表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
香りの行方
8/36

はち

「ごめん!

 冗談だから許してよ」


フィレスがどんなにキラキラと笑ったってそうはだまされない。

うそもたいがいにしやがれ!

目はマジだったじゃないか!

そんなイライラをぶつけつつ、レーナは黙々と食事を口に運ぶ。


それにしても、今現在こうも静かに過ごせているってことは、実際にセルジュの香りがもれださないように、術がかけられているということなんだろう。

こうやって周りを気にすることなくいられるのはありがたい。

ちょうど一人暮らしのアイテムも壊れてきた。

買えるものがあるならば買い足したい。

そして遮断の術が切れる前にここから再び逃げ出せば、かなり自分にとってプラスになるのではないか?

そうだよ、キスの一つや二つ、そのメリットを考えたらちっとも惜しくない。

肌と肌が接触する、その程度のことだ!


あまりの簡単な交換条件に感動と自分の頭の良さに感動しているそのころ、フィレスに( 顔を見てたら考えてること丸わかりだなぁ~ )と思われていた。




「ねぇ、考えてくれた?」

食事も終わり、談話室にいくと、フィレスは横に立つ。

「1日1回なのよね?

 それ以上はしないのよね?」

「そうだね、じゃぁ、契約成立ってことでOKかな?

 名前教えてね。

 はい、この腕輪、これで契約ってことで...」

そういうと、フィレスは紅色の綺麗な細身の腕輪を差し出してきた。


よ...用意周到...。

あんた、断らない前提で話持ち込んできたんだな...。


「名はレーナよ。

 あんた、本当にしつこいわね。

 ご令嬢様に嫌われるわよ」

若干引き気味で腕にはめてみると、それは少し余裕をもって締まり、抜けなくなった。


ふぉぉ!なんだこれ!

魔具かよ!

やっぱ軍人さんはお金持ちだね!


ちょっとした驚きに包まれていると

「レーナか、いいね。

 それじゃ、レーナ、イタダキマス」

と言われて、私はこのバカ虎からベロチューを強制された。


ふざけんな!

ベロチューなんて聞いてない!!!

私の乙女心返せ!!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ