第10話 「黄金週間:」
Side. 藤原かんな
五月五日。金曜日という平日なのにもかかわらず、こどもの日という名の祝日に定められて入り、ゴールデンウィークの最終日を飾る一日。今年は土曜日と日曜日もあるから最終日ではないのだが……。
そんな日に、私は琴羽音駅前にやってきていた。
「で? さおりんは私をこんなところに連れてきて何がしたいのさ?」
中学時代からの同級生で、今年もクラスメイトになった氷室さおりが私をここまで連れてきたのだ。
「ん? そっか、かなちゃんには今日の目的話してなかったっけ?」
私はこくんとうなずく。
「えっとね、ほら、この間美琴ちゃんやあさひちゃんと駅前でお茶した時あったじゃん? あの時かなちゃん用事があって帰っちゃったからさ、今日は五人で親睦を深めるために集まろうって話になったんだよ?」
確かに、面接最終日、私はちょっとした家の用事でさおりんたちに同行することはできなかった。
確かに彼女たちならば、またみんなでお茶会しようとするのもわかるし、誘ってくれてありがたいのだが、
「なんでそういう話になった時に私教えてくれなかったのさ!」
当事者を話に参加させないとは、いったいどんな神経をしているのだろうか? まったく、親の顔が見てみたいよ。……何回もあってるけどね。
「いや、いつか言おうっては思ってたんだけどね?」
「……いつかって、そもそもなんで私がいないときにそういう相談したのかなぁ」
「いやだってさ、決まったのこの間のお茶会のときだしね?」
「それでも教えてくれたっていいじゃん。教えてくれれば手土産にシュールストレミング缶持ってきたのに…………」
「…………それは流石に嫌がられるんじゃないかな?」
「えー? いい話の種になるよ」
「話の種って……。ってか、かなちゃんってそういうの好きだっけ?」
「うんうん、お父さんがこの間買ってきた」
「なんでかってきたの?」
「においと味が気になるって言ってた」
「お味のほうは?」
「においをかいだ時点で、ちょっとね…………」
「だったら持ってこようとしないでよ」
「だってさぁ、まだ家にたくさん残ってるんだよ? 早く処理しないと悪くなっちゃうんだもん」
「自分たちで食べようよ、そこは」
「それだけは勘弁して」
「いや、そこは食べようよ?」
「じゃ、一緒に食べてくれる・」
「それは流石に……」
そんな会話をしながら歩いていると、向こうでこっちに向けて手を振っている三人の姿が視界に入ってきた。
「沙織ちゃん、かんなちゃん、こっちこっちー」
美琴が私たちを呼んでいる。
私とさおりんは、そこへ向けてかけ出した。
どうも、マチャピンです。
ここ最近、新キャラがポンポンと出てきて困っています。
でも、各属性に対応する人数の調整のせいでまだ増やさないと……。
嗚呼、キャラが多くなって各キャラを掘り下げにくくなっていく……
でもまあ、とりあえず今日のところはここで筆を置かせていただきます
※作者はシュールストレミングを食したことはありません。予めご了承ください