第21-2頁 縮まらない心の距離
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どれくらいの時間が経ったのだろう。
なんだかんだでルカの好感度は取り戻し、空いた隙間を埋めることに成功したが、王都へ向かう時もそうだったけど、やっぱりなんにもない。
あるのは土がむきだしの道路と道の端から地平線まで永遠に続く草原だけ。
それと雲ひとつない晴天だ。
もちろん散歩とか景色を見に来たのだったら百点満点の景色だけど、心情も状況も景色を楽しめるような状態じゃない。
キノコタンの森からのSOS。
何も無いのにそんな信号を出すわけが無い。
ってことは緊急事態ってことだよね。
「ルイス達は大丈夫なの……?」
「分からない……でも大丈夫なの。ルイスさんはルカが知ってる中でも結構強い方だし、サユリ様にいつも頼られてるの。大丈夫、ルイスさんは強いから安心するの」
マジか、ルイスってそんなに強いのか。
そう言えば私、ルイスが戦ってるところ見たことないかも。
「うん、分かった。ファールもいるしね! 大丈夫だよ、ありがとうルカちゃん!」
私は彼女に礼を言った後、ずっと気になっていたことをルカに聞いた。
「ルカとルナは何の役目でこの戦いに参加してるの? メイドって屋敷の掃除とかの仕事があるんじゃないの?」
「ルカとルナは近衞騎士の中でも強い方なの。国最強の魔法使いー、なんて言われたりもするよ」
まさかのバトルメイド! しかも最強クラスかよ!
「そっかあ、すごいんだね二人は」
「自分で言うのもアレだけど、結構有名な方なんだよ? ルカたちを知らないなんてどんなに田舎の村から……」
「あ、あははは……ナイショ」
さすがに日本から来たんだ、なんて気軽に言えないからな。




