1ー11 街の宿にて
よろしくお願いします
今は子爵の城の有るザラスの街の宿屋の1室に皆が集まっている。
あの後トモエに乗って出発。森を多少破壊しながらもショートカットで森を抜け街道を爆走したおかげで、日が落ちる前にはザラスの街に入ることが出来た。
街に入る時にテンプレは起きなかったがトモエが大型魔獣扱いで入場料が80セニ(8000円)取られたのがイタかった。
ミケは入る前まで『神・入・場!』とかまた言ってたので『神の入場料って激高かもしれないから、ちゃんと個人で払ってよ姉貴。』と言ったらビクッとなって冷や汗1つ。
そして『……ニャ〜…』と猫語で返しておとなしくなったのでペット扱いで入場出来ました。ちなみにペットは無料でした。
そして自分が指名したキャバ嬢!…では無く案内役として付いて来てくれた美人エルフさんのミーメちゃん。
ミーメちゃんの紹介で村に住む住人の友達がやってるという宿屋に来ています。いつもなら村の出身者がやってる宿屋の方に泊まるらしいのですが、ダメルフが逃げ出した経緯も有りこちらの宿に来たのです。ダメルフ、マジで使えねぇ。
「「で、何でお前がいるんだ(のよ)!?」」
「えっ!?…それは村長の娘で村の代表として…」
「あんたバカー?大事な事だからもう一回言うわよ!あんたバカなの?真性バカなの?それで死ぬの?」
「…ダメルフちゃんさぁ、あなた2日前にこの街から逃げ出したばかりでしょうが。見つかるとか思わなかった訳?」
「…し、しかし私にも何か出来るコトが…」
「無いわよ!ダメルフに出来る事なんか私の爪の先程もある訳無いじゃない!」
「それに、村長さんや叔父さんの許可は有るの?…あの2人がダメルフちゃんを今の状況で村から出すとは思えないんだけど?」
「!!………!!………」
「ダメルフ!あんたは何しでかすか解らないから拘束させてもらうわよ!ナツオ!」
「イエス!マイ・シスター!!…自分は今回あなたを指名していません。だからチェンジで!というか退場!!」
「そ、そこまでする事、ないじゃないか!な 仲 間な ……のぉ ん〜!ん"〜ん"ん"!んーーーーー!!」
両手を後ろで縛られ両足も縛られ口ガムテープまでされた状態で床に転がせられてるダメルフちゃん。
ミケ、トモエ、ミーメちゃん、自分達は食事タイムです。
宿に入る前に肉の串焼きとかトルティーヤみたいなのとかを買い込んでいたのです。
怒りの後は不思議とお腹が空きますよね!空腹は最高の調味料とは良く言ったものです。
しかし…普通怒られた側は精神的に参ってるのでシュンとしてお腹はそんなに空かないものですが、そんな事は知らんとばかりに空腹の音でゴットファーザー愛のテーマ、サビ部分を奏でてしまうバカが1人。
まったく食事中に煩いものです。
しかし、たとえアルティメット級のバカでも食事くらいは与えようと串焼きを数本皿に乗せて床に置いてあげました。自分ってば超やさしい。…超やさしい自分ですが、この時は素でダメルフちゃんの拘束&口ガムテープのコトを忘れてました(; ̄O ̄)
真っ先に食べ終わったトモエがダメルフちゃんに寄って行きます。
そういえばトモエはダメルフちゃんにボール遊びをしてもらったから多少は懐いたのかもしれませんね。
『…ん、んんンん"ン"ー…ん"ん"、ンンン"ん"んん"んんンん"ン"ン"んン"………(ホロリ)』
( 訳:と、トモエ殿…嗚呼、やさしいのはトモエ殿だけだ………(涙))
ちなみに自分達にはダメルフちゃんが何を言ってるか全くもってサッパリ解りません。まあ、解ろうとも思いませんが…
「あれあれ~?ダメルフちゃん食べないの〜?じゃあ~トモちゃんお肉大好きだから代わりに食べてあげるよ〜」
『………………………………………………』
お腹が空いてる状態で目の前で善意によって己の分の串焼きを食べられたダメルフちゃんは(◎_◎;)こんな顔していました。…哀れ。
「姉貴。自分はミーメちゃんとヴィラント商会の場所とかを確認して来るよ。もし支店長のマイヤーズ氏とコンタクトが取れるなら取る方向で行動するつもり。」
「それがイイと思うわナツオ。そこに転がってるバカのおかげでこの宿も安全とは言い難いから、時は金也よ。何かあったらトモエを向かわせるわ。」
「了解。じゃあミーメちゃんヴィラント商会まで案内してもらえるかな?」
「はい、わかりました。…あのリリ、…リリラルはそのままで良いのでしょうか?」
「拘束を解いたら色々と面倒な事になるわね!それに今より状況が悪化すると思うわよ?あなたはそう思わないの?」
「…リリラルとは友達ですが、その…残念ながら…私もそう思います。」
『ん"ーン"ー!ん"ん"!ん〜〜!!んん"〜ン!ン"ーーーん"!!!!』
( 訳:解ーいーてー!トイレに行きたい〜!!漏れるーーーう!!!!)
「さあ行こう、ミーメちゃん。…それと友達は選んだほうが良いと思うよ?」
「同感ね!全くもってそのとうりだと思うわ!!ナツオ、気を付けて行って来るのよ!」
『ん"んー!ン"んン"〜!ン"んン"〜!…ん"ん"!!…ン"ーン"ーん"ーー!…ん"ん"ーーーーーーーー!!!!』
( 訳:お願い!漏れてしまう〜!ちょっと本当に!…ああ!!…もーれーるーー!…あ"あ"ーーーーーーーー!!!!)
……リリラルちゃんの人生に幸あれ!!
お読み頂きありがとうございます




