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天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
香りの行方
18/36

じゅうはち

「...レーナ、どういうこと?」

「お、王女様が言ったそのままなんだけど...」

フィレスが術式の内容を変えて、背後から抱きしめて首に顔をうずめる。


「.....」

「フィレス...?

 あの、えっと...、勝手に出てきて、ごめんね?

 その~、えっとねぇ...かっこよくて驚いた...」

ピクッとフィレスが動いて、レーナは首をすくめる。

ちらっと後ろを見ると、耳がフニャっと後ろに垂れてる。


うおおぉぉ~~!耳がぁぁ!!

フィレスの耳が萌え萌えでかわゆいじゃないかっっ!!


垂れた耳を凝視していた次の瞬間、激しく口づけられる。

ぐぁ!やっぱり猛獣っっ!!

「気を...、許しすぎ。

 もっと、警戒して。

 レーナが、悪い。

 んは...、甘い」


キスしながらしゃべらないで。

『甘い』じゃぁないよ。

体がジンジンする。

もう一人では生きていけないのかもしれない。

ねぇ、もう好きだから

大好きだから

そばにいさせてよ。

抱きしめてはなさないで

ずっとそばにいさせてよ...。



後日、フィレスは王家の契約で術式と私の身柄の安全を約束して、ホクホク顔で帰ってきた。

「レーナを俺の婚約者だと言ってきたし、レーナに王家の保護はついたし、あの時王女には振り回されて心底頭にきたけど、まぁ今回は怪我の功名ってやつだったな」

嬉しいけど恥ずかしくて思わず否定してしまう。

「ちょっと、勝手に変なこと言わないでよ!

 まだ婚約してない!!」


話しながら移動した応接室の明るさと温度が下がる。

あれ?

今初夏の月だよね?

「...ふぅん。

 そんなこと言うんだ。

 じゃいいや、まず既成事実作ろうか。

 いいよ、俺そういうの大好きだからさ」

「いっ...『いいよ』じゃないよっ!

 もう十分毎日やってるじゃない!

 今日だって本当は私も行って王女様とお話ししたかったのに、起きれなかったのはフィレスのせいじゃない!!」

「なに?

 それじゃ、レーナは婚約も結婚する気のない俺と、あ~んなことやこ~んなことしてんの?」


うおおぉぉ~~~ぅ!!

ヤメテ~~~!

穴はどこだ~~~~っっ!!?


たぶん真っ赤であろう私を、フォレスは抱きしめながら甘く耳元にささやいてくる。

「ねぇ、レーナ?

 最初の頃より何倍もレーナの全てが、甘くてとろけるようないい匂いなんだ。

 これってさ、俺のこと好きなんでしょう?」


おのれっ!体の正直者めっっ!!!

自分がにくいっっ!!!

恥ずかしくて顔があげられん!!

「...わ...悪い?!

 どうせ私はヒネクレ者ですよっ!!」


フィレスはレーナにキスをする。

甘く咲き誇る天の花。

愛された者にしかわからない極上の花...。






起承転結が最後まで甘い物語ですみませんでした!

楽しかったです。

ありがとうでした!

余談的なものは、ちと考え中なんでいちおうここで〆ます

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