シオンの花束
シオンの花
その花言葉は『追想、追憶』『遠い人を思う』
そして……。
中学2年の頃、隣の家に同い年の女の子が家族と一緒に引っ越してきた。
「わ、私、こ、この間ここに越してきた、い、い、泉心葵です!よ、よろしくおねがいしにゅっ!!・・・ったぁい・・・」
初めて話したときはとてもおどおどしてて、自己紹介では舌を噛むしで、その姿に僕は素直に可愛いと思った。
そう僕は彼女に一目惚れをしたのだ。
「あ、健司君。今日も夜まで部活?大会近いから大変だねぇ…。またお弁当持って応援しにいくから頑張ってね!」ニコッ
「お、おう…。が、頑張るよ……」
彼女の笑顔を見るたびに僕の胸の鼓動は早くなり、顔がりんごのように真っ赤に染まった。
「け、健司君!私、あなたの事が好きです!付き合ってください!……あ、あれ!?ど、どうして涙を流してるの!?そ、そんなにいやだった!?」
「ち、違うんだ、俺もお前の事が好きで……嬉しくて……嬉しくて……うぅ」
出会ってから1~2年たった頃に僕は彼女に告白され、情けないことに僕は涙を流しながらその場にうずくまってしまった。
「け、健司君!こ、この服どうかな?似合ってるかな?」
「あ、あぁ……すっげえ可愛いよ」
「…~~っっ!!」
初デートの時はお互い顔を真っ赤に染めながらもかなり楽しめた。
とても幸せで充実した日々だった。
だが、その幸せも長くは続かなかった……。
あの事件が起きてからは……。
「おい!しっかりしろよ!もうすぐ救急車が来るからな!」
「……け、ん…じ……くん」
「お、おい……。嘘だろ…?おい、心葵……。」
「…………」
「……心葵」
「心葵ぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」
あの日、彼女は車に轢かれて……死んだ。
いつもは静かな街角も、あの日はとても騒がしくなった。
あれから、10年の月日が流れた。
彼女が死んでからもう10年
「……」
僕は彼女が轢かれたあの場所に来ている。
一つの花束を持って……。
「……」
その花の名前は
『シオン』
「……愛してるよ、これからもずっとずっと」
その花言葉は
「『あなたを忘れない』」




