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天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
香りの行方
15/36

じゅうご

「一番隊は近衛兵ですので、城の守りを基本としてますの。

 二番隊は情報戦術に長けてますので、頭脳戦がメインですのよ。

 三番隊は荒事が多いので、機動力は素晴らしいものがありますわ。

 魔術師隊は基本的に三番隊とよく組んで行動いたしますの」

「ソウデスカ~

 モウ帰ッテイイデスカ~?」

「あら、せっかくなので隊長クラスをご紹介いたしましょう」

「いえいえいえいえいえ!!

 命が大事ですので、お気になさらず!!」


闘技場で並んでる怖い人、約1名が不穏な空気出してるんでやめてください!

たぶん知り合いが、笑いに悶え苦しんでるんで刺してきていいですか?!

なんで王女様、そんな満面の笑顔でキラッキラしてるんですかっっ!!

いろんな意味で胃が痛くて吐きそうです...。


「では一番隊から三番隊で、総当りによる実地訓練を始めます。

 魔術師隊はリタイヤした者の回収、回復をお願いします」

統指令官が声をかけるとバラバラと分かれていく。


一番隊も二番隊もあれこれと隊長を中心に話しているが、三番隊だけ半端なく雰囲気が悪い。

そりゃそうだろ。

中心の隊長があんなおどろおどろしい空気出して、周囲を圧倒してるんだから...。

人死な雰囲気デスネ~。

帰ったらコワイなぁ...。


「うふふ、いつも圧勝な三番隊だけど、今回はどうなるのかしら?」

セリア王女が満面の笑みで声をかけてくる。

「あなたがフィレスのアキレス腱だってわたくし、知っていましてよ?

 不甲斐ない姿を見せられたら、あなたをおウチに帰してあげられませんわね。

 いつもすまして、久しぶりに見ましたわ、あんな顔!

 あぁ、楽しい!」


ワタシ、楽しくないっっ!!



ドーーーーーンっというドラの合図に一斉に各隊員が走り出す。

合図の後、フィレスが手をかざし振り下ろすと、中心を大爆発が襲った。


味方も巻き添え覚悟ですかーーーー!!!!


怒りでギラギラとした目がこっちを見ている。

その目をフンッと鼻であしらうように王女は片頬をあげる。

「あら、魔力まで上げるなんて上等じゃない」

もう私は気が気じゃない。


おうち帰りたいよ~!!!


モウモウと土埃がたつ中、あちらこちらで金属の音が響く。

「まいった」とか「まだだ!」とかいう声が聞こえる。

実践さながらの剣技で、土埃の収まる頃にはすでに二番隊は降参寸前だ。

一番隊は王宮を守る意地と根性で、三番隊と善戦してる。


お、ロックがどんどんと戦果をあげている。

さすが副隊長だけあるなぁ~。

よどみない剣技で前の隊員をけちらしていく。


フッとフィレスを見ると、こっちを睨みながら後方で腕を組み立っている。

「ジャック!剣先がぶれてる!

 ザックス!集中しろ!

 ジェームズ!遅れを取るな!

 ロック!お前楽しんでないで、新兵にも残しとけ!!」

「へ~~い!」

間の抜けた返事が聞こえてくる。


家ではヘンタイしてるのに、仕事場ではちゃんと隊長してる...!

こっちガン見だけど!!!




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