第58-1頁 数少ない戦闘シーン!みたいな?
異世界生活65日目。
朝食を食べ終えたので、暇になった静紅達一行は、リーエル魔道具専門店で購入した武器を試すため、お小遣い稼ぎを兼ねた魔物討伐に出陣する……
「ほら、早く頁をめくりなさいよ!」
『なんか、本当にキャラ崩壊してますね』
ステップウルフ
それは、ハームウルフに並ぶ狼型魔物の一種で主に草原の端に生息している。
その強靭な牙と仲間との意思疎通を巧みに使いこなして獲物を捕らえる。
そして今、本来南西部の端に生息しているはずのステップウルフが繁殖期に入り、大量発生しているらしい。
ウルフ種の生殖力は凄まじく、1度にたくさん出産するのに対し、天敵も特に居ないので直ぐに増殖して人々の害となるのだ。
ステップウルフを含めたウルフ種の討伐作戦も行ったのだが、キリがないので今は放置状態になっている。
・・・・・
王都西門から王都を出て、ステップウルフ討伐作戦を始める私達。
「行くぞ〜!えっと、このトリガーを引いて…」
蜜柑の掛け声によって開始されたステップウルフ討伐作戦。
前方40メートルの地点に数匹の群れがあるのでまずはそれを狙うことにする。
蜜柑の魔法銃でまずは威嚇する。
どぉん!
蜜柑の背中にあるバッグパックから生み出された魔法エネルギー弾は、それから伸びるチューブを通って銃部にチャージされる。
あとは任意のタイミングでトリガーを引くと、銃口から風属性魔法・風弾が放たれる。
斜め45度を意識して放ったエネルギー弾は、ボールの道筋を描くようにウルフの群れに撃ち込まれた。
「ナイス蜜柑!次、フレデリカ行くよ!」
「はいっ!」
私の合図と同時に2体の魔法人形とフレデリカが土煙の中のウルフの群れに突入して行った。
遠くからの魔法人形の操作でなれない所もあるが、そこは直感と反射力だ。
盾持ちの女の子がステップウルフの牙を受け止め、振り払った所を長槍持ちの男の子が槍を突き刺す。
一度に2体の操作は難しかったが、楽しかった。
長槍の刃部はもちろん、盾のトゲトゲした所に触れただけで魔物が勝手に殺られてくれるので、女の子は防御するだけでも敵を倒せた。
一方フレデリカは大剣の反動で生み出された力を上手く利用した立ち回りで、ウルフをどんどんなぎ倒していた。
初撃の斬りあげから上から下へ垂直斬り。
垂直斬りが終わるよりも先に強く地面を蹴ってジャンプ、右手を大剣から離して火属性魔法・火球をウルフに撃ち込んでから着地。
右斜めの斬りあげからの左脚での回し蹴り、蹴った反動で一回転をして、それが終わる頃にはステップウルフの群れは消えていた。
「強すぎひん!?なんその戦い方…!」
「そうですよ!フレデリカさんの華麗な動き…ライバルですが褒めざるを得ませんね」
「えへへ、これでも伊達に幼い頃から魔物討伐をしてませんからね!」
フレデリカをべた褒めする結芽子と六花。
「お、俺の見事な発車技術は!?」「わ、私の可愛い人形は!?」
自分も充分戦ったはずなのに褒められない私と蜜柑。
やはり目立つ方が称賛されるのか…。
と、痛感した所で、次のターゲットへ移動。
ついでにステップウルフの牙はアクセサリーや薬の調合に重宝されるので、高価で買い取れる。
なので、一匹残らずフレデリカと結芽子の中に収納した。
こんにちは!秋風 紅葉です!
「ちわっす〜蜜柑だ!」
さてさて、今回もお読みいただきありがとうございます!
「あなたのPVが紅葉のモチベーションになっています」
あれ?敬語使えるの?
「馬鹿にしてんじゃねぇ!俺だって元社長。敬語ぐらいは出来るぜ!」
ま、そんなことより…静紅達が異世界転移をしてから65日目が経ちましたね。
「色んなことがあったよな〜」
キノコタン大戦、王都への道中、雪の森、王都編……忙しいね!
「俺はこの世界の色んな場所が見れて嬉しいぞ!」
そ、そう?それならいいんだけど
次回もよろしくお願いします!




