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総集編 201頁〜300頁までの軌跡 その3


 各々が全力の大技を繰り出し、激闘の末ようやく[天鱗山]を討伐した一行。


 好奇心の成れの果てキュリオスの要求にあった天鱗山の霜降り肉を入手し、一件落着で和気あいあいとしていると。


「やあやあシズクちゃん、ご苦労さまー」


 突然、静紅の背後にうさ耳フードの少女キュリオスが現れた。


 流石は成れの果て、神出鬼没もいいところだ。


 静紅は天鱗山の霜降り肉を、約束通りキュリオスに手渡した。


「確かに受け取りましたっと……それじゃあこれが私とルースリィスちゃんからの贈り物ね!」


 霜降り肉と引き換えに、静紅は[アクセサリーになりそうなほど小さな剣]を手に入れた。


「これは[聖透剣]って言って、まあ見ての通り特別なクリスタルで作ったんだよ! 大切にしてね!」


「こ、こんなおもちゃみたいな剣でどう戦─────ってもう消えてるし……はあ」


 静紅は手のひらに小さな剣を置いて、それを眺めるのであった。



・・・・・



 天鱗山という最上級食材が手に入ったことで、半龍族のルリの意見により[ステーキ]として調理しようということになった。


 ただ肉を焼くだけでなく、味付けにもこだわらなければこの料理大会で勝てないだろう。


「最優先は塩コショウの入手! コショウをめぐって戦争が起きたくらい、料理にコショウは必須なんだよ」


「塩は敵チームから奪った戦利品に入ってましたもんね。でもコショウってあれ一体何者なんですかね、植物?」


「そうですね、植物です。ただコショウはどんな料理にも使われますので、他のチームが既に取っているかもしれません」

 

「問題ない! 他のチームを倒して奪えばいいのだ!」


「こうして戦争は起きたんだね、うん……」


 コショウを入手するため、植物が生えていそうな場所を目指す一行は、森の中に黒煙が立ち上っているのを発見する。


「あれなんだろ、誰かが戦ってるのかな?」


「二つのチームが戦闘中ですね、どうします?」


「そんなの決まってるのだ、漁夫の利して戦利品は我達のものだー!」


 戦いが終わったタイミングを見て、静紅たちは煙の元へ向かうのであった。



・・・・・



 とある暗い森の中、女性は岩の上で静かに佇む。


「出てきてください、私の子供たち」


 腰まで伸びた黒髪に、山羊の角が生えた獣人の女性─────不眠症の成れの果てインソムニアはスカートの中から[影]を生み出した。


「あの人に言われてやってきましたが、何とも薄気味悪い森です……はあ、被検体シズクの監視って一体何をすれば……」


 [影]は子うさぎの姿になって森の中に拡がっていく。


 インソムニアは自らの影に生命を持たせ、従わせる事が出来る力を持っている。


「とにかく周囲を見てきてください、情報が必要です」


 静紅を含めたこの大会の出場者達に、危機が迫っていた─────。



・・・・・



「ふぅむ……こんな兎見たことないにゃ」


 インソムニアが生み出した[影の兎]は、猫獣人の王マカリナによって一匹捕獲されていた。


 影が具現化し、自我を持って森の中を飛び跳ねるなど聞いたことの無い現象だ。


「アーミラ、この兎どう思うにゃ?」


 マカリナは自分の付き添い人に、そのうさみみを見せた。


「普通の野生動物でも、魔物でもありませんね。妙です、この料理大会だけの特別な生き物でしょうか」


「にゃんか気味が悪いにゃ、潰しておくね」


 マカリナは片手で兎を潰すと、ソレにまとわりついていた黒い影は蒸発して消えてしまった。



・・・・・



「……おや、猫獣人の王様じゃありませんか。これまた珍しい。王国アーク・ビレッジ、あの国大好きなんですよ」


 影の兎を倒されたことで、影の主であるインソムニアに兎の情報が伝達された。


「このまま待っていても退屈ですし、久しぶりの運動として少しちょっかいでもかけますか」


 そう言ってインソムニアは立ち上がると、兎が倒された地点まで歩いていくのであった。



連続投稿414日目です!

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