1ー13 涙と巫女
よろしくお願いします
展開が遅くてごめんなさい。
マイヤーズ氏との長い話しも終わり、子供なら寝ているだろう時間に自分とミーメちゃんは宿に帰って来ました。
部屋に入るとダメルフちゃんが床をモップでゴシゴシと磨いている最中でした。
「姉貴、姉ちゃんただいま。……アレ、何やってるの?」
親指でクイッとダメルフちゃんを指差し聞いてみる。
「おかえりナツオ。ああ、アレね……ナツオ達が出掛けた後に色々あったのよ、色々と……」
ミケがため息を吐きながら答えてくれる。色々あった割には怒って無いミケは珍しい。何があったのか?
「おかえりナツく~ん!アレはね~、ジョバジョバで乙女の秘密なんだよ〜」
「「……………」」
理由を察した自分とミーメちゃん。…トモエよそんな擬音を言ったら乙女の秘密も丸わかりだからな?
ダメルフちゃんに皆の視線が集まります。
怒りを通り越してギャラクシー級残念な子を発見して呆れかえっているミケの視線。
『本当にこのままリリラルと友達でいいのかしら?』というミーメちゃんの視線。
『ダメルフちゃ~ん、乙女の秘密は守ったよ〜!』と、尻尾をフリフリちょっぴりドヤ顔のトモエの視線。
理由が解って『オマエ、ナニヤッテルノ?』という自分の憐憫の眼差し。
じィぃぃぃーーーーーーーーーーーー ×4
「…み、見るなぁ~!!見ないでくれェ~~~~~~~~~」
「………………………………………」
「ーーーーーーーーーーーー」
「…………………」
「ーーーー」
ミケに目をやりアイコンタクト。自分が頷けばミケも頷き返してくれた。
「情報収集は終了。ファーストコンタクトもしたから、次の段階に移行するよ。」
「今回のこの街での仕事は終わったわね!じゃあ…」
「「 臭うから速やかにこの部屋から撤収~!!」」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
……ダメルフちゃんはもう一度泣いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ダメルフちゃん達の村の名前はマナカ村と言います。
夜も遅かったですが街を出てトモエに乗って爆走しながらマナカ村へと向かっていました。
しかし、さすがに眠くなってきたのかトモエの走りがフラフラとしだしたので森の中で休む事にしました。トモエの居眠り運転で何かあった場合、車にあたるトモエは何とも無いかもしれませんが背中に乗ってる自分達は一撃昇天です、危ないです、死んでしまいます!
道交法が無い異世界でも居眠り運転は危険なのです。
ミケにあちらの世界の扉を開いてもらいます。
ダメルフちゃんやミーメちゃんもいるけど、ミーメちゃんは秘密は必ず守ると"精霊の巫女の誓い"までしてくれたので、とりあえずは信用する事にしました。
なんとミーメちゃんは巫女だったのです。精霊を崇めるエルフ巫女はシャーマン(呪術師)的なモノのようで宗教とは少し違うと教えてくれました。
普段は精霊魔法で村人の治療や薬を作って売る事で収入を得ているそです。また、精霊魔法や薬学、村の伝承などを研究して書物として残す作業もしているようです。
…しかし疑問が残りますね。そんな優秀な巫女のミーメちゃんが、なぜメイド服を着てエルフキャバクラにいたのでしょうか?色々な妄想で萌えるシチュエーションではありますが…。
あちらの世界の事で、ダメルフちゃんに関しては大丈夫です。
一応口止めはしましたが激烈おバカなので絶対にポロッと話してしまうと思います。ガチで確変状態ってヤツですね。
ですが、ある魔法の呪文を唱えれば超・安・心!それは…
『バカの妄想で戯言なので気にしないでやってください。とっても残念な子なんです。』
…おそらくは異世界で初めて唱える魔法詠唱になりそうな予感がビンビンです。
今日は本当に色々あったので疲れました。お風呂に浸かってゆっくりと休む事にします…
お読み頂きありがとうございました




