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異世界へリストラ!さよなら現実、こんにちは異世界!(仮)  作者: hiko,t
第2章 ここは王都の下町、フォルス町
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2ー1 お散歩

よろしくお願いします。



自分が住むこのフォルス町は昭和の下町的な雰囲気が有って、このおっさんには仲々住み易いですね。それに住民達も皆いい奴ばかりです。

なんでも昔は近くに軍の大きな施設が有ったらしく、そのおかげでこの辺りは王都で1番賑わっていた事もあったそうです。

しかし軍の施設が移転した為に少しづつ衰退して、今では当時の1/4程度の住人や店舗しか残ってないそうです。ですがこの話をする町の皆は、最後には『今くらいの方が丁度良い』とも言ってますね。

そんなフォルス町に住み着いて3ヶ月。よそ者にもかかわらず温かく色々と構ってくれて、今ではすっかり町の一員として馴染んでます。

…正確に言えば馴染み過ぎてると言ってもいいかもしれないけど…

もちろん原因はミケとトモエ。

妙にフレンドリーな喋る魔獣として町の皆に認識されていて、子供から老人まで大人気。町のマスコット的な存在に成りつつあるのです。

ミケが調子に乗ると、というか既に調子に乗ってますが遠く無い未来にミケの銅像でも建ちそうな予感がビンビンにします。


で、今はミケとトモエ(大ver)と一緒に町中を散歩中です。

ミケ曰く『ご町内パトロール』だそうです。パトロールルートには必ず魚屋が入るのは言わずもがなですね。

町を歩けば多くの人達が話しかけてきます。


「あら、ミケちゃん。いつも可愛いわね〜」


「やあ、おばちゃん!当たり前だけど照れるわね!」


「ついさっき活きの良いのが入ったから見てくかい?」


「ゴメンね魚屋のおばちゃん!今日は後で寄らしてもらうわ!」


などと買い物途中のおばちゃんや魚屋のおばちゃんと話すミケ。そして道の向こうからワラワラと子供達がやって来て


「トモちゃ~ん、乗せて乗せてぇ」


「トモちゃん、公園で遊ぼーよー」


「ミケちゃんモフモフ~」


「あっ、トモエだ! トモエ、サッカーしようぜサッカー!」


「みけしゃ~ん、ともちゃ~あちょんでー」


などと言いながらミケやトモエに群がります。

ペタペタと身体を触ったり抱っこしようとしたり、中にはトモエの尻尾から背中へよじ登ろうとするヤンチャな子供がいたりして賑やかになります。

トモエは子供達と遊ぶのが大好きで、尻尾に掴まっている子供を落とさないように尻尾をゆっくり振って喜んでいます。

ミケは『ちょっとダメよ!レディーへの抱っこはお姫様抱っこよ!』などと言ってますがミケはツンデレビーストなので喜んでいると思います。


「じゃあ~、トモちゃんと遊ぶ子は~公園に行くよ~。ナツく~ん、チョッと征って来るね~」


…トモエよ公園に行くんだよな?何処へ征こうと?…まあトモエもあれでシッカリしてるから大丈夫だろう…多分…きっと。


「こらッ!マーク!1人で行くんじゃ無いの!ちゃんと妹の手を繋いで公園に行きなさいよ!」


と妹を放って置いて公園に行こうとした男の子を叱るミケ。そして妹の小さな女の子の側へと『しょうがないわね!』と、ため息混じりに近寄りモフモフされるがままになっている。

ミケはこう見えて優しいのですよ。ゴロゴロゴロニャ~なアニマルなのです。


さて、この様に人気なミケとトモエ。

そして……………自分の事は聞かないでください。解ってるんですよ?自分はモフモフ成分持ってませんし?気安く話し掛けられそうなキャラじゃ無いですし?どうせ中身40オーバーのボッチなおっさんですからねッ!…………でも優しく挨拶してくれる人もいるんですよ?脳内じゃ無くてリアルに…………


「ナツオちゃん散歩かい?」


ほら!ねっ?この町の人達は気の良い奴が多いんですよ。顔見知りの八百屋のおばちゃんが声を掛けてくれました。


「ええ、ミケやトモエと一緒に散歩中ですよ。」


「ナツオちゃん!いい大人が昼間からぶらぶらして何やってんだい!仕事をしな!仕事を!額に汗して働かないでお天道様に申し訳無いと思わないのかい?そんなんだから、いい年して彼女の1人もいないんだよっ!」


「………………………」


…説教でした。それにグサっと来ました。


こんな感じで日々フォルス町で生活しています。







お読み頂きありがとうございます。

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