ろく
「ひどいわ!
寝てる間に連れてくる事ないじゃない!!」
キイキイ言いながら抗議を上げる。
現在私はフィレスの隊長室の机の上にいる。
魔術をかけられて、ペンサイズまで小さくなっている。
「宿泊施設にひとりきりレーナを残したくないからね~、あの時レーナがいじめられて泣いてる姿見て俺の心折れちゃったの」
「そ...れは」
そんなこと言われたら、強く言えないじゃない...!
モジモジしてるとチュっと音を立てて頭にキスしてくる。
「あぁ、俺マジ幸せ、最高、ここ天国!」
私は引く...!!!
コンコンとドアが叩かれたから、慌ててフィレスの膝に飛び降りるとロックが入ってきた。
「本日の書類届けにまいりました~。
って何、一人で気持ち悪い顔してんの?」
頭だけぴょこんと机の上に出して「ロック、おはよう!」と手を振る。
「あ~~~、だからデレデレのニマニマなキモいフィーの出来上がりか」
「おはようさん」と言いながら納得しつつロックが机に書類を置く。
「じゃぁ、隊長サマ。
レーナ嬢にいいとこ見せるためコレやっといてくださいよ」
ロックの挑発的な目を見ながら、フィレスは片眉を上げてめんどくさそうに書類をめくる。
「レーナは俺を『任務放棄常習犯』みたいな風にいつも言うからなぁ」
「激しく同意!
そのものドンピシャ大正解じゃん」
扇のようにあおぎながら「これも放棄しようかな~~~!」なんて、フィレスが言うと、ロックが「勝手に言ってろ」と言いながら出ていく。
相変わらず適当な上司部下の関係だ。
「ねぇレーナ、元に戻していい?」
「ダメよ!何言ってるのよ!」
「キスしてくれたら頑張るからさぁ」
「...頑張らなくてよろしい」
「...レーナが足りない!!」
「足りない?!
どこが足りないって言うのよ!!
昨日だって宿泊施設に着いたのは昼間だったはずなのに、風呂であっちもこっちも触りまくられって、すみずみ堪能されてフラフラしてるところで、そのままベッドに押し倒され気がついたら夜中とか...、こっちは夕飯を食べ損ねても気にならないほど泥のように眠ったわよっ!!」
「足りないんだからしょうがない」
ぐんっと目が回ったような感じがした途端、大きかった物が急に小さくなる。
いや、普通サイズになっただけだな。
「ダダダダダメって言ったのに!
わがまま!!」
「わがままで結構」
いきなり深いキスにうまくしゃべれない。
「ちょ...ふぁ、やぁ、ダメ...」
「いい、だめじゃない、だって、こんなに、甘い...」
怪しい手つきに動揺する。
「ダメ...声聞かれるし、誰か来ちゃうからダメ」
暴れだす私にフィレスは優しく諭すように笑いかける。
「やだなぁ、レーナ。
そんなぬかりあるはずない、完全防音仕様だし、現在あのドアはどこにもつながってないよ」
そんな技術上げなくていいからっっ!
呆然とする私を尻目にどんどんと服を脱がしにかかるフィレス。
ばかばかばかばか~~~!!!
そのころ...
ドンドンドンドンッッ!!
「フィレス~~~~!
おまえは恥も外聞もなく平気で言えるかもしれないけど、世間一般の常識的な人は言えないような、いけないことやってないで、ドア開けろ~~~!
仕事しろ~~~~!!
てめぇ、ふざけんなよ~~~~っっ!!
こっちの声は聞こえてんだろ~~~!
レーナに悪いことをしたって贖罪の気持ちで下りた、姫様の承認やっぱし大丈夫なんで取り下げますって言ってもいいんだぞーーーっっ!」
おしまい!
なかなか痛々しい話ですんません




