1ー⑧ 交渉?
よろしくお願いします
覆水盆に返らず、こぼれたミルクは元には戻らない、などと色々な言葉があります。今回の場合、『出した精○はキン○マには戻れねぇー』という感じでしょうか。意味は『ヤっちゃった事は無かった事にはなんねぇんだヨ!』という事ですね。自分も会社では中間管理職だったので言葉のセクハラ、パワハラには注意していましたが、この異世界でやらかしてしまいました…厨二病とは業が深いですな。
「…あなたに責任は無い、そう言われるのですか?」
「まあ、ぶっちゃけそんな感じですね」
さっきまでの嘆く仕草から驚いた顔をしている村長。でもそれすらも演技くさい。
「教会や某子爵家の方達が動いたとしても?」
「この国のですよね?この国から出てけば関係無いのでは?それに他国からその方達にこの話しが聞こえて来た場合のあなたや村の立場は?」
まあ村長もこちらに交渉したい事が有るからアレコレ言ってるのは解るけど、そろそろダイレクトに本題を言ってほしい。じゃないとそろそろアニマルな暴君が…
「ナツオ!だらだら話してないで、さっさと貰うモン貰って行くわよ!」
ほらね?さらに…
「ナツく〜ん、さっきのセリフは鬼畜だよ〜。鬼畜言葉プレイだよ〜」
…トモエよ、なぜ嬉しそうに尻尾を振っているのか?…とまあこうなるんですよ、いつもどおりですけどね。
「そこの昭和のホストみたいなエルフ!グダグダ言ってないで払うモン払いなさいよ!私達は忙しいのよ!それに教会だかシシャモだか知らないけど、そんなものナンボでもかかって来いよ!」
まるでヤクザの追い込みみたいだな、それにミケよシシャモじゃ無くて子爵だからな?
「村長さん、ここで自分達が全て支払った場合、次はそちらが命1つ助けたとても高額な治療費を払うはめになりますけどイイのですか?」
流れに乗って自分も交渉します。強者の言葉の後は楽ですね、虎の威を借る狐ってやつです。まあミケは猫ですが…
村長もアレコレ考えているのか無言ですしここは係長だった自分が道を示すとしますか!道と言っても『1、2、3、ダァー』の人が言うような人性論ではないですけどね。…小学生の頃は毎週TVでプロレスを見てました。古舘アナウンサーの『おおっとぉ!』はイイですよね!…もちろんTVはブラウン管でした、昭和ですから!
「村長さん、キチンと治療の謝礼金を払ってくれれば話しは聞くから茶番は止めましょうよ。」
「…………解っていましたか……わかりました、お支払いします。ですから何卒話しを聞いてください、お願いします。」
昨日のキャバクラタイムの時に色々とこの村の事も聞いていたから、何かに利用される可能性は解っていたんですよ。自分だってただ鼻の下を伸ばしてヒャッハーしてた訳じゃないですよ…ホントだよ?なので利用されるというか協力でも無く『話しは聞く』というスタイルにしたかったのですよ。もっともキャッチバーのように高い金額を請求されるとは思いませんでしたが…まるでパーっと派手に飲みに行って翌月のクレジットカードの請求額を見てギョッとした気分でした。
自分としては話しを聞いてこちらに利益をもたらす内容ならば協力する感じですかね。非人情に思うかもしれませんが、自分はヒーロー属性は持って無いしメシアにもなるつもりは無いのです。どこまで行っても自分の身がカワイイ中間管理職の一般人ですから。
さてと話しを聞きますかと気を引き締めようとしたらボソッと声がしました。
「…ナツオあんたまさか、姉である私に逆らうつもり?…(ギロリ)」
ヒィィぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
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