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第1090頁 花園にもハロウィンがやってきた

連続投稿は途切れましたが、昨日投稿できなかった分と今日投稿する分はしっかり投稿しますよっと!


『ぐああああっ!!』


 かぼちゃを被った巨大な人型の魔物は、ルカとルナ、ベルアの攻撃を受けて悲鳴をあげた。


 近衛騎士団最強の魔法使い、神託の巫女の攻撃を受ければどんな魔物も即死するのは至極当然のことだろう。


 エーテルは岩の裏に隠れて爆風を避け、しばらくしてから顔を出した。


「倒した……の?」


「ええ、終わったわ。出てきても良いわよ」


 エーテルが駆け寄ってくる中、ルナは姉のルカと言葉を交わす。


「姉さん、これは……」


「ウルフの突然変異かと思ったけれど、それにしてはタイミングが完璧すぎるなの。偶然とは思えないの……」


「何よ辛気臭い顔して。目当ての素材も落ちたんだし、無事に倒せたしで良かったでしょ」


 魔物が落としたボロ布や皮を回収し、ベルアはそれを担ぎ上げた。


「まあ、それもそう」


「せっかくのハロウィン、楽しまなきゃ損だよね! また魔物に遭遇する前に、はやく王都へ帰るなの!」


 期間限定で発生する生物。


 その季節のみ発生する生物は居るが、それに近い感じだろうか。


 ルカとルナはしばらく思考した後、今はまだ解決できないと判断してハロウィンを楽しむことにした。



・・・・・



「ハッピー」


「ハロウィーーーンっ!!」


 成れの果てたちが住まう[約束の花園]にも夕闇のハロウィンは訪れる。


 いつもは晴天のこの花園も、今日から向こう一週間はずっと夜だ。


 狂愛心の成れの果てフォルエメと好奇心の成れの果てキュリオスはハロウィンの挨拶をするが、その声に返答する者は居ない。


「やかましい……せっかくのハロウィンシーズンなんですから、もっと優雅に過ごしましょうよ」


 いつもは自室で籠りっぱなしの不眠症の成れの果てインソムニアも、この期間は庭に出て作業をしている。


 また誰よりも凝った衣装を身につけており、傍から見れば一番楽しんでいるように見えた。


「トリックオアトリート」


「お菓子くれなきゃイタズラしちゃうよ!」


「イタズラァ? ハッ、出来るものならやってみれば良いです。イタズラの質によっては……」


 インソムニアの言葉の途中、異様に焦った様子でペルソナがやってきた。


「ちょっとニア! これどういうこと!?」


「そろそろ来る頃だと思っていました。期間限定の魔物についてでしょう?」


「分かってるなら説明して!」


 ニアは気だるそうに両掌をあげると、ため息をついて。


「期間限定の魔物を出現させるようにしたのは私です。クリスマス、ハロウィンと何かとお祭り騒ぎするあの世界。そこに賑やかしを一つプレゼントしてあげたのですよ」


「でも今更、新種の魔物なんて……」


「ソシャゲだってハロウィン限定クエストと銘打ってカボチャのモンスターと戦う機会があるでしょう、それと同じです。ちなみに既存の生態系には一切影響しないので安心してください」


「なんだ、影響しないのね……ならそこまで焦る必要もない、か……」


「私だって馬鹿ではありませんからね。外来種が在来種を食い尽くす、なんて事例は何度も見てきましたから。フォルエメさんが数を調整してやっと実現している理想の生態系を、わざわざ破壊するなんて馬鹿な真似はしませんよ」


 パンプキンシチューを一口飲み、息を吐いたニアは自慢げに続ける。


「期間限定の魔物は体長こそ並ですが、強さはあの巨大魔物たちと肩を並べるほど……ふふ、見た目より数倍強いアイツに苦戦する方達の顔が楽しみですよ……ハハハッ!」


「……あっ、それならさっき瞬殺されてたわ」


「ハハハッ……ハッ!? 瞬殺!?」


「まあシステムみたところ数時間に一回リセットされてもう一度現れるみたいだし、いいじゃない」


「意外と戦闘デザイン凝ってたんですよ? 一定ダメージを与えたら形状が変化して……」


「……あっ、もう一撃で体力全部吹っ飛んだから形状変化もクソもないわよ」


「そんなああああ……」


 項垂れるインソムニアに、フォルエメは無言で背中をさする。


 長時間かけて制作した自信作だったらしいが、あっという間に瞬殺されてかなり落ち込むニアなのであった。


連続投稿2日目!!


静紅「さて、今日のあとがきはペルソナに来てもらったよ」


ペルソナ「自己紹介……はいらないか。ええっとクソ作者が毎日投稿を途切れさせたらしいわね」


静紅「まあ毎日続けていたものが途切れるって悲しいことだけど、心機一転するきっかけでもあるからね! これから頑張っていきましょいってことで!」


ペルソナ「相変わらずポジティブねえ……」


静紅「ペルソナとこういう場所でも話せるのが嬉しいからね! 時雨の友達ってこともわかったし、これからも仲良くしてね?」


ペルソナ「約束はできないけれど、まあ気が変わらないうちは、ね」


静紅「あはは、そうですか。ペルソナは昔から何か続けてることとか、日課にしてることはある?」


ペルソナ「うーん、毎日の散歩は欠かさずしてるかしら。やっぱり健康って大事だし」


静紅「まあそうだよねえ、人間って日光浴びなきゃダメだよ……散歩は何分くらいするの?」


ペルソナ「大体10分くらいよ。短いかもだけど、花園を一周するにはちょうど良いくらいの時間なのよね。世界のイベントを考えたり、新しい魔物のアイデアなんかを考えながら歩くの」


静紅「へえ、世界のイベントか。たとえばどんなの?」


ペルソナ「んー、言える範囲なら、龍がとある街を襲うとか、盗賊団が竜車乗りを襲うとかね」


静紅「なるほどねえ……竜車乗りの知り合いが数名いるから、色々複雑だよ」


ペルソナ「大丈夫、静紅の知り合いを意図的には殺したりはしないから。意図的には。大事なことだから二回言ったわ」


静紅「まあそうだよね、ジャンヌの時も警告してくれたもんね。やっぱり優しいんだよなペルソナって」


ペルソナ「褒めても何も出ないわよ。まっ、せいぜい研究のために頑張ってちょうだい」


静紅「私は私なりに生きるだけだよ。それがあなたたちに仕組まれたレールの上でもね」

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