1ー18 計画
よろしくお願いします。連続投稿になります。
4つの勢力の代表は予想以上に高位の人が来てくれました。
ヴィラント商会からは現商会長のエリック氏と先代商会長のロデリック氏のツートップが。
教会からは世間的には上から5番目だが、教会騎士団50名を率いて実質No2の枢機卿でもあり大司教のハレイヤ氏自らが。
王国の政務を取り仕切る宰相派閥からは、宰相であるブランシュ公爵家の家宰で宰相の懐刀と目されているリックハルト男爵が。
そして領地がビクタール子爵領に隣接し水面下では政敵となっているクレセント伯爵自らが。
取引先が役員を連れて来て商談しても大丈夫だと安心していたら、経団連の重鎮と大物官僚と有名政治家、そして官房長官子飼いの有名知事が来た感じでしょうか?ヒゲダンディー張り切り過ぎ。
計画内容は誓紙の宣伝の為にも特級誓紙を使用してもらい観てもらっている。前回ヒゲダンディーと会った時に録画したものだ。
もちろん万が一、他に見られるとマズイので固有名詞は『さる貴族が…』とか『とある商会に…』になっているし、直接的な言い回しはしないで『退場して頂く…』とか『天罰が…』などと遠回しな言い方になっています。
計画としては、まずヒゲダンディーを含めた6人で子爵と面会する。
面会目的は誓紙を作っているマナカ村視察の為に子爵領に来たので、そのご挨拶という建前。
子爵はマナカ村で誓紙が作られていた事を知らないので、詳しい事を聞いてくる筈。
その時にクレセント伯爵が
『実は、我が伯爵家一族に居るエルフの血を引く者の所へ、マナカ村に住むエルフから相談がありまして…』
とバカ孫達の話を切り出す。話の内容は次の5点。
• 商会が特産品を、まともな値段で買ってくれねぇ、6割引って何だよ!大阪のおばちゃんだってそこまで値切らんワ!
• 税がなければエルフを出せばいいじゃない!と某国王妃のようなセリフを言われたんだけど…
• これってアナタの所のバカ孫が関係がしているザマス。
• 偶然立ち寄った旅人が助けようとしている…もちろん有料だけどナニカ?
• 買い手を紹介したけど、もちろん文句なんか無いよなコラ!
などを貴族らしい言い回しで述べる。
そして共に話を聞いている教会のハレイヤ大司教が
『精霊の愛し子でもあるエルフに対し何と…』
と言えば宰相派のリックハルト男爵が
『これは種族間問題になり得る由々しき問題…』
などと政治家の揚げ足取り的な発言で援護ミサイルを発射。
そう言われれば子爵はスグに調べるしかない。
子爵が調べてる間はマナカ村に視察に行くという名目で村を守り証拠隠滅や村に対する裏工作を阻止する。
後日、事実が判明すれば子爵は大弱り。落とし所を捜すべく即座に4勢力と話し合いに入る筈。
ここで伯爵が
『我が一族のエルフの血を引く者を子爵の孫娘の婿にどうか?』と言い、宰相派は
『これでエルフ族に対してのケジメになりますな』と援護射撃。トドメは教会が。
『件の孫の父で子に対して責任がある御長男殿には、蟄居するという事で教会で預かりましょう。』
と、勝手に次々と決めていく。この状況でこのメンバー相手に子爵に出来ることは無いのだから。
貴族とは隙を見せてはいけない生き物なのである。
誓紙に関しては宰相派、教会、ヴィラント商会、村長、自分、VS バカ孫、子爵家家宰、セルビア商会、が後日話し合いをする事になっている。
バカ孫とセルビア商会の運命は既にカウントダウンが始まっている。
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