表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天の蜜、天の香り  作者: ふもふも
香りの行方
12/36

じゅうに

フィレスが帰ってきた。

執事さんにキビキビと指示する姿はさすがだ。


「おかえり」

「ただいま、レーナ今日は何してたの?」

「字の練習よ、執事さんと交換日記することにしたから、ノートちょうだい」

「え!!ちょ...そんな仲良くなったの?!

 クッ...俺も混ぜてくれたらいいよ」

「いいけど、字の練習のためよ?」


すんごい執事さんに睨みきかせて見てるけど、あんたバカでしょ?

なにやら2人で目だけで話してるけど、もはやどうでもいい。

「お腹すいたからご飯早く行こう」

「...わかった。

 レーナ、ただいまのキ「早く行こう」」


フィレスの話は聞かない。

相手にしない。

ヘンタイだから!!



食事が終わると勉強に疲れたのだろうか、ウトウトとしてくる。

「レーナ、疲れた?」

「うん、今日はしんどいみたい。

 悪いけど先に寝るね」

そういって、私はフラフラと2階に上がった。


下から「おい!メンフィス、交換日記とか、お前ずいぶんレーナと仲良くなったんじゃないか?」とか「おやおや、男の嫉妬ですか?どなた様がシモなことしか考えてないからじゃないですか?」とか、すんごく見下した声が聞こえたけど、かまっちゃらんない。

私は眠いんだ。

風呂に入ってるとき、家がグラグラ揺れたってどってことない。

...自分が揺れてるから。




あれ?いつの間に布団で寝たのかしら?

「...。

 なんであんたが私の布団に入り込んでるのよ!

 はなしてはなしてはなして~~!!」


夜中に目が覚めて愕然とした。

鍵はかけた...はず。

ドアの前に障害物も置いた...はず。


なんでフィレスはいつの間にベッドに入ってきたのよ。

そして私を背後から抱き枕!!

ムチムチでさぞや抱き着心地いいでしょうね!!


「んぁっっ!

 首舐めないでっ」

「ハァ、もう限界...」

すごく辛そうにフィレスが呟く。


「ちょっと!

 なんでフィレスがいるのよ!」

「...ん~?

 そんなの外からだよ。

 レーナ風呂で寝てるんだもん。

 俺心底焦った」

ギュウギュウと抱きしめられる私の体は裸だ。


「家主が外からって...いや、離して」

「じゃ今は、キスだけ」

「ん...ちょ...だ...」

 だからベロチューは...。

 そっちは触っちゃダメ!

 ダメって...だぁ...だめぇ...。



なし崩しってこういうことね。

抱き潰されて昼までぐうぐう寝ていた私は、夕方帰ってきたフィレスの顔がツヤッツヤキ~ラキラで、蹴り飛ばしてやりたくなった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ