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天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
移り香
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リリーはアッシュブロンドをお団子にて後ろでまとめ、年齢は25歳くらいのハキハキとしたうさぎの獣人だ。

「レーナ様、花祭りバッチリ調べてきましたから、なんでも聞いてくださいね!」

「ありがとう!

 あれ、今日はスーツじゃないのね?」

「そりゃそうですよぅ!

 おもいっきり浮いて逆に目立っちゃうじゃないですかぁ!」

メイド服を着てにこにこと話すリリーは人懐っこい。

耳がひょこひょこと動き回ってかわいい。


リリーと話しながら商業地に向かう。

「城では一番隊が警護しますが、城下は三番隊が警備しますので、フィレス様にもローデリック様にも会えるかもですね!」

リリーはロックに憧れてる。

本来獣人は亜人に体力も力においても勝るはずだが、ロックは亜人だけど獣人に負けることはない。

それは並々ならない努力のたまものだろう。

その努力にリリーは敬意を抱き憧れているのだ。


「昼前に中央広場の舞台でステージがあるみたいですよ。

 花祭りの催しで神殿から巫女をお呼びして、花びらをまいて夏から秋に向けて感謝を捧げるらしいです」

「それは絶対見なきゃね。

 せっかくだし帰りに花も買って帰ろう」

生まれて初めて女の子と、おしゃべりしながら道を歩く。

こんなささいなこともフィレスのおかげ。

とても楽しかったと、仕事からフィレスが帰ってきたら、いっぱい話してお礼を言おう。

今からあれも話そう、これも話そうと楽しみになる。



「レーナ様、こちらがあいてますよ」

リリーにうながされてステージの近くの席に座る。

そろそろ始まる時間だろう。

周りはすごい人だ。

「上のやぐらから色々な花びらをまき散らすんですよ。

 神の花を模してるんです」

「神の花...」

「ほら、見てください!

 時間ですよっ!」


カゴを持った女性がやぐらの上に立ち、ヒラヒラとピンク、イエロー、ブルー、他にも色とりどりの花びらが舞う。

「すごい...」

舞台上には軍帽を被り、正装をした軍人の手に引かれて巫女様が現れる。

「レーナ様、巫女様すごい綺麗な人ですね!」

「本当ね、女神様みたい!」

リリーと内緒話をするように話しながら、エスコートしている立つ軍人を見てギョッとする。


フィレスッッ!?


「レーナ様、あれフィレス様ですよ!

 ほらほら、一瞬ピクッてした。

 絶対気づきましたよ、さすがヘンタイですね」

「リ、リリー、自分の雇い主を「ヘンタイ」呼ばわりって...」

てか、微動すらしてなかったけど、でもちっとでも動いたか?


「えーー、メンフィス様も「あのヘンタイ」とか「下半身脳みそ」とか言ってますよ。

 最初は誰のことかわからなかったですけどね、最近分かりました!」

キリッと顔を引き締めてリリーが見つめてくる。


もう突っ込む気も起きない。

しょうがないので巫女様とフィレスを見つめる。

巫女様の手から光が溢れ出してきて、花びらと一緒に舞う。

すごく素敵だった。


再びフィレスがスッと巫女様の手を取って舞台から去っていく。

そのあとをヒラヒラ花びらが舞う。


フィレスが遠い人に感じるくらいに綺麗で幻想的だった。




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