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天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
残り香
19/36

いち

再開したけど性格違ったらごめんさいです

今日も慢性の腰痛と倦怠感だ。

原因はあいつしかいない。


底なし体力のバカ虎。


「レーナ、日記に『特定できる誰かのせいで体がしんどい』って書いてあったね。

 この軍隊長の俺が直々にマッサージしてあげるよ!」

なんてフィレスが言うから、珍しいこともあるもんだと頼んだのに、あの男途中で職務放棄し「はぁ...ヤバイ、もう限界...」なんて、むしゃぶりついてきやがった。


同じですから~~~!!

連日連夜と変わりなく同じですからっっ!


「『うぅ~ん』とか『はぁぁ』とか誘ってるようにしか聞こえない!!」って、人のせいにしてくる。

おまえには二度とマッサージは頼まんっ!

いたわりとか慈愛とか、そういう言葉をあいつの頭に刻み込みたい。




「ロックいらっしゃい、正装してどうしたの?」

「やぁレーナ、ちょっと軍事的調印式があってね、泊まりがけの準備して欲しいんだ。

 あいつは『そんなくだらないとこ行きたくない』ってキレたから、王家秘伝の眠り薬で先に旅立っていったよ」

「...それはひどくお疲れ様。

 きっと荒れるわね」

私は執事さんに荷物のお願いしながらロックと会話を続ける。

「たぶん荒れるだろうね...。

 王家でないと外せない、魔力封じのピアス付けられてたから、途中で帰ってきたりとか、暴れるにしてもそこまでひどいことにはならないと思うけど、...斬り合いだけはカンベンしたいなぁ」

「うぇ!」と言いながら、フィレスの不穏すぎる暴れ方にちょっと引く。

「あぁそれでこれ、セリア様から預かってきたネックレス。

 これでセルジュの香り、防げるはずだってさ」

「...知ってたの?」

びっくりしてロックを見つめる。

「まぁね、あそこまで遮断してるなら、たぶんそうだろうなぁってさ。

 オレも娼館で少しなら、流れ出た香りをかいだことあるよ...。

 レーナちゃんはあんな不幸になっちゃダメだ」

「ありがとう」

最近みんなと仲良くいれて本当に楽しい。

これじゃもし、この先ひとり生きるってことになったらちょっと、いや...かなりさみしいだろうなぁって思う。


「難航しなかったら2,3泊して帰ってくるさ」

荷物を預かったロックは黒い軍馬にヒラリとまたがって去っていく。


やった~~~~!!

これから2日間は確実にフリーだ~~!!!

やりたいことやって、したいことするぞ~~~!!!



ところが、その翌日大きな川の上流で大雨が降り、近場の橋が崩壊して流されたと報告が入った。

遠回りすると2週間。

直すのは1ヶ月。

フィレス?なんかよくない雲行き満々なんだけど?


このネックレスいつまで有効なのかな~~~?




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