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天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
香りの行方
13/36

じゅうさん

日記が順調だ。

楽しい。


仕事から帰ってきたフィレスにただいまのキスを強引に奪われ、フラフラしながら日記を渡す。

くそぅ!

とうとう慣れてしまった感がある。

とりあえずお土産を部屋に置きに行こう。


 ◆春の月15日

 今日はレッジーナのたねをうめた。

 これは花もきれいだが、ねつさましの元になる。

 ねっこをつぶして汁をしぼって、リンデキのはっぱをまぜるといい。

 ただ、まずい。

 レーナ


 ◆春の月17日

 すばらしい知恵をありがとうございます。

 字の練習順調でなによりです。

 メンフィス


 ◆春の月18日

 レーナへ

 この前みんなにクッキーを作ったらしいね。

 俺はもらってないけど、これはどんな意味かな?

 メンフィスのクソ野郎に見せびらかされた時に、久々に殺意を感じたよ。

 小さいレーナを執務室のテーブルに置いておくのもいいね。

 でもそのときちょっと暴走しちゃったらごめんね。

 フィフス


 ◆春の月35日

 フィレスがキモくて、やめていたにっきをさいかいする。

 まだかまだかと、とにかくしつこい。

 ぜったい小さくしてつれて行かないとやくそくをした。

 やはりれんしゅうはだいじだ。

 まだまだうまく字がかけない。

 むずかしい。

 りょうり人のガルガリが「みるくせーき」を作ってくれた。

 うまかった。

 メンフィスがかんたんな本を買ってくれた。

 2人のおかげで心がやすまる。

 ありがとう。 

 レーナ


 ◆春の月34日

 レーナ様へ

 今度からは自ら木なぞに登らず、庭師のトビーに頼んで、シータの実をもらってください。

 使用人一同、本当に心からご心配いたしました。

 ガルガリ


 ◆春の月35日

 本の件、お気になさらず。

 気に入って下されば光栄です。

 外に出るのは構いませんが、芝生で昼寝はさすがに心臓に悪い気がいたします。

 どうぞお部屋でお休みください。


 フィレス様へ

 お仕事してください。

 メンフィス


 ◆春の月36日

 レーナへ

 木に登っちゃだめだ。

 だれかに見られてさらわれたらどうするんだ。

 芝生で寝てもだめだ。

 寝てる間にさらわれるかわからない。

 やっぱり仕事場に...。

 

 あとガルガリがさりげなく参加してるのが気になる。

 仲良くするなとは言わんが、仲良くするな。

 それとメンフィス黙れ。

 俺はちゃんとやっている。

 フィレス


 ◆春の月38日

 きょう、きれいなばしゃが門のまえにとまっていた。

 きれいな人が手をふっていたから、ふりかえしてみた。


 うらにわの目立たないところに、けっこう大きなはちのすがあった。

 弓をかりて、うちおとしてみた。

 しばらくしたら、見に行こうと思う。

 はちみつが手に入るかもしれない。

 弓はかってにかりたけど、気にするな。

 レーナ




「レーーーーナ!!!」

ガチャッッ!!!


すごい勢いでフィレスが入ってきた。

そのままレーナに抱きついてくる。

「んぎゃ!」


いたいいたいいたい!!!


「今日の日記、あれ何!?」

フィレスが噛み付くように聞いてくる。

「え?

 はちみつのこと?

 フィレスも食べたい?」

「レーナのものならなんでも食べたい!

 いや、はちみつの前に蜂に刺されなかった?!

 いやいや、その前に、この『馬車』って何?!」


馬車?

あぁ、すっかり忘れていた。

「巣は遠くから狙って落としたから、問題ないよぅ!

 あと馬車ね!

 2頭の馬が引いてた、白くて綺麗だったよ!

 あれって馬車って名前だよね?」

「クッソ、なんてことだ。

 どっから情報がもれたんだっ!

 レーナの香りは日夜精度を上げて、今や一切漏れていないのに!!」


「僭越ながら、フィレス様、結構有名ですよ。

 女の噂の全くない淡白な3番隊隊長が、いつの間にやら女性を囲って定時に足取り軽く帰宅をされていると。

 おまけに屋敷を囲む鉄柵には電流が走り、触れると1時間は動けないという犠牲者が増えております。

 身から出た錆ですね」

部屋の入口からメンフィスが声をかけてくる。


「なんてことだ...。

 レーナ!

 明日から屋敷から出ちゃいけない!」

「いやぁよ!

 明日は庭師のトビーとレッジーナの花に水をやったり、このあとも日が沈んだら、蜂の巣にカバーをかけるんだから!

 もう!放してよ!!」

 私はいまだに抱きしめてくるフィレスの胸をグイグイ押し返す。


フィレスはレーナをがっちり抱きしめながらガンガンと新しい魔術を練り上げる。

レーナに関係してのみ、フィレスの魔力は半端なくレベルを上げていることにレーナは知らない。


俺、たぶん魔術師団でも食ってけるかもしんない...。




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