じゅうはち
「...レーナ、どういうこと?」
「お、王女様が言ったそのままなんだけど...」
フィレスが術式の内容を変えて、背後から抱きしめて首に顔をうずめる。
「.....」
「フィレス...?
あの、えっと...、勝手に出てきて、ごめんね?
その~、えっとねぇ...かっこよくて驚いた...」
ピクッとフィレスが動いて、レーナは首をすくめる。
ちらっと後ろを見ると、耳がフニャっと後ろに垂れてる。
うおおぉぉ~~!耳がぁぁ!!
フィレスの耳が萌え萌えでかわゆいじゃないかっっ!!
垂れた耳を凝視していた次の瞬間、激しく口づけられる。
ぐぁ!やっぱり猛獣っっ!!
「気を...、許しすぎ。
もっと、警戒して。
レーナが、悪い。
んは...、甘い」
キスしながらしゃべらないで。
『甘い』じゃぁないよ。
体がジンジンする。
もう一人では生きていけないのかもしれない。
ねぇ、もう好きだから
大好きだから
そばにいさせてよ。
抱きしめてはなさないで
ずっとそばにいさせてよ...。
後日、フィレスは王家の契約で術式と私の身柄の安全を約束して、ホクホク顔で帰ってきた。
「レーナを俺の婚約者だと言ってきたし、レーナに王家の保護はついたし、あの時王女には振り回されて心底頭にきたけど、まぁ今回は怪我の功名ってやつだったな」
嬉しいけど恥ずかしくて思わず否定してしまう。
「ちょっと、勝手に変なこと言わないでよ!
まだ婚約してない!!」
話しながら移動した応接室の明るさと温度が下がる。
あれ?
今初夏の月だよね?
「...ふぅん。
そんなこと言うんだ。
じゃいいや、まず既成事実作ろうか。
いいよ、俺そういうの大好きだからさ」
「いっ...『いいよ』じゃないよっ!
もう十分毎日やってるじゃない!
今日だって本当は私も行って王女様とお話ししたかったのに、起きれなかったのはフィレスのせいじゃない!!」
「なに?
それじゃ、レーナは婚約も結婚する気のない俺と、あ~んなことやこ~んなことしてんの?」
うおおぉぉ~~~ぅ!!
ヤメテ~~~!
穴はどこだ~~~~っっ!!?
たぶん真っ赤であろう私を、フォレスは抱きしめながら甘く耳元にささやいてくる。
「ねぇ、レーナ?
最初の頃より何倍もレーナの全てが、甘くてとろけるようないい匂いなんだ。
これってさ、俺のこと好きなんでしょう?」
おのれっ!体の正直者めっっ!!!
自分がにくいっっ!!!
恥ずかしくて顔があげられん!!
「...わ...悪い?!
どうせ私はヒネクレ者ですよっ!!」
フィレスはレーナにキスをする。
甘く咲き誇る天の花。
愛された者にしかわからない極上の花...。
起承転結が最後まで甘い物語ですみませんでした!
楽しかったです。
ありがとうでした!
余談的なものは、ちと考え中なんでいちおうここで〆ます




