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第95-1頁 隠し扉と守護の影


 さて、早速行き詰まった訳だがどうしたものか。

 まず整理すると、フレデリカの記憶を取り戻すためにマーメイド・ラプソディーに参加したいけど、それは海の中で開催されるので私達には無理。

 人魚のイナベラは陸に上がれないので私達と行動することは難しい。


「あーもう!どうすりゃいいんだよ!」


 蜜柑が頭を押さえてぐねぐね動いた。こんな蜜柑を見るのも久しぶりだけど、私も気持ちは同じだ。


「イナベラに聞いてみる?」


 海の中で魚と戯れるイナベラの方を見て、私は腰を伸ばして言った。

 こういう時も海から出れないからイナベラは1人だ。


「リーエルちゃんの魔道具でないん?水中呼吸みたいなやつ」


「それが無いんだよー、また頼んでおくよ」


 バイトを始めて1ヶ月半近く。

 100を超える商品は全て暗記している自信はあるけど、海に関係する魔道具なんて無かった気がする。


 マジで行き詰まった私達。イナベラは何か知っていないか聞いてみることにした。


「ねぇイナベラ、私達が息を水中で吸うための方法とか無いの?」


「うーん、ないことも無いけど、大変だよ」


「大変でも頑張るよ、家族のためだもん」


「…?」


「んーん、気にしないで。その方法について詳しく教えてくれないかな?友達でしょ?」


 友達でしょ?と言う言葉にちょっとトラウマがあるけど、つい自分で言ってしまったことに驚いた。

 それでも家族のためだ。どれだけ危険でもどれだけ大変でも頑張るよ。


「友達だよね、私は友達好きだよ。分かった」


 イナベラは頷き、私に水中で呼吸する術とそれを手に入れる方法を教えてくれた。



 ・・・・・



「おーい結芽子!そっちなんかあったか?」


「無いわー」


 私達5人は、海の崖下にある洞窟を探している。


『人間が水中で呼吸のは普通ありえないことなんだ。だからその分身体に負荷がかかるし、準備も大変だよ。陸上にあるから私は行けないけど、とある洞窟の中に[蒼海の宝玉]って丸い球があるの──』


 イナベラの言葉を信じて、陸上の崖下まで来たわけだ。

 分かるのは崖下ということだけ。どこの崖下かも分からないし、そもそもその洞窟が今も残っているか分からない。


「お師匠様、こっちは無かったです」


「そっちもか…。六花は見つかった?」


 さっき目に入った六花の方へ視線を向けると、六花が黄色く眼を輝かせて崖を見つめていた。


 六花の能力の一つ、[環境観察術]は常に熟練度が上がっていて、今は近距離なら目で見ただけでは分からない空間的な情報もわかることが出来るらしい。

 例えば、半径5m以内に何か無いか調べる時は能力を使って、空間的な情報を捉えると、足元に落とし穴の空間があったり、壁に隠し扉があることがわかる。


「静紅さん、この壁の奥に大きな空間があります」


「そんなことまで分かるんだ!凄い能力じゃん!」


 それから私は家族全員を集めて、謎の壁の前に並んだ。


「行きますよ。電磁砲っ!」


 今の六花だったらよっぽどのパワーを出さない限り電磁砲で指を傷めることはない。


 どーん!


 という大きな音をたてて崖は崩れ落ち、その奥には六花の言った通り空間があった。


「なんだろうここ。足元にブロック敷いてあるし、人は入ったことあるみたいだけど」


 足元にはブロック、所々にはトーチが置いてあり、壁には蜘蛛の巣もあったりと、かなり不気味な感じが漂ってくる。


「ここは私が。聖属性魔法・光球!」


「ありがとーなフレデリカちゃん」


 彼女の光球によって洞窟内は明るく照らされて、奥まで見えるようになった。

 奥には地下へと続く階段のようなものがあり、躊躇うことなく下へ降りた。


「っと、ここはなんなんだ?」


 砂岩の壁に囲まれた通路の先に、巨大な黒扉が目立たんとばかりに立っていた。


「何かの通路…でしょうか」


「この扉はなんや、押しても…あかへんで!」


 こういうのって大体ボスモンスターとか大事な宝石を守るための罠とか仕掛けられてるんじゃないの?

 今のところは何も起きてないことからすると、多分この扉の奥にあるのかな。


「開かなかったら壊すだけですよ!」


 フレデリカは自分の中に収納していた大剣をおもむろに取りだし、大きく振りかぶって扉に叩き付けた!

 土煙の後、私達の前に立ちはだかったのは…


「静紅さん、フレデリカさんッ!」


 三本の首を持ち、黄色の鋭い目付きをこちらに向け、


「やばっ…!」


 その巨体にはたくさんの鱗が詰まり、4本の太い脚はどんな攻撃も跳ね返す。


「おいおいおい…」


 全ての口には全てを噛み砕く程鋭い牙が並ぶ。尾に突き刺されたら一溜りもないだろう。


『ぐるるる…』


 漆黒の鱗に包まれた三本首の龍。

 それが、私達の前に立ちはだかったのだ。


「なっ…」


「危ない蜜柑!」


 三本のうち一本の首が蜜柑のいる方にぐっと伸び、その口を大きく開けた。

 白い牙がチラリと見えて、蜜柑だけでなく私も恐怖に取り憑かれたように動けなくなる。


「あ、うぁ…」


 何かが潰されたような音と、大事なものが消えた音が聞こえた気がした。


「蜜柑…、みかぁぁああん!!!」






こんばんわ!秋風紅葉です!

昨日の投稿で、晩にも投稿すると言ってたのにしませんでしたね(笑)(>_<)


「ほんと、いい加減なこと言うといつか痛い目見るからやめときなよ?」


うんーー、


さて!後5話で大型修正期に突入しまーす!

DMとか感想とかで言われたんだよね、「会話文の…、……、………とかの長さを統一した方がいい」って。ごもっともです!

というわけで、1から100までぜーーーんぶ見直すので3日…4日ぐらい新話更新が出来なくなるかもです!


「いや、普通に修正+進めれば良くない?」


あ、確かに。

まぁ考えときます!



それでは皆さん!これからもよろしくお願いします!

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