こんにちは異世界
よろしくお願いします。
「…林、いや森か?」
ゲートをくぐった先は森の中の獣道ようだ。姉達から『もう少しリアクションしたら?』と言われるも周りを確認しても森は森だ、それ以外に言いようがない。
姉達は神の使いから天使に昇格できたのに自分を心配して、立場を捨てて付いて来てくれた。とても嬉しくありがたいと思う。その気持ちを素直に姉達に伝えたら
「べ、別に夏生の為じゃ無いんだからねっ!」
という長女のツンデレな言葉と
「わたしはナツ君が〜、心配だから付いて来たんだよぉ〜」
次女ののびっのびな緊張感の無い言葉をもらった。
「…姉さん達、ありがとう。」
40過ぎのプライベートボッチは素直に感謝の言葉が言えるのだ。
神の使いの姉達も他所の世界の事は詳しく無いようで、まずは人の居る所まで行き情報を集め、生活し易い場所を拠点にさらなる情報を集めながら今後のビジョンを考える。それが自分達の異世界生活第1段階だ。あの世界に引きこもる事も少しは考えたが、このおっさんはニートでは無いのだ。世知辛いサバイバル様な世の中をサラリーマンとして未だに生き残っていて、人生守りに入ってるちょっぴりお茶目な中間管理職なのです。
周りからは危険な気配は感じない。
いくら神様から微妙な恩恵をもらったからといって安全第一、命だいじにの精神で移動は素早くだ。姉達と獣道を下り方向へ歩いて行く。
神様からもらった恩恵は、この世界の一般冒険者位の身体能力と魔法やスキルの上昇率向上、それと若さなどである。といっても西暦2000年の姿、すなわち27歳の身体だが…。どうせなら20歳か10代にと思わないではないが40越えたおっさんには20代は十分ピチピチである。だから腹八分目的満足。
あとは、色褪せた時間が止まった世界には能力を使えば何時でも行けるみたい。ただし自分の能力が低い為、姉達に手伝ってもらわないと自分一人では行けないし、あの世界も今はM市だけしかない。自分の能力が上がれば最大で日本全てがあの世界に現れるみたいだから、姉達に頑張ってもろうと思う。姉頼りで情けないがそれが現実だ。40越えの中間管理職にもなると出来ない事は人任せ、出来る事でも誰かを頼り上手くやれないと不況時代のサラリーマンとして生き残れ無いのである。だってしょうがないじゃない、係長なんだもん!
それと、あの世界にある物は触って動けと念じれば普通の状態に戻る。とても便利で今後役立ちそうだ。チート万歳!
お読み頂きありがとうございます。