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第47-2頁 夢のマイホーム

「い、一体どうしたんですか!?」


「何かはあったみたいだけど……」


「血痕あるしなんやここ……」


 蜜柑の後から不動産屋を出た私達は、フレデリカが浄化を使った五分程後、道に迷いながらもようやく家に辿り着いた。


 血痕のある部屋に、二人で寝転がっている蜜柑とフレデリカを見て驚いたのは言うまでもあるまい。


「あ、あぁ、ゆ、ゆうれい……。がっくり」


「いやぁ、暗いときに急に発光体をみたせいか、目がやられてました!」


 蜜柑は幽霊を見たことで放心状態。


 フレデリカは笑いながらめまいを私に訴えた。


 この部屋にはもう幽霊はおらず、残っているのは二人だけだ。


「なにがあったかよく分からないけど……おつかれ」


「うぅ、し、しずくぅ、怖かった……」


「べ、ベタベタするなー! 気持ち悪いっ」


 私は抱きついてきた蜜柑を無理やり引き剥がす。蜜柑はただの幼なじみで友達として好きだが、六花の好きとは違う。


「おっししょーさまー! 私は、私は引っ付いていいですよね!」


「お前はもっと離れろー!! ぐはっ……」


 フレデリカの突進に押され、背中から床に倒れる。


「ちょっとフレデリカさん! ボクの静紅さんなんですけど!」


「ふぁああああ、この巨乳エルフが!!!!」


 私より胸が大きな人見るとムカムカするんだよお!!



 ・・・・・



 あれから私達は、一度宿屋で一泊してから再び不動産屋へ向かった。


 昨日の出来事で幽霊は消え、あとは掃除さえすれば快適に暮らすことが出来る。


 幽霊が居なくなったからと言って、値段が高くなることも無く、不動産屋は同じ代金で家を売ってくれた。


 ローンを組む必要も無いので一括払いだ。


 純金貨一枚を支払ってもお釣りが来るほどの安さの家だが、それは私達が望んだ家そのもので、購入時の感動たるや。


「これで購入手続きは終了です。荷物などありましたら運びますがどうしますか?」


「いえ、荷物はこちらで運ぶので大丈夫です」


 実際、結芽子とフレデリカの能力でほぼ無制限の物を運ぶことが出来るので大丈夫だ。


「そうですか、承知致しました。それではこの時よりこの時より正式に、家をお譲り致します」


 そう言うと不動産屋は大きなハンコを用紙に押した。


 遂に、遂に社会人の夢のマイホームを手に入れたのだ。


「お師匠様とひとつ屋根の下っ……!! ドキドキ」


「ボクの静紅さんですからね」



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