表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/32

1ー14 夜は温泉

よろしくお願いします


皆で色褪せた時の止まった世界に来ています。

このM市は見えない謎バリアーに囲まれていて、M市の外側は霧で霞んでいる様な感じで全く見えません。

そんな謎バリアーぎりぎりの所に大きな施設が有り、今はその施設に入ったところです。

そう、疲れた体を癒すべく温泉に入る為に健康ランドに来ているのです。日本人なら疲れたら足を伸ばして大きな温泉の湯に浸かりたいですよね。


異世界に行く準備をしている時は駅前のホテルも使っていましたが、風呂の種類も多く、何より湯船などが広くトモエが大きい状態で入れるので主にここの健康ランドを拠点として行動していました。

あれこれと持ち込み手を加え、もはやこの健康ランドはミケ、トモエ、自分の我が家状態です。


風呂場の入り口は2つで以前は『男湯』『女湯』と書かれていた暖簾の文字は『漢!』と『獣!』に変えてあります。ミケとトモエは獣の方へ入って行きますが何故かダメルフちゃんとミーメちゃんが自分に続き漢の方に付いてきます。


「…こっちは男湯の方ですよ?」


「え!?…てっきり、人はこっちで彼方(あちら)がミケ殿トモエ殿専用かと…」


ダメルフちゃんの勘違いも今迄の自分達姉弟の言動を見てれば仕方ないと思いますが…


「…もしかして、愚息装着靴下(ポールソックス)をまた見たいからではないですよね?」


「ポー!?って違います!」


「まあ冗談は置いといて、2人には向こうでミケ達と一緒に入って来てくださいね。…それとリリラルちゃんにお願いがあって……」


「!!…は、初めて名前で呼ん……う、うれしいかも…………」


「…風呂でミケとトモエの世話をしてほしいのです。お願い出来ますかリリラルさん?」


「!!さ、さん付け!……☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆……わかりました!おまかせを!!」


鼻息荒く出て行くダメルフちゃん。このバカ、チョロ過ぎ。

自分達のやり取りを観察する様に見てたミーメちゃんも小さく頭を下げてから出て行った。


…………ククク、あのビースト2匹と風呂に入るのがどんなに大変な事か。

デカくなったトモエをデッキブラシで洗うのは物凄い重労働だし、ミケは猫なので全身毛で覆われてるくせにボディーソープとシャンプー、そして洗顔ソープを使いわけろとか訳のワカラン我儘なこと言うし、さらには

『私のラブリーなピンクの肉球は豚の毛を使ったブラシで慈しむ様に洗いなさい!』

などと理不尽極まりないのだ。

…ダメルフちゃんよ、俺の為に犠牲になってくれ、南無!

………フフ、中間管理職のおっさんは理由が無いと優しくはしないのだよ。


…中間管理職が急に褒めたり優しくしだしたら注意してくださいね?絶対に何かありますから!マジでデンジャラス。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



お風呂タイムも終わり、ミケは『美容に悪いから』と部屋に眠りに行きました。

トモエは大広間にあるホームシアターを使って映画鑑賞するそうです。

自分も誘われましたが、ダメルフちゃんをスケープゴートとしてトモエに差し出しました。ちなみに今日は懐かしのターミネータ2を見るそうです。連れて行かれたダメルフちゃんは朝までに戻れるでしょうか。ダッダダッダン、アイルビーバック!って感じですかね。


自分はロビーの休憩スペースで風呂の余韻に浸りながらまったりしています。

そこへミーメちゃんがやって来ました。健康ランドの室内着の薄いピンク色した甚平を着て手には飲みかけの牛乳の瓶。髪はまだ湿っていて、そして肌はほんのりと上気していてちょっぴりエロイ感じがしますな。美人はどんな格好しようと似合いますね。


「少しいいですか?」


ミーメちゃんから話しかけられた自分は、テーブルを挟んで向かい側のソファーを無言で手で指し勧めました。


「…ここは凄い所なんですね。約束なので他には絶対に言いませんし、これ以上あなた達の事は聞きませんけど…本当に凄い世界なんですね。」


「約束についてはお願いしますね。…まあ、異世界人(あなた達)から見れば凄いんでしょうね……」


「それにナツオさん自身も、私がびっくりするくらい冷静に状況を観察しています…」


やっぱりミーメちゃんはきちんと観察してますね。それに頭も良さそうだ。


「…解らない事が多いですからね。でもミーメさん(・・)も静かに状況を観察してますよね。」


「…………聞いてもいいですか?」


「答えられない事もあるかもしれませんが、どうぞ」


「なぜ、マナカ村に手を貸すのですか?」


「…自分達の利益になると思ったからですね、金の匂いを感じたんですよ。」


ミーメちゃんには正直に話した方が良いような気がした。

なにかボタンを掛け違うと、とんでもない事になりそうな気がするのですよ。ここで選択を間違うとスクール○イズの○葉みたいにヤンデレルートまっしぐらで猟奇殺人かMAD自殺みたいなね。

…エロゲはPCプレイ派です。家庭ゲームに移植されたエロゲはオカズになりませんからね。


「…あっさりと本当の事を話すんですね。取り繕ったりはしないんですか?」


「ん〜〜、ミーメさん(・・)にはストレートに言った方が良いと思うから、かな。」


「…では、その利益が相手に付いた方が高い場合はどうするのですか?村を裏切りますか?それとも…………」


…ギャルゲーのルート選択が難しくなってきた感じと表現すればいいでしょうか?なんか困りましたね…………




お読み頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ