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第1141頁 いざ海国マリンへ

「お師匠様、愛してます」「静紅さん、大好きですよ」


「……うん、分かった。分かったからちょっと離れてくれないかな!?」


 ルリ、ティア、アルトリアの三人が一足先に出航してからしばらく。


 そろそろ私達もフィンブルを出てウォルロ・マリンへ向かおうとしていたとき、それは起こった。


「はっはっは! 私の方が速く想いを伝えられました!」


「何を言ってるんです、ボクの言葉の方が重みがあるんですよ!」


「いいからどけー! 作業の邪魔でしょ!」


 パフィからもらった物資を船の倉庫に積み込む中、どういうわけか六花とフレデリカは頻繁に私に愛の言葉を囁いてきたのだ。


「時々なら凄く嬉しいけど、あんまりしつこいとアレだよ……アレだからね」


「「ドレですか……」」


 そんな私たちの会話を曲がり角から顔だけ出して聞く人物が約二名。


「ねえエルメス、もしかしなくても静紅お姉ちゃんっていつもあんな爛れた生活をしてるの……?」


「う、うーん、どうだろう……今日は一段と二人が積極的な気もするけど」


 その人物とは時雨とエルメスだ。


 二人は意外と仲が良く、何より英雄が所持していた聖具メロディアム・ウェポンの所持者のため一緒にいることが多い。


 エルメスが執筆している旅行記を時雨が読んでこれまでの足並みを学んだり、反対に時雨が百年前に出会った人や行動を共にしていた人の話をエルメスに聞かせたり、二人はいつの間にか心を通わせる友人になっていた。


「さてっと、荷物はこれで最後かな」


 現在のメンバーは私、六花、フレデリカ、蜜柑、結芽子、エルメス、時雨の七名。


 ルリ、ティア、アルトリアとは後々合流するとして、これから私たちはウォルロ・マリンへ向かう。


 オラシオン教団との決戦に向けて、私たちは戦力を増やし、整える必要がある。


 そのため国全体として戦力が高く、武人たちが住まう国ウォルロ・マリンへ向かうのだ。


 可能であれば人類最強と呼ばれるシノノメの協力も仰ぎたい。


 出航の合図として帆を張りながら、六花は感慨深そうに口を開いた。


「ようやくウォルロ・マリンに向かうなんて……名前は何度も聞いているし、王様とも関わりがあるというのに実際に行くのは初めてです。桜や団子が存在するかなり和風の国と聞いています、すごく楽しみです」


「そうだねえ、日本人としてこの世界に来て和の文化に触れることは無かったから、なんだか感慨深いものがあるね」


 帆が風を受けて広がり、船が動き始める。


 世界樹を救った英雄として、一応だが私たちはそれなりの名声を得ている。


「いってらっしゃいませ!」「頑張ってねー!」


 フィンブル王国の国民に見送られ、私たちもそれに手を振って返す。


「パフィー! ありがとー!!」


「こちらこそ本当にありがとうございますですわ! 感謝してもしきれません! また必ず会って、そのときは一緒にお菓子を食べましょう!」


 はしゃぐパフィの横で、セバスは軽く会釈をして微笑んでいる。


「いってきます、ユグドラシル」


 最後の一つ、世界樹ユグドラシルに向けて小さく挨拶をすると、肺に大きく空気を取り込んで腕をあげる。


「いよーし、海国ウォルロ・マリンを目指して出発だ!」


 推定日数は三日程度。


 ゆったり釣りでもしながら航海を楽しむとしよう。

 


 最新話を追ってくださっている方、大変お待たせ致しました!


 総集編執筆期間が終わり、遂に新章突入!


 第23章 サクラサク・スピリトーゾ編開幕です!!


 舞台はウォルロ・マリン、神社や桜、団子がある和風の国です!!

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