド・ラプソディー。

 いやぁ、長かったね!大変だったよ…。


 新章まであと三話!

 イナベラの悩み編を見逃すなーーーー!!!


 それではみなさん!よろしければ評価、ブックマークお願いします!さよなら!


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