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ハジマリ

銀橋東高校~教室       五月二三日  一時〇〇分~昼休み



ようやく午前中の授業が終わり購買に駆け込み目的の『いちごオレ』を入手し教室の端で友人とお弁当を広げている時間だ。


「なぁなぁ、リク、明日は何をやるつもりなんだい?」話しかけてきたのは友人の金田浩二かねだこうじ


「明日は一日中も何も無いんで思う存分に昼寝でもするつもりだ」俺はピチピチの高校三年生。強いて違うところを挙げるとすれば、サバゲーに興味があるってとこカナー名前赤羽陸あかばねりく


「おう!なら丁度良かった、実はなイイ物があるんだ、コイツを見てくれ」そう言って彼はおもむろに懐から携帯を取り出し一つのファイルを俺に提示してきた。


「なんだ?ただのMP3形式の音楽ファイルか?」そこには『MP3』とファイル名が書かれた普通の音楽ファイル・・・ん?いちいち音楽ファイルにMP3などという名前を付けるものなのか??


「名前変だよな?なぁにこれぇ?」


「これはね・・・巷で話題の催眠音声だよ」


「催眠音声か!つまりそれで思う存分催眠オナニーを俺にしろと?」


「いやいやwww違うよ。普通の催眠療法に使われる音声だよ、ただし・・・これはただの催眠にかけるだけじゃねぇんだ」


「だたの催眠じゃ・・・ねぇだと?」


「ああそうだ、これは催眠にかけるんじゃないんだよ『催眠に入る』音声なんだ」


「??催眠に入る?」


「そう、通常の催眠系の音声は催眠音声に従ってその動作に従って自己催眠に陥るわけだろ」


「そうだな、音声に従い、リラックス、動作に従い、自己催眠に入り、催眠の世界に陥り、そして音声が催眠を解いてくれる。というやつだな」


「けれどこの催眠音声ファイルにはただ一言『あなたは深く落ちる』の一言しか入っていないらしいんだ・・・そして基本的に催眠状態、つまるところトランス状態に入るには自己催眠の訓練が必要だけど、これは強制的に『落としに来る』そういうものらしい」


「ただ一言だって?そんなんで催眠状態にはいれるのかよ」


「ネットの情報によるとそれが簡単に入れちまうらしいんだよな、しかも従来の催眠と違って全く違うのは強制的に催眠に入れるのと、絶対明晰夢を見ることができるらしいんだよ」


「明晰夢?って事はあれか」


「そう、夢の中を自由に行動できるってやつだ、『これは夢だ』と理解しながら夢の中を自由に遊べるんだぜwww」


「すごく面白そうだな!それ」


「ただし・・・これはいわくつきなんだよね・・・実は死んだ人が出てるっていう噂もあるんだよね・・・2ちゃんのスレでヘッドフォンをしたまま死んだ人が出てるって・・・どうやらショック死らしいんだけど、その時に聞いて音声がこれなんだ・・・」


「大丈夫だろ、そんな噂はいろんな物につきものだろ?」


「ま、そうなんだけどね。このファイルをメールで送っとくからな今夜聞いて見るといいよ。」


「おう、じゃあ試しに聞いてみることにするよ、死人がでる音声なんてあれだなオカルト好きな女子に言ったらみんな聴きそうだな」


「お前そんな女子気軽に話せる女子いんのかよ、だいたいお前クラスの女子怖がってるだろ?」


「・・・・・・・女の子は好きだよ」


「おk・・・この話題は無しにしよwww」


「待ってくれよその話俺にも詳しく聞かせてくれよ」「俺も!」「俺もそれやりてぇwww」

「あ、俺も俺もww」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・結局クラスのLineにその音声ファイルを載せることになった








赤羽家~自室            二三時〇〇分


早速おれはヘッドフォンをかけ布団に入る、それにしても今日の放課後はすごかったな・・・・全員このファイルを聴くことになってしまった。


これでホントに死人がクラスからでたら困るな・・・まぁそんな事は一ミリも信じていないのだけれども、今さっきからクラスLineの通知音が騒がしい、どうやらほぼ全員これを聞いて寝るらしい、クラスどころかこの音声ファイルが学年中に広まっていたのは驚きだな・・・


『死ぬかもしれない』というフレーズは人に好奇心をだいぶ与えたようだなwww


もちろん誰一人として死ぬのを信じちゃいないだろうが・・・浩二の奴はもう寝たらしい


もちろん音声ファイルを聞きながらだ・・・



俺もそろそろ眠りつくとしようかな・・・



目を瞑り音声ファイルを流す・・・・


{・・・・・・・・・・・・ァァァァァ・・・・・・}


ん?音声ファイルは『落ちる』だけではないのか?妙なうめき声が聴こえる


{・・・・・・・・・・・ァァ・・・・・・・・・・ァァ・・・・・・ァ・・・・・}


{・・・・・・・・・・・・・・}何も聞こえなくなった・・・なんだったのだろうか?


まぁいい、私は音声に集中する



{・・・・・・・・・・・・―――――――ザザッ・・・・・}


ノイズが聴こえる


{―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ザァァァァァァァァァ}


不意に強い頭が痛くなってきた


{ザザァァァァァァァァァァァァァァァ―――――――――――――――――――――――}


痛みが―――――――――――――――強く―――――――――――――――



{ザァァァァァァァアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――――}


これは―――――――――――――――やば


{アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――――}


叫び声??あ・・・頭が―――――――――――――――


{アアアアアアアアアアアアアアアアアア『落ちる』アアアアアアアアア}


―――――――――――――――え?あれ?意識が―――――――――――――――・・・・・・・・・・

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