終わりの始まり。
俺は、「新山 尚」高校2年。
毎日サッカーばっかりのサッカー馬鹿!
そのせいで、今まで、女の子と付き合ったこともない。
今はサッカーが恋人だ。
好きな子はたしかにいるけど、今は考えない様にしている。
「おい、尚くーん。今日も気合い入って
るねー。」
小学校から幼馴染の「秋山 隆」
こいつとは、ずっと一緒にクラブチームでサッカーを頑張ってきた、戦友ってやつだ。
高校でまさか一緒になるとは、思っていなかった。
しかも、絡んでくる内容がたまに面倒くさい。
「見てみろよ、尚君。今日も君のこと
を応援している女の子達が一杯、来
ているよ。」
正直、このやり取りも何回目だろ。
「今は、サッカーだけでいいよ。」
すると、隆は、何かを見つけたみたいで、俺に凄い勢いで言ってきた。
「おい!あの子、川島 綾じゃん!」
「あの子、学年でNo.1の子やないか!」
その位知っている。俺が好きなのはあの子だから。
むしろ、あの子とは幼稚園から一緒だったから。
「尚、あの子が見にくるなんて凄いこと
だぞ!
お前のこと好きなんだよ!付き合えよ」
「隆、別に俺を見に来てるて、決まった
わけじゃないだろ。」
「いや、絶対お前を見に来ている!」
隆は何故こんなに、自信があるのか、わからない。
「いいよなーモテる男はは!」
「見てみろよ、校舎から1人で見てる子もい ぞ」
俺もその校舎から見ている子のことは、気になっていた。
いつもあそこから見ている。
でも、遠くて、顔まではわからない。
「あーあ。モテる男はほっといて練習!
練習!」
隆はまた、俺を馬鹿にするだけ馬鹿にしてグラウンドに戻っていった。
そして、部活も終わり、家に帰ろうとしていると、後ろから、急に女の子が、
「見てくれてたんだね!」
俺は、びっくりし、後ろを振り向いた。
そこには、川島綾が居た。
「ねえ、尚君、話があるんだけど、時間
ある?」
特に何もなかったので。
「大丈夫だけど。」
そう、俺が言うとしばらく、2人で歩き、
カフェに入った。
何故か自然と、話すことごできた。
なんでも川島となら話すことが出来た。
すると川島が急に黙った。
そして、一呼吸すると、
「尚くん、もしよかったら私と付き合っ
てください!」
俺は、あまりの急なことにビックリした。
でも、断る理由がなかった。
だって、俺も好きだったから。
「よろしく、お願いします。」
人生で初めて、彼女が出来た瞬間だった。
ただ、初めてぐらい、自分から告白したかった。
すると、川島からビックリすることを聞いた
「えっ?隆が?」
どうやら、隆が川島に吹っかけたらしい。
部活が終わったあと急に川島の所に来たと思いきや。いきなり。
「なぁ、お前尚の事好きだろ?」
川島は素直にうなずいたらしい。すると隆が。
「あいつも川島の事好きだよ。俺には
解る!」
「でも、あいつ、あんなのだから、絶対
告白なんか出来ないからさ、川島から
言ってやってくれよ?!」
俺はそれを聞いて、なんてアイツは無茶なことを言うんだと思った。
それよりなにより、隆の後押しだけで告白してきた川島が一番すごいと思った。
それからさらに2時間ほど、カフェで話をした。
なんか、とても楽しかった。
その日、俺は川島を家まで送り、家に帰った。
なんか幸せな気持ちだった。
次の日、学校も休みだったから、遅くまで寝てしまい、目が覚めると、お昼だった。
ふと、携帯を見てみると、何故か隆から着信が、10件もあった。昨日家に帰ってすぐ寝てしまってマナーを解除するのを忘れていて、気づかなかった。でも、俺はそれを見て多分、川島とどうなったかを聞こうとこんなに掛けてきたんだと思った。しかも、メールが二件来ていた。
電話を諦めて、メールしてきたなと、勝手に思い込んだ。
でも、一応見ておこうと思い俺は、メールを開いた。
しかし、その内容は俺の創造とは全然、違っていた。
「尚、こんな夜中にごめん。
俺、誰かわからないけど、狙われてる。
2時間も逃げっぱなしで、もう限界だ。」
二件目のメールに。
「尚、俺解ったよ。
あの時、気づけばよかった。
あの違和感を。もし俺の、考えが間違っ
てなければ 俺が 」
二件のメールは途中で終わっていた。
すると隆の家から、俺の家に電話が掛かってきた。
隆の母親からだった。
話を聞いた時、隆からのメールが本当だったとわかった。
今朝、隆の家からかなり離れた場所で、
全身をズタズタに切り裂かれた隆の死体が見つかった。