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天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
香りの行方
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よん

フィレス視点

(...野うさぎ?)


後方からなにか動く気配がする。

それと同時に普通は見過ごしてしまうような香る甘い香り...。


ここにいたのか...!


歓喜して俺はゆっくりと振り返る。

慎重に...、見過ごすことのないように...。


遠く大きな突き出した岩場の上から、ひょっこりとのぞく茶色い頭。

目が合ったかと思うと、ストン!と落ちたように岩陰に消える。


あぁ、バレてしまったか。

いつもはこんな失態おかさないのに...。


「フィレス?どうした?」

副隊長のロックが声をかけてくる。

「うん、少し待っててくれ。

 探してたのをみつけた」

なにごとだ?といぶかしむ二人の部下を待たせて、フィレスは自分の愛鳥のところへ向かう。


「わかるかい?

 お前だけが頼りだ。

 風に乗って甘い花の香りがするだろう?

 この主を追ってどこにいるか教えてくれ。」

愛鳥である鷹は大きな翼を広げて、大空を舞う。




ずっと探していた。


あの日は大雨の降った日だった。

王子が見てみたいといった工房の下見の仕事が入った。

本来はだれかに頼むような内容だったが、丁度みんな出払っていて、だったら自分の気分転換にと、一人で出かけた帰りだった。

突然の雷雨に、ここのところ使われていない砦が荒らされていないか確認ついでに寄った。

誰の気配もない砦のドアを開けると、なんとも甘い芳香がした。


体の底から欲しいと思った。

人工物の臭いじゃない、この匂いしかいらない。

甘い香りにフラフラと引き寄せられて向かった先は、簡易ベッド。

ほこりよけの布を払うと、より濃い花の香りがした。


やばい、俺はヘンタイかもしれない。

そのベッドにうつぶせになって、そのまま眠りについた。


そのころ軍部では俺の行方不明にちょっとした騒動が起きていたけど、そんなの関係ないね。





読んでくれてありがとです

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