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第1180頁 天の黒霧

「フレイマギア・彼岸花ッ!」「電磁砲!!」


 時雨と六花が放つ矢と光線は[蜃気楼の精霊ホウライ]の方へ向かっていき、命中する。


 しかし蜃気楼の精霊も負け時と、反撃のように数発の岩石をこちらに発射するが、アテナの防壁とクラウソラスの鎧によって防がれる。


 蜃気楼の祠が破壊され、戦場は外界、山の麓になる。


 周囲には相変わらず真っ白な霧が広がっており、近くの仲間の位置は見えても遠くの仲間は分からない。


 魔法を使う時の明かりでどこにいるのか判断できるくらいだ。


 蜃気楼の精霊戦第二ラウンドが始まってから十分程度が経過した頃。


「大量に来られたら困るけど、ウチら一体に対して集中攻撃は得意やからな! どんどん行くで!」

 

 七色の釘を打ち続ける結芽子の言う通り、現在蜃気楼の精霊は目立つ攻撃をして来ず、私たちは八方を囲んで集中砲火をしている。


 時々自分で動く[小惑星]が召喚されるが、今更数体出てきたところで剣で弾けば処理できる。


「……! みんな気をつけて、様子が変だよ」


 時雨が片手を上げると、皆は一斉に攻撃を止める。


「様子が変って?」


 土煙の奥にいる蜃気楼の精霊に目を凝らしていると、突然体の表面にあるクレーターから左右合計[二本の剛腕]が生えてきた。


「イシツブテかよ……って言っても伝わらないか! 腕が生えたってことは、足も生えてくるんじゃないの?」


 あの様子だと、あといくつか進化形態を残していそうだ。


「なら進化する前に叩き潰すまでっス!」


 地を蹴り、宙に浮かぶ蜃気楼の精霊に斬りかかるフラン。


 直径25mの巨大な月に短刀を突き立てようとするフランだったが、次の瞬間、彼女は地面に叩き落とされていた。


「がはッ……!? 痛ッ……!!」


 背面から叩き落とされた彼女は血反吐を吐きながらもすぐに立ち上がるが、右腕が折れていることに気がついた。


「フラン!」


 フラフラと立ち上がる彼女の元へ駆け寄るニンナは直ぐに修復と治癒の魔法を使い、腕の骨折を治す。


「一瞬だから分からなかったっスけど、あの月の手に[叩きと落とされた]気がするっス」


「ええ、確かにボクにもそう見えました。あの月、想像の十倍くらい動きが速いですよ」


「動きが速いなら、拘束するまで……!」


 エルメスは土の槍レイギルモアを掲げて、周囲の土魔分子とレイギルモアを共鳴させる。


 世界樹ユグドラシルの加護を受けたこの槍なら、自由に地面を作り変えることができるのだ。


 地面で月の四方に壁を建て、壁から杭を飛び出させて月の表面に突き立てる。


「シグレさん!」


「うん!」


 エルメスに名前を呼ばれた時雨はすぐに武器を構え、拘束された蜃気楼の方へ攻撃を行う。


「レイギルモアと力を合わせるなんていつぶりだろうね! 行くよフレイマギア・灯火ッ!」


 時雨の放った矢は名前の如く眩く輝き、薄暗い霧の中を照らしながら蜃気楼の精霊へ向かう。


 月の弱点を確実についた一矢はそのまま表面に突き刺さり、追撃として爆発を起こす。


 苦悶の表情を浮かべる蜃気楼の精霊は次の瞬間、霧ではなく[漆黒の煙]を吐き出し始めた。


 煙の中にはキラキラと煌めく粒があり、爆発の黒煙ではないことはすぐにわかった。


 それはまるで、夏の空に浮かぶ天の川のような……。


「これは……ッ! 皆さん、吸ってはいけません! 強い幻覚作用の……ああっ、静紅さん!」


「うっ……あ……」


 六花の能力の解析が数秒遅かった。


 私を含めた数体がその黒煙をすでに吸っており、次々に意識を手放し倒れていく。


「フレデリカさん、しっかりとしてください! エルメスさん、時雨さんも!」


 意識を失う直前、六花に抱えられたような気がしたが、それを知覚するよりも先に私は気絶してしまった。

 蜃気楼の精霊ホウライは直径25m程度の大きな精霊です。


 精霊といえば大体が人型サイズなのですが、ホウライのような人外型は大きいものが多いです。


 さて、だらっと書き続けて40話経ちましたが、あんまり完結の目処が立っていない!!!

 

 蜃気楼の精霊ホウライとの戦いは一体どうなるのか!


 それと動物の仮面を持つ集団:カーソルノイツとの決戦はどうなるのか!


 全ては未来の作者が知っている!!

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