じゅういち
最初のころより縛りの呪もうまく解除できるようになった。
レーナが心を許してくれるようになってから(ここにレーナがいたら「それは『慣れた』であって『許して』んじゃない!!」ってキレてるとこだけど)香りも濃厚だ。
とろけたレーナは味もまさに甘露だ。
正直、夜中とかキスだけで我慢できてるって奇跡!!
あと少しで踏み越えちゃうギリギリなとこ。
や、もう踏み越えてもよくね?って気持ちになってる。
誰にもレーナを見せたくない。
誰にも触られたくない。
あの香りに触れたら、誰もが奪いたくなる。
絶対に誰にも渡さない...。
「おい、フィー。
朝から壮絶に犯罪者顔だぞ」
馬を厩に預けていると、ロックが声をかけてくる。
「当然だ、画策してる」
空間断絶の術を強化しなくては...。
も、いっそのこと、外部からの接触不可の術使っちゃう?
半径1m入れなくしちゃう?
あ、でも俺には無効にしないと本末転倒だからね。
そこんとこを配慮して、こうしてみたら...あ、でもそうなると...。
「...うぇ!」って顔をしてロックはため息をついた。
「おい、その腹黒い脳みそを仕事に使ってくれ。
休んでいた分、色々溜まってるぞ」
「仕事は俺より上が考えるから、俺の考えはどうでもいいだろ」
部屋に入り、ドサッと隊長室の椅子に座る。
机の上は書類だらけだ。
「何言ってんだよ!
...ったくフィー!
だったらどうして昇級断ったんだよ
どんどんいったら今頃トップの補佐くらいなってたよ?」
「ロックだってそうだろ。
俺は定時に帰れなくなるし、面倒は嫌いだから断ってたけど、今は...あの時の判断に感謝したいくらいだね」
「こっちの話はいいんだよ!
マジかよ~!
どうせあの子のことだろ?
レーナちゃんだっけ?
...っと!
その目ヤメロ!
普通に死ぬ」
散らばっていた書類をあらかた片付けて、ロックはため息をつく。
「ほら、これ、目通しといてくれ。
...で、あの子が妬まれていじめられたらどうすんの?」
ほの暗い目で笑うフィレスを見て、ロックは本能で震えた。
「そうだなぁ、敵将としてこの国に立とうかな。
レーナのいない国なんて存在してても意味ないからね」
「...あっそ。
じゃ、国を出る時は事前に絶っ対に言え。
俺は無職になろうが、なんの未練もなく退役する。
そして逃げる」
「いいよ」と笑いながら答えるフィーを見て、日頃執着のないやつが執着するとマジ凶悪!なんてロックは思った。
レーナちゃん人身供物おつかれ!
俺、カゲからそっと見守るから安心してね!!
なんせ死にたくないもんね!
いつもありがとうです(^^
相変わらず緊張してます




