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3匹の子豚

むかしむかしあるところに、3匹の子豚がいました。

1匹目の子豚は「ロック」といい、2匹目の子豚は「リリー」といい、3匹目の子豚は「フィレス」といいました。

ロックはレンガの家を作りフィレスを閉じ込め、残った力でワラの家を作りました。

リリーはドアに大きな石を置き封印の魔術を使い、残った力で木の家を作りました。

「リリー、あいつを世に放っちゃいけない。

 オレたちはそのためにここにいるんだ!」

「そうですねぃ、ロック兄。

 あのヘンタイは女子の敵ですからな!」

うなずき合ったロックとリリーはそのまま自分の家に帰りました。


そこへフラフラと腹を空かしたオオカミの「レーナ」がやってきます。

「ふわぁ!

 うまそうな気配がするよ!」

近づくとワラで出来た小さな家があります。


久しぶりのご飯です。

よくよく近づいて見てみると、つーか、腰から下が家から出てる!?

ワラの家から下半身が飛び出してるし!!

サイズがまるっきり合ってないしっっ!!


色々といっぱい突っ込みたいオオカミレーナでしたが、腹が空いてたまりません。

「いただきますっ!!」

カブッッ!!

「いってぇ~~~!!!」

飛び出した足にかぶりついてみるものの、骨と筋と筋肉だけで、ちっとも美味しくありません。


「何なんだよイテテ!

 必死でレンガの家建てて、疲れきって寝てるとこなのに......あ~~!!

 血ぃ出てんじゃん!

 オイコラ、吸血鬼のオレに血出させるっていい度胸じゃん...か...」

オオカミの顔を見て、ロックはびっくりです。

オオカミが耳を伏せて、プルプル震えながら腹をグーグー鳴らしてるからです。

「...うぅ...美味しくない」

「あ~~~...、なんだ?

 腹減ってんの?

 たく、しょうがないなぁ、リリーとこで何か食わせてもらいなよ」

ロックは自分の頭をガシガシかいて、オオカミに「ついてこい」と声をかけました。



少し離れたところに小さな木の家が建っていました。

「お~い、リリー!

 このオオカミ腹減ってんだって~。

 なんか食わせてやってくれよ」

トントンとドアを叩くと、うさぎ耳をつけた子豚の女の子が出てきました。

レーナはじゅるりです。

「ロック兄、どうしたのですか?

 とりあえず入るといいですよ」


3人で家に入るとロックはリリーに「こいつが腹を空かして俺の足に噛み付いてきたから、なんか食わしてやってくれ」と言いました。

出てきたのは草くさいパンと野菜沢山のスープでした。


野菜ばっかし!!

オオカミは肉食なのに!!


お肉の食べたいレーナは泣きそうでしたが、せっかく出してくれたのでその善意に感謝してきちんと平らげました。

そしてせっかく良くしてくれた二人を、食べないで帰ろうとも決心しました。

『受けしご恩は忘るべからず』です。



しっかりお礼を言って二人とお別れし、物足りないお腹をさすってトボトボと歩いていると、奥から禍々しい雰囲気の家が見えます。

なんとなしに近づいてみたものの「こいつはヤバイ!!」と頭の警報器が鳴り出しました。


回れ右をしてダッシュで走り出した瞬間「ドッカーーーンッッ!」と音を立てて、扉が封印の石とともに砕け散りました。

爆風にレーナの髪があおられます。

「わわゎ!」

それでも振り返ってる暇はありません。

慌てて逃げ出します。


「ちょっとちょっと!!

 筋書き最初から違くないっ!?

 俺んとこ来るのが普通でしょ?!」

中からオオカミよりも早い速度で抱きついてきた子豚が叫びました。

「放して!

 や、変なとこ触らないで!」

自分の身の危険が迫っています。

抱きすくめられてオオカミさん、大ピンチです。


「ねぇ、おおかみさん、待ってよ。

 オイシイお肉ご馳走するよ?

 鹿肉でも鶏肉でも......ドラゴンの肉だって、俺仕留めるよ?」

「え?お肉?」

色っぽい流し目で伝えられた一言に、オオカミレーナは抵抗をやめてしまいました。

目の前に浮かぶのはお肉の山です。


「そう、お肉」

そっと抱きかかえられたことも、チュッと首に吸いつく音も、お肉を想像しているオオカミレーナは気づきません。

「おおおおお肉食べたい!」

背後にドンッ!と重いものが落ちる音がします。

オオカミレーナが「ん?」と気が付けば、ここはレンガの家の中です。


「お肉...、食べようね。

 ......その前に、俺に君を喰べさせてね」


その日から森の奥からオオカミの艶っぽい声が聞こえるような聞こえないような......。




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